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2012/10/07

自分の中でのPPI アプローチとスタイル

これまでPCIについていろいろ書いてきましたが、今回はPPIです。
西条に赴任し、PPI、中でも足壊疽(重症虚血肢)に帯するPPIが激増しました。その殆どが糖尿病+透析患者です。
1:Iliac(狭窄)
基本的には4F11cmのマーカーシースを逆行性に穿刺します。POBA後、ワイヤーを0.035のStiffにかえてスマートを直接留置します。その後、再びマーカーシースに戻し、Afterを行います。分岐部はExpressLD(バルーンエクスパンダブル)を、という話がありますが、なれれば、Distalの位置決めはSmartでも問題がないので私は安全をとり、Smartとしています。なお、4Fシースでも0.035ならAdmiral、0.018ならスターリングの8mmまで入るため、十分に拡張させることができます。
Iliac(閉塞)
左上肢アプローチを併用します。(透析患者では反対側山越しで4FParent)メディキットの腎動脈用4Frガイディングシースは6Frガイディング相当であり、何でも可能です。JR4をProxymalの閉塞ぎりぎりまでもっていっておき、逆行性にエコーガイドで穿刺した4FrショートシースとあわせてBiDirectionalを原則にしています。最後は生スマートを逆行性に持ち込み、上肢からバルーンをいれて内側から止血してしまいます。

2:SFA
アプローチに一番苦慮するところです。やはり、閉塞の近位にシースを入れ、通ったあと、圧迫止血をするのは抵抗があることからここに関しては反対側からの山越4.5FrParentを基本にしていますワイヤークロス後には4FのMPかなんかで0.035に変えておき、生スマートにしてしまうことが多いです。生スマートのときには、術者が穿刺部分を押さえるひつようがあるため、スマートを入れる助手とワイヤーの先端をもつ+シース再挿入準備を行う助手の2名がいることが望ましいです。
POBAのみであれば4Frで貫徹できると思います。特に、順行穿刺を行うに当たってはSFA-DFAの分岐位置、穿刺部位のプラーク有無を確認するため、体表エコーを必ず当ててもらっています。

なお、SFAのMiddleまでであれば、それほどつよい石灰化でない場合、エコーでワイヤー位置が確認できます。DistalPunctureを行う、という方法もありますが、DistalPuncture(いわゆる横パン、表パン)を行った場合には絶対に通しきって、中からバルーンで止血、が原則になります。当院ではエコーで確認ができない場合に選択するというセカンドラインとして取り入れています。(18Gサーフローの内筒に24Gサーフロの外筒をつきさしてつかう安藤先生に教えていただいた方法がGoodですが、はやくメーカーさんには金属針でうしろからワイヤーが入るものを作っていただきたいところです。

3:膝下および足関節以遠
さて、自分自身のアプローチ選択として、以前は反対側からの山越しアプローチでしたが、順行穿刺になれた今では、ほとんどが同側穿刺です。特に膝下動脈に挑むには順行穿刺以外、ありえません。また、患者さんの頭と足を逆にカテーテル台に乗っていただくことで右手でのワイヤー操作も可能になります。
シースですが、55cmの場合、POPまで入ります。そのさき、Totalで側副血行路からのランデブーを狙ったり、3分岐の分岐部の狭窄または閉塞など、2ワイヤーシステムが必要な場合は、4.5Frにします。そうでない場合は3Frですが、殆どのCLIが閉塞であるため、3Frを使うのはPPI後の再狭窄または再閉塞によるReIVRに限定されています、
札幌のK先生の報告では、高度石灰化プラークをこえるにはよいかも、という報告をいただいたのでアイテムとして検討しようと思います

シースはMedikitのParent、TerumoのDestination、Xemexの対キンクシースとありますが、私の第1選択はParentPlusです。しなやかで対キンク性能にもすぐれ、ダイレータの切れもいいかんじです。必ず穿刺部をカットで開ける必要があるほどやわらかくできています。これもよいところです。山越しに対して最も開く力がつよいのはDestinationだと思います。ただ、硬いです。Xemexの対キンクシースも1度つかったことがありますが悪い印象ではありませんでした。
なお、これまでショートのマーカーシースはCordisのBrightChipをつかってきていましたが、ここにきてMedikitさんが3センチ、11センチの4Fr、6Frマーカーシースを作ってくださいました。マーカーが先端から3mm手前になったことで、Brightchipでよくあった「段差のために入らない!順行穿刺のワイヤーが抜けてしまった!」ということは解消されると思います。営業担当のみならず開発担当の方も時々いらっしゃり、机の上で設計図を書いてデバイス改良のお話ができる、そしてそれに応じたものをきちんとつくってくれる、ということに感謝しています。
シャントPTA用のシースシステムも作ってくださいました。これもいい感じで、切れがよいのみでなく、側管のワンタッチロックもあるため使いやすいです。

最後に、山越あるいは上肢からのIliacに対するアプローチで長いシース(95cm以上)を使うとき、はたしてその先から4Fr診断カテ(MPなど)が出るのか?何センチ出るのか?ということは必ず確認するようにしましょう。

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