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2012/11/30

自分の中でのPPI ガイドワイヤーについて(概論)


冠動脈用ワイヤーとの違い。
基本的に冠動脈ワイヤーは最新のもの、末梢ワイヤーはそれらの名前を変えるあるいは一部リフォームしたものとされている。ならば、冠動脈ワイヤーを使えばいいのではないか?と。しかし、実際にはおおきく違う。冠動脈と比較して、末梢動脈病変は
1:対象となる血管径が多岐にわたる。IliacSFABKAでは血管壁の構造から血流量、狭窄が生じた場合のジェットなど、それぞれ部位別に使い分ける必要がある。
2:ガイディングシースから治療対象となる病変までの距離が遠いことが多い。
3:冠動脈は屈曲(ガイディング出口、LADLCXRCA近位など)から病変までの距離はあっても数センチだが、末梢の場合、屈曲からその先の治療対象病変までの距離が極端な場合、山越アプローチでBKAを治療しようとすると、70cm以上となる。さらに、複数箇所の屈曲がある場合はそれぞれにトルクコントロールを失わされてしまう。
4:Spotな病変であれば、誰でも治療が行えるが、Diffuseな病変、BKACTOなどは非常に、非常に距離が長く、その狭窄自体により、ワイヤーがトラップされる。透析の石灰化などは、ワイヤーも当然ながらマイクロカテーテルも少し無理をすると、ちぎれてしまうことがある。

これらを踏まえると、末梢ワイヤーには冠動脈用のワイヤーに求められる性能以外に、さらに、しっかりとしたシャフト構造、トルクコントロール、ワイヤーボディー自体のコーティング性能、先端のコイルの充填密度、チップの強度、テーパーのかけ方、と別の性能が要求される。もっとも、冠動脈用のワイヤーにはしなやかさをもったトルクコントロールとスタビリティーが必要であり、それらを追求したSION BLUEなどは、冠動脈とBKAの治療を同時に行った際、つかってみたところ、それはそれは、すばらしいものであった。しかし、前述のとおり、シャフトが末梢用としては弱すぎるため物足りない印象も否めなかった。また、Iliacで加速血流がかなり強い(流速400を越える)場所を0.014のフロッピーワイヤーや、0.025のRadifocusのBareを通過させようとしたところ、前者は通過したものの、ジェットで流し飛ばされ、コアのところまでくにゃっとなる、後者はさすがにBareでは通らず、4FrMPをバックアップにする必要があった。

今後、少しずつ、いろいろなメーカーのワイヤーについて、考えてみたいと思う。
というか、当院クラスの病院でほぼ全メーカー、全種類のワイヤーがそろいつつあるというのが恐ろしい・・・・使い分けをもう一度整理していく必要がある。

2012/11/20

J-WINC@東可児病院

更新が遅くなりもうしわけありません。11月10日、東可児病院で開催された、J-WINC@東可児病院に参加させていただきました。
J-WINCとは、インターベンションをやる女医さんとその方々を応援する男の医者の会、というスタンスで、往々にして、男性よりも男気がある女医さんがコアとなられております。それはそれはすごいエネルギーでした。昔、とある先生に「女医は男の2倍仕事をして、3倍仕事ができて1倍の評価です。」と言われたことがあります。その方は本当にこわい方でしたが、仕事にブレはなく、つねに緻密で知性的な医療を行われていらっしゃいました。ちなみに今回、神奈川から私の「監視役」として参加してくださっており、懐かしい話ができました。
ミニレクチャーでは新築移転となり、美人部下をつれて参戦された那須赤十字病院の矢野先生。同年代とは思えないがんばりぶりに頭を殴られた気持ちになりました。私もますます燃えねばなりません。赤十字という厳しい制約のある病院にトップで赴任され、3次までバリバリこなす、そして拡大総生産をされている、さらには国際学会でもファカルティー。今後も無理をされない範囲でがんばっていただきたいです。
私は合併症に対するサルベージのケース、PPIについてのプレゼンをさせていただきました。
と、そこで考えたのが・・・女医さんにこそEVTなのではと思います。まず、SFA以遠のPPIは極端に被曝線量が低下します。等価体積が違うわけで当然ですよね・・・さらに、ロードマップ、エコーガイドを駆使することで極限まで減量することができます。マタニティー用のプロテクタ、一度着たことがありますが、すさまじい重さでした。少しでも安心して働ける環境をつくることも我々の責務だと思います。さらに、時間が長くなってもぶれない、食事をとらなくてもぶれない、断固たる決意、影に潜む大きな優しさという点では及ばないところです。

(矢野先生と山平先生 悔しいから石川先生との2ショットはUPしません!)

進先生率いる可児軍団の皆様と本江先生。今回もバイタリティーとエネルギーをいただきました。うちのCEさんも今回は参加させていただき、みっちり高周波IVUSの解釈について学ばせていただきました。いつお聴きしてもクリアカットで臨床に即したIVUSコメントはすばらしかったです。同じ規模で、同じような環境(大都市から車で約2時間、透析や外科をかかえる二次救急の総合病院)というところで、このようなワークショップを1年間に2回も開催されたということは本当に頭が下がります。統率、軍団の団結力、ともにすばらしいと思いました。そして、我々も「可児をめざしてがんばるぞ!」という気持ちになりました。

スペシャルレクチャーはIVUSについて。まだまだ進化するIVUS。そしてその真意はGrayScaleにある!肝に銘じます。一番印象に残った言葉は「せっかくの高額医療機器。一つでも多くの情報を得て下さい」。
終了時にカテ室で。本当にお疲れ様でした。勉強になりました!
「地方から発信する医療」 ITによりすでに実現できるようになってきています。いつでも、どこでも、だれでも、医療従事者がハイレベルな治療についての知識や技術、合併症の予防と対策について共有する、そして、その恩恵を全ての患者さんが享受できる、そのような社会になって欲しいと心から願っています。

そして、医学部生、研修医の皆さん!循環器科は楽しいところです。とくにインターベンションはライフワークとするにふさわしい毎年のデバイス進化と自己研鑽に対する要求があるものです。たくさんの女医さんが活躍していらっしゃいます。男性と女性、それぞれの特性を活かし、お互いに幸せになれる医療環境をつくっていきたいとも考えました。

2012/11/04

CCT2012に参加しました。


インターベンション関連の最も大きなライブであるCCT2012に参加させていただきました。大震災により中止となっており2年ぶりの開催です。私はEVTのPromotionのところで、足関節以遠のPPIについて、CLIに対する全力野球というお話をさせていただきました。当初、2日目のつもりで、夜でもがんばるか!と思っていたところなんと、当日。朝一番のCall For CasesでAMIの症例をだしていたため、終わり次第大急ぎで修正したものです。今回は「カイジ」でいってみました。もちろん、スライドは斜めです。
 つづいて、藤田技師の発表です。これで、当院の循環器科はコメディカルが全部署より全国学会で発表(あるいはエントリー決定)となりました。忙しい中のポスター作り、本当におつかれさまでした。放射線技師は血管撮影室の仕事効率をUPし、PCIやEVTにおいては成功に導く診断モダリティーの提示、合併症(放射線皮膚炎や造影剤腎症)の予防に大きく貢献してくれています。実際の透視時間、被爆線量について、座長から質問があるかと思い、準備もしていたのですが、質問がなく残念でした。ともあれ、無事終了です。

現在は福岡の和白病院にいる伊元先生。墨東時代、センスもよく、まじめな仕事ぶりは本当にすばらしかったです。今は和白の末梢血管治療のチーフとしてがんばってくれているようで、とてもうれしかったです。今回、私が足関節以遠、伊元先生は手の重症虚血肢についての話でした。

ライブは初日朝の加藤先生のCTO、二日目りんくうの武田先生のLAD-OStiumのCTO、時計台の浦沢先生のSFA、京都桂のプリンス中村先生のSFA、最終日落合先生のRCA-CTOをはじめ、多数を見学させていただきました。Broadcastという新しい試みがあり、それぞれについて翌日加藤修先生が解説してくださるというすばらしいレクチャーがありました。また、前日に若手Drと土金先生がライブケースのストラテージについて検討するなどとても充実した3日間でした。
明日からのPCI、PPIのレベルアップを行います。そして、GaiaはAntegradeのCTOを大きくかえる、これは確信しました。