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2012/04/30

ツアーバス事故から学ぶ医療の問題

いずれは再び起きると思っていたツアーバスの事故。規制緩和で乱立したいわゆる「新免」にありがちな問題。(すべてに当てはまるとは限りません)

1:中古バスの比率が多い。  新しい車両についている衝突防止装置、居眠り防止装置、レーダークルーズ、車線キープ機能などがついていない。

2:無理な運航スケジュール、コスト削減 通常の路線バス会社に対し半額程度であることが多く、そこは人件費に大きなしわ寄せが行っている。路線バス会社退職後の再雇用、あるいは経験の少ない若者を、さらに厳しいシフトで勤務させている。また、二人乗務がのぞましいところを一人乗務としているところもある。(今回は670km未満と法令は遵守していたが、その法令が大丈夫なのかと)

3:路線バス会社の経営圧迫問題:特に地方の交通インフラは疲弊しきっている。そのなかで補助金をもらいつつもなんとか不採算路線も生活網のため維持している。貴重な収益源(それでも利益は少ない)である高速バスの顧客を不当にツアーバスに奪われることで、経営が悪化し、生活路線の撤退もやむを得ないことがおきている。

あずみ野観光のスキーバス事故、ミートホープ事件(社長の「そもそもそんな値段でまっとうなものが作れる、買えると思っている消費者の問題もある」は衝撃的でした)と警鐘は多数あったはずです。

医療もその危険が差し迫っています。昨日の当直、私も、看護師さん、事務員さん、放射線技師さん、薬剤師さん、一睡もできておりません。これは本来「当直」でなく労働法上の「夜間勤務」とされるところであります。しかし、あくまで「当直」になっています。当直とは「基本的は仮眠ができており、何かあったら対応する」というものが定義であります。
在宅医療、訪問介護の介護福祉士さん、ケアさんはさらに悲惨な状況にあります。
医療費の抑制は必要だと覆いますがいつまでこの体制は続くのか。患者のコンビニ受診に対する意識改革はどうすればよいのか。
「2週間前からの鼻水」「3日前からの熱」「ちょっとしんどいから」「朝から子供の具合は悪かったが昼間は遊びに行っていて受診できなかった」「明日から仕事なので今日中に子供の具合をなおせ」「子供は喘息とわかっていたが、よこでたばこを吸ったところ発作が出たようだ」「予約日を忘れており、血圧の薬がなくなった」「酒を飲んだら二日酔いで気分が悪くなったので点滴をしてくれ」

これらは当直によく聞かれる患者さん、患者さんの親からの言葉です。夜中の23時、1時、3時、4時・・・(昨日のものとは限りません。また東京での言葉も入っています)乳幼児の医療は窓口負担が無料となっています。こちらに対してもメスを入れるべきだと思います。「当番でやってるのだから、金を払うのだから当然だろう、ちゃんと治せよ」という態度のみならず言葉まで聞かれます。両手をポケットに突っ込み、ガムをかみながら診察室に入ってくる若者もいれば、全身からたばこ臭のするぜんそく患者、ぜんそく患者の親がいます。医師会、マスメディアは本当に医療が医療従事者たちの大きな大きな自己犠牲のもとに成り立っていることを報道するべきです。先進国で日本ほど医療費が抑制されている国はないのです。

消費税をあげる前に生活保護制度の見直しを。一概に医療費抑制といわず、不必要あるいは適用外と医療に対する再評価をお願いしたいと思います。そして、高齢者、超高齢者に対する過剰医療に関しては、医療従事者自身が問題意識をもっと持つ必要があると思います。

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