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2012/03/22

ハナコのBH診断カテと診療報酬改定

本日、東京からハナコメディカルの方がいらっしゃいました。今回の診療報酬改定で、DPC病院においては一日当たりの単価が切り下げとなり、今まで標準でJL4、JR4、Pigというスタイルで行っていたものが、少し厳しくなるかもしれない、とのことで、共用(MITSUDO、虎ノ門)のサンプルを持ってきてくださいました。
ハナコメディカルは都立墨東病院の循環器科の基礎を築かれた北爪先生のオーダーに唯一対応したカテーテルを作ることができたメーカーです。形状はもちろん、シャフト、メッシュ、素材、カーブ、先端チップの素材と加工・・・ありとあらゆるところが工夫されています。スタビリティーもよく、LMTやRCAの入り口に解離を作るリスクがかなり低減されています。作ってくださった北爪先生、ハナコメディカルさんに感謝です。
*同じJL45で他社(粗悪品ではなくちゃんとしたもの)との比較です。先端角度の開きなど形状がそもそも違います。

メッシュの入れ方、素材、硬さ、スタビリティー、チップの加工(少し先を丸めてある)、熱ダレなし、カテーテルの理想の形の一つだと思います。(もちろんまだまだイノベーションを求めますが)
(ハナコメディカルに「タイプBH」の4Fr造影カテーテルとおっしゃっていただければ入ります。)

今回、診療報酬改定で16%の切り下げというとんでもないことになってしまいました。ガイディングは35000円なのに、なぜカテーテルは2800円なのか・・・ありとあらゆる工夫がされ、品質管理や輸送コストもかかっています。当院で採用する際、さまざまな診療材料のプレゼンテーションを受けました。そのなかで、このような良いものから、安いけど、、というものまで、千差万別でした。薬剤は同じ作用の薬であっても内容で全て異なる単価が付いています。一方で診療材料は「ステント」「DES」「バルーン」「ガイディング」「カテーテル」とよいものでも粗悪品でも同じ扱い、同じ単価なのです。
そして、粗悪品を安く仕入れ、差益がでるほど、病院がもうかるというおかしなシステムになっています。よりよい医療を行うため、患者さんにとってよりよい診断や治療を提供したい。そのためによりよいものを使いたい、それは医療者の信念であるとおもいますが、そこが実現しにくくなってしまっています。幸い、当院は恩賜財団であり、よいものを使えるよう、配慮してくださっているので使えていますが・・・

このままでは、よいものを作り続ける、開発し続ける、ということができなくなってしまいます。メーカーの方は泣いていらっしゃいました。一部のメーカーは今回の改定を機会に製造を中止するところもあるようです。厚生労働省は、一律に切り下げ、評価するのではなく、きちんとそれぞれのものを評価したうえで、よいものにはちゃんとした価格をつけるべきではないかと思います。
もちろん、PCIやPPIでも同様です。75%狭窄の15分で終わるPCIでも、LongCTOで2時間かかる症例でも同じ診療報酬です。そのうえ、保険でデバイスを査定されてしまうと難しく、技術を要するものであればあるほど、赤字になってしまうというおかしなことが起きています。
そろそろ考えていただきたいものです。

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