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2013/02/28

PPIガイドワイヤーについての総論と各論 2013年2月


PPIガイドワイヤーについて
2012.12.06 Ver.1.2.0
冠動脈用ワイヤーとの違い。
基本的に冠動脈ワイヤーは最新のもの、末梢ワイヤーはそれらの名前を変えるあるいは一部リフォームしたものとされている。しかし、実際にはおおきく違う。冠動脈と比較して、末梢動脈病変は
1:対象となる血管径が多岐にわたる。IliacSFABKAでは血管壁の構造から血流量、狭窄が生じた場合のジェットなど、それぞれ部位別に使い分ける必要がある。
2:ガイディングシースから治療対象となる病変までの距離が遠いことが多い。
3:冠動脈は屈曲(ガイディング出口、LADLCXRCA近位など)から病変までの距離はあっても数センチだが、末梢の場合、屈曲からその先の治療対象病変までの距離が極端な場合、山越アプローチでBKAを治療しようとすると、システムによっては30cm以上となることもある。さらに、複数箇所の屈曲がある場合はそれぞれにトルクコントロールを失わされてしまう。
4:Spotな病変であれば、誰でも治療が行えるが、Diffuseな病変、BKACTOなどは非常に、非常に距離が長く、その狭窄自体により、ワイヤーがトラップされる。透析の石灰化などは、ワイヤーも当然ながらマイクロカテーテルも少し無理をすると、ちぎれてしまうことがある。

これらを踏まえると、末梢ワイヤーには冠動脈用のワイヤーに求められる性能以外に、さらに、しっかりとしたシャフト構造、トルクコントロール、ワイヤーボディー自体のコーティング性能、先端のコイルの充填密度、チップの強度、テーパーのかけ方、と別の性能が要求される。もっとも、冠動脈用のワイヤーにはしなやかさをもったトルクコントロールとスタビリティーが必要であり、それらを追求したSION BLUEなどは、冠動脈とBKAの治療を同時に行った際、つかってみたところ、すばらしいものであった。しかし、前述のとおり、シャフトが末梢用としては弱すぎるため物足りない印象も否めなかった。



カネカ

Ruby Soft:コイルワイヤー、先端1.5g、ノンテーパー。コイルワイヤーのFirstとして用いる。ただ、シャフト合成は少し弱い。
Ruby Hard:コイルワイヤー、先端9g、ノンテーパー。BKATotalに対してはCruiseの次に使うことが多い。先端部分のコーティングが適度であることと、感触がわかりやすいのがよい。
Ruby Superhard:コイルワイヤー、先端18g、ノンテーパー。BKATotalに対するセカンドワイヤーとして使うこともあるが、IliacSFATotalに対しても使いやすい。RubyHardSuperhardともにTreasureに比べ、先端形状の形成を行いやすいのみならず、へたりも少ない非常によいワイヤーである。冠動脈用のMagicシリーズと似た構造。先端が固くてちょっとヌル、そして非常に強い。手元に感触が伝わるのが非常にうれしい。


日本ライフライン
Athlete WizardPV1g:先端1g、テーパー構造。テーパーワイヤーが得意な日本ライフラインのワイヤー。冠動脈ではWizard78というものもあるが、こちらは009のテーパー。
AthleteWizardPV3g:先端3g、テーパー構造。少し構造が古いためか、トルクスタビリテリーは伝わりやすいものの、どうしてもChevalierに比べると、先端がへたりやすく、「一世代前のワイヤ−」と感じてしまう。


朝日インテック

Neo’s Cruise:プラスチックコーティングワイヤー。石灰化を伴ったTightLesion、トランスコラテラルアプローチ、BKAにおいては、ProminentNEOとペアを組んだ先端0.5mmのマイクロナックル、足関節以遠でPedalArchDorsalArchを通過させる際、血管走行に追従した形状をとる。活躍の幅が最も広いワイヤーのひとつ。冠動脈のFielderFCと先端はよく似ているが、シャフトは末梢血管に対応するため、固めに作られている。とにかくまずはCruise!というレベルのファーストワイヤーとして使っている。
Neo’s Treasure0.018コイルワイヤー、先端12g、ノンテーパー。昔からあるIliac-SFA領域のワイヤー。0.018なりの先端形成、形状記憶であるが、トルクスタビリティーも高く、よいワイヤーである。しかし、後述するRubyなどの登場により徐々に活躍の場は狭まってきている。0.016であるため、Prominent0.014対応)の中を通る。
Neo’s TreasureXS:コイルワイヤー、先端12g、ノンテーパー。Treasure0.014版。以前はスタンダードワイヤーであったが、最近は先端のへたらなさ、シェイピングのやりやすさからRubyHardを使うことが多い。
Neo’s Treasure:上記Treasure0.014版。スタンダードワイヤーで評価基準となっていたが、最近RubySoftに世代交代しつつある。

Neo’s AstatoXS9-12:コイルワイヤー、先端12g、テーパー。冠動脈のConquestPro12と同じ構造。DistalCapを突き破るときに使う。先端の形状記憶は比較的よい。ProminentなどのMicrocatheterに入れるときも比較的追従する。
Neo’s AstatoXS9-40:上記ワイヤーの40gバージョン。先端はほぼ「針金」級の堅さを誇る。IliacSFACTOProximalあるいはDistalの一発貫通に使う。とくにIliacProxymalCapの貫通にはこのクラスの硬いワイヤーが必要であることがしばしばあるが、Perforationのリスクも高く注意が必要。ランデブーで使用するとき、Prominentであれば、まだ入りやすいが、Corsairでははねられたり、先端が入っても追従しなかったりしたことがある。

XtremePV:コイルワイヤー、先端0.8g、テーパーワイヤー。冠動脈XT-RPV。さすがに、活躍の機会は少ないが、微妙に髪の毛のようなチャンネルが見えているときに入れ込むこともある。



ゼオンメディカル(FMD)

このメーカーの作るデバイスはファンキーなものが多い。下記のTruefinder、マイクロカテのX-Supportというのはすさまじい直線番長で、先端の曲げは筋肉の中でもくるくる回る。そのため、Wire先端の確認は必須であり、くるくるまわると血管外=筋肉内や後腹膜腔であることがある。
Truefinder45:コイルワイヤー、先端45g、ノンテーパー。0.018で非常に硬いワイヤー。先端のみならずシャフト部分も直進性が強い。そのため、SFAIliacいずれも血管外穿孔をきわめて容易におこしてしまう。そのときも手元に感触はない。原則体表エコーあるいはIVUSガイドでのパラレルワイヤーで使うこと。
Truefinder90:上記ワイヤーの90gバージョン。針金よりも硬い。エコーガイドでない限りは危険と考える。非常に強力な直線番長。どうしても最後の一発が決まらないIliacCTOなどで、Poorman’sOutbackをエコーガイドで行うことがある。また、SFACTOでも同様に使用したことがある。正直、鉄筋の結束線ばりに硬いので金属針に入れるためには、先端の曲げを意識する必要がある。


FMD
(PLX以外使用経験があまりないので詳細なコメントができていません)
実際の製造元として、日本のワイヤーは朝日インテックかFMDかといういう陰のメーカーですが、最近直販モデルが出現。NEXUSINSPIREシリーズです。いずれもシャフトが非常に強くできていて、先端ピースは短いトリッキーな動きを見せてくれます。INSPIREシリーズはテーパー、NEXUSは鈍的なもの。スタビリティー、直進性ともに非常に高いワイヤーですが、30g以上は先端が血管外に出た場合であっても全く感触がありません。確かに、SFAMiddleBKAはほぼまっすぐなことが多いのでよいかもしれませんが、「ものすごい」直線番長なので使いこなすにはスキルが必要そうです。


Nexus14 0.014、コイルワイヤー、先端は30g50g、ノンテーパー。
NEXUS-PLX 0.014 個人的には最近のお気に入り。先端が透明なプラスチックジャケットの10gとなっているワイヤー。非常にいい。Cruiseで途中までいくが、最後の一発が通らない、強いコーティングワイヤーが欲しいと思っていたところで登場した。現在、側副血行路からのアプローチでTCAProminentBTAが通過した後、直線部分で使用しているが、非常によい成績。
さらに、AnteriorCruiseMicroNuckleで通過しないところをProminentNEOと組みあわせた一発狙いでの通過性もすばらしい。ただ、先端の感触がコーティングの宿命か、わかりにくいところもあるのでそこは注意が必要である。

Nexus1.5J:0.018、コイルワイヤー、先端が1.5mmJになっている。ナイチノールコアで非常に強い構造。破壊力も高い。以前、血栓破壊のためのミキサーとして使用したがすばらしい効果があった。先端の剛性がつよいため、1.5Jよりもいい破壊力をもっている
Nexus18REVO0.018、コイルワイヤー、先端18g、テーパー構造、ナイチノールコアが特徴
Nexus18EXE0.018、コイルワイヤー、先端35g、テーパー構造、REVOと違いSSコア。シャフト性能を重視しており、末梢用としてシャフト剛性は非常に高い


Cordis (FMD)

Chevalier Floppy:プラスチックワイヤー、先端2g、ノンテーパー。235cmなので山越しでBKAに対するPPIを行うときなど使いやすい。先端がプラスチックなので、微小血管にはいらないよう注意が必要。長さが長いのはメリットであるが、どうしてもプラスチックワイヤーだとCruiseと比較してしまう。こちらのほうが新しいモデルではあるのだが、Cruiseの追従性には追いつかない。不思議である。
Chevarier3g:コイルワイヤー、先端2g、テーパー。235cmで少し長め。スマートやルミネックスをはじめOTWステントを入れるときなどにも使える(もちろんシースは必要)
Chevarier30:コイルワイヤー、先端30g、テーパー。食いつき、貫通力ともに強い。SFAIliacTightLesionを「うねりながら掘り進める」ときには使えるが、テーパードワイヤーであるため、先端の感触はわかりづらい。その一方でエコーガイドでは使える。RubySuperHardで通過しづらいときに使う。ただ、Penetrationの性能としては、AstatoXS40には及ばず、少し中途半端な印象もある。その一方で、Astatoよりも先端のヘタレはおきにくいという長所もある。


Boston(フィルメックー朝日インテックグループ)

Aguru support:コイルワイヤー、先端?g、ノンテーパー。昔「Dejavu」というワイヤーがあったがその後継と思えばよい。「Support」と銘打つだけあり、シャフトは非常に優秀。180cm300cmがあり、特に300cm0.014の交換用ワイヤーとしてもよく使う。また、側副血行路をBTA+Cruiseで通しておいた後、深く入れば、このサポートワイヤーに交換して、ProminentをNEOに交換、最後の一発を破るための武器にもなる。そのくらい、シャフトもしっかりしており、使いやすい。また、CoatingWireCross後、微小血管のPerforationを防ぐため、CoatingWireの先端をつぶさないために待機させておくためのワイヤーとしても使用する。特に、腎動脈ではステントのデリバリーとの相性がよいこと、末梢Perforationの防止なども含めてFirstChoiceのワイヤーとなる。
Aguru Pierce0.014、コイルワイヤー、先端23g、ノンテーパー。貫通用のワイヤーであり、ASTATOXSChevarierの対抗馬だがノンテーパーなので先端の感触がわかりやすい。最後の皮一枚でDistalに抜けるとき、あるいはTrueに戻すときに使っている。先端の形状もつけやすい。

凄い勢いで書きましたが、間違っているところも多く、また、自分なりの解釈であり、個別の症例、個々の術者により使い方は大きく違うと思います。
ただ、全てのメーカー全てのワイヤーをそろえて一通りフィーリングを知っておくのは大変なことなので、平坦なことばで正直な感想を書いてみました。

Prominentの進化 がんばれ日本!

末梢血管インターベンションを行っているDrのほとんどが使っているマイクロカテーテル。なかでも秀逸なものが、「東海メディカル」のProminentシリーズです。


現在のラインナップとして
1.Promienent:以前からあるものすいつき感と追従性のバランス重視
2.ProminentNEO:先端に現在の樹脂の中で最も固いものを採用。Cruiseとのマイクロナックルの相性が抜群。Anteriorでも非常によい。
3.ProminentRapter:0.018対応の大口径タイプだが、先端のTaperがよいので、従来のTransitなどにくらべても貫通性が強い
4.ProminentTCA:側副血行路アプローチを目的に改良された、先端がふにゃふにゃのもの。まがりくねった側副血行路にCruiseとともに追従し、抵抗なく、上がっていく。
5.ProminentBTA:先端1.6Frの部分がながく、ながい側副血行路にも対応。150cmと長いので、順行穿刺、4.5FrのParentPlusで、AnteriorのProminentNEOとランデブーに持ち込める
ほか、先週のJETでおしえていただいたのですが、Prominentは「貫通カテーテル」ではなく「一般型マイクロカテーテル」で償還をとっているため・・・なんと、冠動脈でもつかえる!というメリットがあります。
この数日間、2,5を併用した前から後からつんつんということを行いましたが、この中で、ProminentBTAとNEOの違いを大きく感じました。まず側副血行路(足関節のPerAからATAにぬける穿通枝)アプローチでつかったとき、CruiseにNEOは追従せず、BTAなら見事にOK。側副血行路をこえたら、NEXUSーPLXにかえてずっと上に上がっていくが最後抜けず・・・Chevarier30gTaperでも抜けず・・・
困った、Anteriorから、NEO+PL-Xでツンとしたところ、、見事に通過。その前にPLXのBare、BTAのせでも行かなかったものが、NEOで決まりました。なるほど、これが特性の違いかと。ちょっと触っただけでもまあ、堅さとほそさが違うのかな〜という程度でしたが、実際に入れてみると全く別物です。NEOは朝日インテックのCorsairに近いかもしれませんが、シャフトまで細いので、なんと、4.5Frに2本いれてランデブーが狙えます。
マイクロ2本では保険で査定されるかもしれませんが、なんとか査定官の温情にお願いしてTryしています。非常にいい成績です。BKA-PPIに対するシステムもAnteriorで徹底的に攻める4段ロケットに加え、続いてのオプションができてきました。
BKA3枝、一本でも多く開けよ!(開存成績をあげるために!)という札幌の大明神の確率論のもと、がんばろうと思います。基本3FrのParentですが、はじめてのCTOが1枝でもある場合にはもう一度4.5FrでProminent2本差しによるランデブーでの貫通とサイズアップになりました。
その一方で、強度の問題は否めません。ほそく、うすく、どこまでも、がコンセプトであり、奥まで突っ込んでしまって、透析の石灰化にトラップされると、一撃でちぎれそうです。これには本当に注意をしたいところです。

Prominentをつくった東海メディカルは「一人の患者さんのために」というポリシーで製品開発をされており、軽いフットワーク、素早い改良、きめこまかな意見聴取と現場訪問によるフィードバックがすばらしい会社です。IABPも駆動テスト、バルーンやシャフトの柔軟さかつ丈夫さは他社の追随を許さないものです。
がんばれ!日本の会社!「ものづくり東海!」SKEも応援しますが、ものづくり東海、日本を支えるためがんばってほしいです。(東海メディカル、朝日インテック)
私も日本の国税収入、医療費削減、国力アップのため、一臨床医としてがんばっていくことをあらためて思いました。

2013/02/19

血管撮影室における工夫と小道具たち。

当院の心臓カテーテル室はGE製Innova3131IQを使っています。30センチFPDが2方向同時に使えるタイプです。心臓と末梢を1台で兼用するため、この機械になりました。
長所は
1:PastedDSAができる。 造影剤15mlから20mlで下記の画像がとれます。他社は少しずつずらしながら画像を作っていかねばなりませんが、GEは何の操作もいりません。自動で一発でとってくれます。両足を同時にスクリーニングできます。ただ、最近はCTAもかなりよくなってきています。

長径が30cm以上で可能なこと、この「うごくDSA」そのものも保存されることから、こういうものにも使っています
2:腎動脈もPIGで2方向同時撮影OK
3:下肢とくにBKA、BAで使うロングバルーンも20cmまでであれば20cm視野で1回で確認できる。22cmのものをみるときには30cmスケールが必要
4:DSAがとにかくきれい!

短所は
1:放射線発生装置(X線管)もFPDもでかいのでCranial、Caudalがふりにくい。
2:特に両Caudal、両Cranialはつらい
3:角度を大きくとらねばならないときはやむを得ずSingleをつかうこともためらわない
4:画素数が大きいため、データ量が多い。すなわち、無圧縮のDICOMデータをためていくとあっというまに画像サーバがいっぱいになる。(当院では1/4圧縮でためているが本当は1/2圧縮程度がよさそう。学会・研究会で出している動画より、実際のIVR施行時はずーーっと鮮明で細かいところまで見ることができます)

工夫点は
1:レールをできるだけ長くする。8面モニター(Biplanex2+ポリグラフ+IVUS/CT/エコー+電子カルテ/外部入力)を回転させて使うためにはレールを基本仕様より10cm延ばすことで対応できる!また、縦軸と横軸のレールを基本仕様と逆に組み合わせることでよりモニターの自由度が増す
2:オフセット構造なので、Frontalを真横にして使うときは、アームが術者側にくるほうがよい。(1と2は北光記念の野崎先生に教えていただきました!)
3:ピットをほり、完全にケーブル類を床下に入れたことで電気生理・アブレーションのときのノイズを低減できた。フルフラット構造なので、点滴台が倒れたり、誰かが躓いたりすることもない。
4:天井の調光を3系列にした(蛍光灯2系列、スポットライト1系列)ため、IVUS、複雑な血管撮影、EPSからペースメーカー植え込み時の高輝度まで対応可能となった。また、そのことで線量を落とすことも可能となり、被曝線量も低減されている。
5:メディアボックスを設置したことで、いろいろな機器(D-SUB15対応)がつながるようになった
6:CE、看護師専用モニター(リアルタイム2面)をポリグラフ周辺におくことでコメディカルの被曝が低減された。ポリグラフは実際の術野から3m以上離れている。このモニターがなかったときは「どの手技をおこなっているのか」不明であったが、追加以後非常にパフォーマンスがあがった。
7:操作室のモニターは殆ど壁に直付け、2段構造とし、テーブルスペースが有効活用できるようにした。
8:ジュラルミン製の操作台を追加した(GE)。足の上で不快な操作をさけることができる。また滑り台(可変チルト)をつけたことで、段差もなくスムーズな操作が可能となった。透明なカバーを使用すると、患者さんの顔色も確認できる。

基本的には二つのブリッジ構造(3ブリッジあったがアシストと干渉するため廃止)
(奥に見えるのがポリグラフと臨床工学士、看護師用モニター)

この滑り台は取り外し可能、また、高さの調節も可能。体格に合わせた調整ができる
また、天板は土台を脚を固定した状態で5cm程度スライドできるため、撮影→山越PPIとなる場合、ちょっともぐってスライド板をつけ、数センチ移動させるとそのままPPIができる。


ペースメーカー植え込み時はペースメーカーのメーカーが作成しているヘッドカバーとほぼ同じ高さなので、ストレスがない。
エッジは落下防止、液だれ防止のための小さな突起。手前はチルト式可動台をつけるためのジョイント。本当によくできている

このように非常に広いスペース。ペースメーカー、アブレーション、300cmワイヤーを使用するOTWシステム、CASのデバイスもまっすぐな状態で使用可能

9:DSA対策に診療放射線技師が足台を手作りした。余っていたスポンジをカッターナイフで削って作成。(Ver.3でかなりいいものになりました)

足をこのように入れる。反対側の足は反対の溝で入る。

当初はきりとったもの(右上)でおさえていたが、CLI患者さんの痛みに対応するためやわらかいスポンジに変更。三角にしたことで、少しでもFPDが近づけるような工夫となっている。




カッターナイフで削った努力の跡がみられます。
(このオリジナル足固定具はさらに改良したものを、近日インターベンション関係の学会で発表予定です)
10:カテ台のマットをテンピュールにした。そして通常は10cmや7cmのものを使用するところを5cmにした。これにより患者さんの絶対高が2cm低くなるため、Biplane使用時の高さをかせぐ事ができる。また、軽くなるため台の移動がすこし楽になる。さらに、オリジナルのスポンジマット用ビニールカバーに入れられるので清潔も保たれる。
11:2時間以上の手技を行う場合、テンピュールは必須と考える!

なお、ピットにはアルミ板をいれることで、交流波のノイズを低減。EPSのときの鮮鋭な波形をだすところで貢献してくれています。

患者さんのために、よりより血管撮影を行うため、より安全なPCI、PPIを行うため、より精度の高いEPS・RFCA・PMIを行っていくため、医療従事者側の被曝低減、手技時間の短縮による肉体的・精神的負担の軽減、少ない人数でのオペレーションを可能とすることを目的で改良を重ねてきています。田舎の病院では、若いコメディカルスタッフがなかった場合「自分たちで作って」くれることが多いので、とても楽しいものです。

2.19ご指摘をいただいた点につきましてUpdateさせていただきました。