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2015/02/26

いよいよ今週末 心不全陽圧治療研究会

私の取り組む循環器診療のひとつに陽圧呼吸療法があります。2004年頃から、前任地で心不全とASV(Adaptive Servo Ventiration)についての治療経験を積んできました。
2013年以後は単純な在宅での心不全治療デバイスとしてのみでなく、透析患者における負荷低減あるいはイベント抑制をめざしたデバイス、あるいは、急性心不全の治療をほぼクリニカルパス化したことでの活用法、などを目指した診療を行っています。

今回、どこでも、誰でも、EasyかつSystematicな検査・治療・フォローができるような取り組みについて紹介させていただけることとなりました。

協力いただいた臨床工学技士の皆様、臨床検査技師の皆様、病棟スタッフの皆様、そしてPhilips様、本当にありがとうございます。

時代はTotal-Management-Solutionです。地域中核病院かつ、ミニマムユニット循環器科ならではのハイレベルな治療、細かなデータとフォローをもとに、地方発の医療改革も提言していきたいとおもっています。

2015/02/21

JET2015でビデオライブを出せていただきました。

今年は大阪で開かれた、末梢動脈治療の大きな研究会であるJET2015(Japan Endvascular Treatment)に参加させていただきました。私はJET/JSWR研究会によるセッションでビデオライブ「Dual-Operator EVT」を発表させていただきました。
通常、カテーテル治療は一人または、一人+助手という体制で行いますが、特に2方向アプローチにおいては、Dual-Operatorで同時に2方向から慢性完全閉塞をさぐっていく、ということが有効です。パフォーマンスは2倍から2.5倍となります。
これまでSTART-LiveでもDual-Operator手技は公開させていただいていますが、「なるほど」という声が会場から上がるものです。

これが、Dual-Operator 一人がAnterior、もう一人がRetrograde。
ワイヤーは最近、ASAHI-Intecから末梢用として、グラディウス、ハルバードというものが発売され、私も手にする機会がありましたが、非常に癖の強い印象を受けました。従来のワイヤーと同じ概念で使うと、とんでもない目に遭ってしまいます。オピニオンリーダーとされる先生方やメーカーから「このような特性で、このような病変に対して、このように使うとよい、このように使うと危ない」ということを論理的にコメントしていただく必要があります。このままでは、有効活用が出来ないばかりか、合併症がいろいろ起きると思います。Halbardについては、その「原型」とされるTreasureとは別物で、冠動脈に用いるGAIA-3rdがきわめて強靱なシャフトをゲットしたもの、GlaudiusについてもCruiseとは全く異なり、SION-BLACKがPilot250の堅さをゲットしたものだと考えるべきと思います。マイクロチャネルやTight-LesionをCrossするつもりが、中膜の間に入り込み、そのコーティング性能から一気に解離を進めてしまう危険性もあります。

10本ほどつかい、特性がわかったところで改めてブログの記事、あるいは2015年のSTARTシラバス改定時に加筆したいと思っています。

DVxさんが作ってくださった冊子のCase2が実はこの症例です。約8ページのものですが、「とにかくJETに間に合わせよう」ということで、今年に入って急遽作成作業、コンプライアンス部門などのチェックを受け、最終稿ができたのは何と、3日前でした。そのため、カラーコピー版です。写真がかなり豊富に入っています。JET会場のメーカー展示ブールで配布してくださっており、200部程度はあるようです。もしご興味がありましたら、手にとっていただけますとうれしいです。

浦澤会長、安藤副会長 ありがとうございました。

インターベンションの世界は、技術半分、デバイス半分、という割合で、手技成功率、中長期成績が変わってきます。学会、医師、メーカーが正確な情報を、公正に発信することで「だれでも、どこでも受けられる高度医療」というものが提供出来るのではないかと思っています。 **先生だから出来る、という治療から、誰でもうけられる治療へ。それが、私の希望です。

学会では「EVTかOperationか」「035か18か14か」「Intimalが必要かSubでいいのか」といった論議がクローズアップされていました。
個人的には、より細かい内容としての、合併症がおこりうるPitfall、起こったときのBail-outのTips、起こさないための細心の注意点などのLecture、それぞれの細かいデバイスに関するきわめて論理的で、整合性のあるLecture<メーカーが技術情報や製品仕様、コンセプトを明確に包み隠さずプレゼンした後、ニュートラルな立場でDrや臨床工学技士がプレゼンするもの>、末梢インターベンションをするためのカテ室や診療科(ハード・ソフト)の構築方法、良好な遠隔成績を得るためのフォローアッププロトコルや患者指導法の提唱などにも、今後は期待したいところです。

2015/02/13

論理的PCIとその検証2015

1月31日土曜日、無理をお願いして、東京で行われた落合先生の特別講義に今年も参加させていただきました。
2014年は「論理的PCI」の仮説とその証明、というところで、病理(概論)、Antegrade、Retrogradeの基礎理論と戦略のたてかた、そして具体例というところが中心でした。このパターンならこうする、というところをいかに事前に組み立てるか、そしてデバイスを選ぶか、ゴールラインを決めるか、というところが中心で、きわめて冷静な分析と、自分自身、病変、デバイス全てに対して厳しい、落合先生ならではの「私のPCI」を<ごちそう>になりました。
2015年は、その証明、Take-Home-Message、というところに到達されていました。数列が微分積分に到達したようなものです。ピッチャーの発想で行うPCI、というところは鹿屋の新井先生がブログにかかれたとおりです。
落合先生は全世界で「とんでもない」PCIをされつづけています。ありとあらゆる修羅場も経験なさっています。あらかじめAngioをみてどのように戦略を立てるか、どこをゴールラインとするか、時間、照射線量、造影剤量をどう配分するかという「PCIをはじめる前」の準備に一切の手抜きをされないというところ、穿刺はエコーガイドで着実に。PCIを始めてからも術野の整理整頓は常に行う、手間を惜しまない、道具を惜しまない、ACTは絶対に時間でとる、一つ一つの手技を妥協することなくかつ迅速に行われる必要性を感じました。
GAIAなのか、Conquestなのか、昨年のLectureで「意外にイイConquestのトルク特性」「9gと8-20では大きく特性がかわる」というところが印象にあり2014年、自分の中で検証していました。EVTでは9-40LOVEな私ですが、繊細な冠動脈では確かに9gと12gですら先端の動き、そしてトルク特性に大きな違いを感じたものです。UltraLongSheathは55cmのものを用いています。GCは申し訳ありませんが、LauncherかHeartrail。これは病変やアプローチによって使い分けています。
なるほど、納得のPCI。そして、合併症が生じたときの対応はもちろんとして、ゴールライン設定。もちろん、落合先生のようなワイヤーワークはとてもできませんが、症例をきちんと吟味すること、論理的思考と基本に忠実であること、手間を惜しまないこと、そして何かが起きたときには思考回路を介さず、迅速かつフレキシブルに対応すること、それこそがPCIの合併症率をさげ、成功率を上げる、時間を短縮するポイントだということを改めて認識させていただきました。
世界から日本へのFeedback。これからも楽しみにしています。そして、私はそれを愛媛・砂上にFeedbackしていこうと思っています。

そして、我々の仕事は、知識と技術は半分、デバイスが半分のところがあります。メーカーさんには、責任をもったデバイス開発と供給をこれからもお願いしたいと思っています。



2015/02/12

木沢記念病院(岐阜県美濃加茂市)のWSに参加させていただきました

岐阜県美濃加茂市にある木沢記念病院で行われたOchiai-CTO-Workshopに参加させていただきました。
木沢記念病院は岐阜県美濃加茂市にある450ベッドの病院です。
http://kizawa-memorial-hospital.jp/index.html
まずは昭和大学横浜市北部病院の落合先生にその日のCaseについてDiscussion。
Antegradeか、Retrogradeか?LADとLCX分離開口のLADに対するGCをどうするか。CTの読みは?論理的PCIを構築し、フロアと術者で共有するための大切な時間

今回のCourse Directorは高橋茂清先生。野球部のピッチャーなのに、、直前に手を負傷

Discussionには、聖隷浜松のドマーニ岡田先生、静岡の岡村記念病院の樽谷先生、そして、、陶生病院の浅野先生。なんとまあ、贅沢な・・・

第2カテーテル室が中継室となり、セッティングされていました。ビデオもきれい。モニターもでかい。ここで、いつも御指導いただき、第1回STARTのGuestOperatorをしてくださったりんくう医療センターの武田先生。関西・豊橋直系の武田先生と、落合先生のDiscussionは本当に素晴らしいものがありました。Pre,Postともに本当に勉強になりました。



もちろん、訪問させていただきましたあかつきに、、バリィさんを一体。今年、木沢の循環器科に入られた若手の先生もいらっしゃり総勢10名の体制。いいなあ、と思う一方、学生への啓蒙から、研修医の受入、専攻医の要請と10年間、努力を続けられてきた高橋先生に感服です。次回は是非その、ノウハウを教えていただきたいです。

集合写真です。高橋先生の手の怪我、早く治りますように。

本日のOperator落合先生と助手を務められた熊井先生。本当にお疲れ様でした。

夜は、岐阜ハートセンターの松尾先生、落合先生から特別講座「合併症とそのBail-Out」。こちらは、写真撮影禁止となっていたため、写真の撮影はありません。が、合併症を起こすことが許されない時代、そしてデバイスや診断モダリティーの発達により頻度が減った時代であるからこそ、皆で合併症の知識を共有する、という今回のコンセプトは本当に素晴らしい者でした。札幌の越田先生、福岡の芹川先生、いやあ、おもしろい話でした。

懇親会では、飛騨高山で戦われている田近先生や加古川市民病院の角谷先生をはじめ、沢山の先生方から、アドバイスをいただきました。本当に感謝です。

Directorの高橋先生、宮田先生、青山先生、本当にありがとうございました。今度はもう少しゆっくりしたスケジュールで木曽川を含めた「美濃加茂」を訪問させていただきたいです。

第8回START-meeting テーマは「急性期から回復期・慢性期まで包括的に診る心臓」

昨年、大好評をいただいた岐阜大学の西垣先生による特別講演「もういちど見直そう!ACE阻害薬とβ遮断薬」をコアに、当院リハビリテーション科の山内正雄室長、内科の伊藤誠医長、病理部の植田センター長、による地域連携公開講座を開かせていただきました。
今回、田辺三菱製薬さんの御尽力です。

西条国際ホテルの大ホールです。さて、西垣先生。

今回の展示ブースは、カテーテル治療のハンズオンも。テルモ・カネカ・ボストン・日本ライフラインさんによるインターベンションデバイスの展示。 Philipsさんと高松帝酸さんからは、今回、初の在宅酸素用、酸素発生器も展示いただきました。

まずは伊藤先生。本当にACEiは咳の副作用があるのか?という当院の「生データ」。やはり4%程度で咳はありました。

座長は間口先生にお願いしています。西条市民病院の間口先生=愛南の神童。ライフワークとして、西条市民病院がリハビリテーション・予防医学の中心として西条市西部の人が集う空間にしたい、という強い情熱をもち、日常臨床に望んでくださっています。
西条市西部の患者さんは皆さん、西条市民病院に紹介させていただいています。また、間口先生からも精密検査、インターベンションが必要な患者さんを多数紹介いただいています。心から尊敬し申し上げます。

当院Flag-Ship第1弾はリハビリ山内先生。四国一のPTさん。急性期から回復期まで、とにかく「寝たきりをつくらない」リハビリ。安静は必要最小限、その中でも筋力低下予防、そして、ペットボトルを用いた500gのおもりによる筋トレなどのLectureもいただきました。


愛媛大学の元第1病理教授である植田センター長。心不全の心筋病理を、一斉に提示。いや、こうなって、心筋細胞の配列がくずれるのか、そして、動かなくなるのか、と納得

不肖私が、座長を・・

さて、西垣先生の登壇。さすがの切れ味。60分で240枚のスライド。
ACEiこそが心不全の治療薬。最強はコバシルだが、咳の副作用がどうしても問題。というわけで、最も咳の副作用がすくないタナトリルがBest。降圧剤であれば、ARBであるが、心不全治療薬には、ACEi、まさに咳の原因となるブラジキニンこそが、血管拡張作用をおこすものであるということをコアに、ACEiとARBの併用は意味がない、Kが上がらない限り、ACEiは出来るだけ増やしましょう!と熱いメッセージ。
β遮断薬では現在心不全に使うことが多いのは、アーチストとメインテート。アーチストはαβ。メインテートはPureβ。シンプルにいくならメインテートが使いやすい。また、血圧100、HR55あれば、0.625mgを2週間から4週間毎に増量し、増やせれば増やせるほど、心不全の予後はよくなるというお話でした。
それ以上に、「これはおかしい!(息切れ、浮腫、BNPの上昇傾向など)」という患者は2週間で診療すること、それでもあやしければ、入院治療や原因精査、これは我々への熱いメッセージでした。

このとおり、会場は満席で熱気につつまれていました


演者、座長の先生型、本当にありがとうございました。国際ホテルさんには、私がチョイスした、地元の日本酒を持ち込ませていただき、みんなで味わいました。今回は今治市の「山丹正宗」ANAファーストクラス国際線に選ばれた日本酒です。石鎚の緑ラベルにつづいて連続! いや、すっきり。あっという間に飲めてしまいました。 地元の素晴らしい者を「世界の先生方」に楽しんでいただけるのは本当にうれしい限りです

懇親会は花園さんでフグのフルコース。本当にありがとうございました。しかし、病理って大切ですね。医学の基礎、病院の医療レベルの基礎はまさに病理。植田先生に教えていただいたことが本当に多い、懇親会でもありました。
西垣先生、また、来年もよろしくお願いいたします。