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2013/05/08

循環器科クルズス(1) 循環の生理学

前の病院の時、研修医や看護師さんむけの講義資料として作成したものをUp指定校と思います。ちょっと情報が古いものもありますが、ご容赦ください。


循環器科クルズス(1) 循環の生理学血液は心臓ー体臓器ー心臓ー肺ー心臓で回っている。体内の水分量のほとんどは細胞「内液」であり、循環している血液=細胞外液の一部である。細胞内液=「生命維持液」であり、細胞外液=リンゲルである。このバランスが崩れると「水分の不均等分布状態」とよばれる。血圧を規定する因子は血液量、心臓収縮力、前負荷(静脈圧)、後負荷(抵抗血管である動脈圧)であり、このバランスが崩れると「心不全」となる。Forresterの分類はこれらを分類し、いかにして「1郡にもっていくか」という治療指針を教えてくれる。血液量:規定するのは腎臓の能力にくわえて、膠質浸透圧、電解質濃度がある。すなわち、尿を産生し、電解質やタンパク量の調節を行う腎機能、アルブミンを産生する肝機能が傷害されているケースにおいて、循環血液量の調節には一層の配慮が必要となる。心拍出量:収縮と拡張いずれも心臓の動きにとって必要なものである。収縮不全=拡張型心筋症あるいは虚血性心筋症、拡張不全=肥大型心筋症とするとわかりやすいが、それに加え、大動脈弁狭窄ならびにIHSS(肥大型閉塞型心筋症)では流出路傷害もともなってくる。また、収縮力は前壁と後壁のシンクロナイズ、心室と心房の関係(いわゆるAtrial Kick)によっても規定される。それぞれ、再同期療法、心房細動からSinusへの復帰が有効である。一回収縮量に加えて、心拍数も重要となる。基本的に100をこえると「拡張不全」となってしまう。また50をきると拍出量が不十分となることが経験的に多い。拍出量を上げるもっとも効果的なものはDoB(ドブトレックス)である。また、迷走神経反射等の徐脈に有効なのが硫酸アトロピンであるが前立腺肥大では禁忌となる。前負荷:静脈は容量血管ともよばれ、動脈の約2倍の血液がプールされている。このプール量を最も簡便に知ることができるのが「頚静脈怒張」であり、45度で45mmが目安である。次が肺動脈せつ入圧である。プールを増やすことで血圧も下がり、僧坊弁閉鎖不全は改善される。しかし、プールを増やすと動脈内血流量が減るため一気に血圧が低下する。静脈系拡張薬の代表がミリスロールである。後負荷:動脈は抵抗血管、弾性血管ともよばれ、血圧維持に役立っている。高血圧の患者の場合には動脈硬化がすすみ、抵抗の調節ができなくなってしまう。この抵抗、弾性を数値化する検査がABI(血圧脈波検査)である。動脈硬化の著しい患者では、この抵抗調節ができない。そのため容量の少しの増減が一気に血圧上昇、低下を引き起こすので注意が必要である。侵襲が小さい検査であり当科入院患者には全員に施行することがのぞましい。(ただし透析患者は不可能)動脈系拡張薬の代表例がACEARBHANPである。ACEARBCre1.9以上では用いないことが望ましく、HANPは血圧が極度に低下することがあるので注意が必要である。逆に末梢血管を閉めることで血圧を上げる作用がもっとも強いのがノルアドレナリンである。

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