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2013/07/21

2013年夏の札幌

札幌にて、札幌心臓血管クリニック、時計台記念病院を見学させていただきました。
日本3台がっかりスポット??初めて行きましたが、きれいだしボランティアの方々も多いし、後も立派だし、なぜ??と思いました。高知のはりまや橋のがっかり度には遠く及びません。なにせ、川もないところに赤ペンキで塗ったガードレールのようなものがあるだけですきに・・・

私が済生会西条病院のカテーテル室を立ち上げるとき、たくさんのアドバイスをいただいた藤田CEO。お話できるのは2年ぶりでした。
PCI件数2000件です。Dr数がかなり増えていて13人体制になっていました。私とほぼ同じ世代の先生方の層が厚くなり、行われている手技の内容も広がっていました。
藤田CEO(rotamanlaser)と鹿島先生と
3カテ室は朝から晩までフル稼働、病棟(カテ待機室)とカテ室の導線がよいことから、入れ替えの無駄もなしです。CEチーフの宮本さんの指示で統制がとれた動きはまさに「軍隊」のようなものでした。
このクリニックのシステムの特徴として、「責任は全て俺がとる」と藤田CEOが外来、Caseについてすべて携わっていることです。人間ドック、救急外来で来院された患者さんであっても、最終診察、診断は藤田CEOが行い説明をされています。外来には4名のクラークさんが配置され、1:ディクテーション、2:患者さんの案内、3:次の患者さんのカルテ情報準備、4:次の次の患者さんのデータ準備、とすごいシステムでした。循環器内科(虚血)診療1ブースのみで120人の患者さんを診療されるのはなるほどと思います。
そして、「今日は大丈夫。検査の結果も全部大丈夫でした。でも、ちょっとでも不安に思ったらここに電話してください。僕の携帯電話24時間365日いつでも大丈夫だから」と名刺を渡してました。
Rotamanはとにかく走ります。病院の中も階段x階段。外来ーカテ室を常に移動。重要な事項の系統・決済はほぼ完全トップダウンでどこにいても、Rotamanを求めて全ての職種のスタッフが動いていました。書類に目を通す、それに応じた判断と決済の早さ、持ってきた相手の表情や言葉のテンポから、どのような回答を求めているか推定しての回答を行う、この「行間をよむ」というところがすばらしかったです。

気づいたのは鹿島先生によるCEOのフォローと院内での雰囲気作りがこのクリニック作りに極めて大きな役割があるということです。3カテ全ての状況を把握しながら(実際の手技は若い先生方がされています)、難しいところを見つけてはそこに行く、それ以外は、最初の戦略決め、最後の確認のみに徹するというところです。若手のモチベーションも上がります。外来、病棟、医事科からの問い合わせも並んでいます。それぞれそのスタッフが待っている間にプライオリティーを考えて順番を交代していました。また、書類の訂正、クラークさんの指導も鹿島先生の仕事です。最近になっていわれている「コーチング」という手法はもう数年前から始まっていたことに名前がついただけなのかもしれない、と思ってしまいました。
放射線技師の佐々木さん、エコー技師の山下さんとも数年ぶりにお会いできましたが、技師の人数も増えた、でもそれ以上に件数が増えた、でも、それ以上に我々一人あたりのキャパシティーがあがった、とおっしゃっていらっしゃいました。確かに、2年前より検査を行ってから結果が全てそろうまでの時間が明らかに短くなっていました。

夜、一緒に会食をさせていただきました。2時間の間に、Rotamanの電話は患者さんから3回なりました。全て丁寧に対応。最後の一言は「じゃあ、また何かあったら遠慮なく電話してね。お大事に」でした。2年前は一晩に2-3件かな、とのことでしたが、最近は10件前後だそうです。
あとで、小林先生に教えていただいたところ、藤田先生は数時間しかお休みになられないとのことです。2時に寝て5時におきてランニング、心と体を常に鍛えるというのがポリシーとのことで、真冬の北見や網走(マイナス20度の世界)でもランニングされていらっしゃるようです。

心臓・血管専門のクリニック(病院)として、日本におけるオピニオンリーダーとなられることは間違いのないことですが、そこは藤田CEOは一切望まれないとのことです。「俺は北海道のためにやるんだ」という原点からぶれない信念をお持ちであり、最近、学会でもご自身のRoleが終わったらすぐに札幌に戻られる、そして発表は若手のDrと鹿島先生、というスタイルが徹底されております。
貴重なお時間、おはなしをいただいた藤田先生、鹿島先生、小林先生、ありがとうございました。小林先生、北と南で、環境も大きく異なりますが、私もめげずにがんばっていきます。今後ともよろしくお願いいたします。

札幌は、心臓血管クリニック、時計台記念病院、北光病院、社会保険病院とそれぞれ立場も機能も全く異なる病院が、それぞれの特徴とポリシーを出し、いい意味で切磋琢磨されています。時に競合、時に協調。スクラムを組んで札幌あるいは北海道内の患者さんの心臓・血管疾患による死亡率、下肢切断率が下げられるよう取り組まれています。
こういうの、イイですね。市民講演による健康増進活動をもっとしなければ!

時計台記念病院は循環器科3トップ体制+若手増員+形成外科に加え、今年から透析センターと糖尿病センターが設立、もともとある消化器(内視鏡センター)内科と併せて、総合力がUP。浦澤先生の匠の技術、佐藤先生の広報力と政治力、越田先生の下支え、雰囲気がよく明るいカテーテル室スタッフにより、この数年で循環器科の患者数も倍増です。治験も増えており、患者さんのために最高の集学的医療が提供できる環境になってきています。そのためには80回以上の地域連携講演、佐藤先生による連携活動と対外活動と院内活動・・・病院で診療科を立ち上げていくとき、集学的医療を実現するときのポイントをたくさん教えていただきました。
おそらく、メーカーのワークショップを行うたびに、チーム力があがっているのでは内科と思います。有名な小谷CEのみならず、看護師さんやRTさんの動きも本当によかったです。それに加えて、優秀なディーラーさんです。デバイスのおき在庫種類、数、どのタイミングでどこまで準備するか、どのDrがどのデバイスが好みであるか、熟知されておりました。最近いろいろあって「業者は病院から排除を!」というとんでもない動きがありますが、現場からするとあり得ないことです。当院のカテ室でも、ディーラーさんが全部のメーカーさんに交渉して、絶対に欠品がないように、その手技にあわせて必要と少しでもおもわれるものを探してくれています。メーカーさんは、その道のプロフェッショナルです。学会で認定資格をつくるべきかもしれません。


80回を越える時計台セミナー。座長が演者が浦澤先生で座長が佐藤先生という組み合わせ・・・なんという贅沢。会場は講演30分前に満席。

220ベッドと当院の2倍ではあるものの、複数の診療科があること、雰囲気のいいカテ室、地域連携、「ゼロからの立ち上げ」めざしていく体制があります。
カテ室でランデブーさせていただきました。越田先生が監督で丹先生が手技。毎日ランデブー手技、CLI、LongCTOに対するPPI・・そりゃ、人も集まってきます。浦澤会長、お若い!森田クイーンがいらっしゃらないのが残念。
お忙しい中突然お邪魔して申し訳ありませんでした。CCTの中継施設としても楽しみです。時計台カテ室のあたたかい雰囲気も伝わりますように!

さあ、がんばろう。エネルギーの注入をいただいた今、もうやるしかない。でも、ちゃんとブレーキを!

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