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2015/05/03

GW初日に高瀑(たかたる)へ

一昨年は林道と登山道の崩落、昨年は悪天候により登山することができなかった西条市(旧小松町)石鎚にある「高瀑」登山を遂げてきました。標高差900mでほぼ崖というところで、危ない場合は名誉ある撤退を常に考えながら登っています。これは、写真撮影はもちろん、毎年、自分自身の体力、気力テストとして行っていることでもあります。昨年はここに来られなかった分、石鎚山頂まで登っています。
この10年間の自然災害により、アクセス、アプローチいずれも困難となり、登山路の変更、崩壊が相次ぎ、登山書はもちろん、地元の方々にも情報がないため、登山される皆様向けの情報提供もかねて記載します。
午前5時 西条駅前で医局秘書さんと待ち合わせ。ランドクルーザーにするか、軽トラにするか検討しましたが、林道の路肩崩壊情報を聞いていたため、軽トラに。本来は4WDが望ましいところですが、ないので、通常の2WDで
午前6時 県道12号線から河口(関門)の分岐を経て石鎚終点(諏訪神社)に。途中で「石鎚中学跡」に哀愁を感じる。かつては数千人が暮らしていた山間部の集落もいまや1世帯のみに。
午前6時30分 林道折掛ー石鎚線ー御来迎の滝をへて石鎚林道に。
まずここで林道折掛線の路面状態は著しく悪く、車高の高い軽トラでもたまにゴツンという衝撃を床に感じた。落盤による尖った石も多く、パンク修理の対応道具や技術は必須。

とりあえずトイレと避難小屋はありますが。中は酷いです。 林道はこの写真で見る限り綺麗に見えますが、ごく一部だけこの状態で基本「ダート」。

昭和40年代は林道も整備されており、この高瀑へのアクセス路も親子連れが行けたそうな。60分、1800mというのは当時のもので、崩落、滑落事故のたびに迂回路が複数回設定された現在では、2500m以上、120分から150分というところが妥当なところです。

藤井一正氏の「石鎚の峰より落つる 千丈の滝は 日本一と思ほゆ」という句碑

案内図や探検図では川に向かって左岸を行くが、実際はすぐに反対側に渡る、そしてしばらく進むと再度渡って左岸に戻るというルート。そこにはちゃんとロープがある。濡れ石には総じてコケがはえており、絶対にかわいたところのみを渡ること。また、5月下旬以後はマムシに注意。特に雨の翌日の曇天の午前中はマムシが大量に日向ぼっこをしている。

非常に美しい渓谷と新緑をみつつ進む。
「赤のべら」を過ぎて「のぞきの滝」までの間が、昨年の滑落事故によりルート変更。旧ルートには行けないよう木製の柵あり。新ルートは左に折れ、急峻な植林帯のトラバス路。ロープはあるが、両手が使えることが必須。また、植林帯の中をすすむところでは地盤が緩く、滑落に注意を要する。ここでプラス15分程度は掛かるようになっている。何度もこころが折れそうになりつつ、また谷川に近づいたり離れたりを繰り返しているうちに丸渕へ。7時40分ごろ到着。この先がかなり急峻で、分かりにくいルートとなるため、ここで必ず気力と体力を充実させるため15分から20分の休憩は必須。私はカロリーメイト、秘書さんはSOYJOYを補給。
丸渕 美しい。マイナスイオンに溢れている。ここまではXF23mm

こちらはTouit12mm 色合いが濃いのがわかりますか?


一緒に行った秘書さんはPENTAXにDASTAR。奥に見えるアルミの三脚が手すりとなり、この崖をよじ登っていく。
ここが二つ目の試練(一つ目はのぞきの滝手前の迂回路)。この崖をよじ登ったあとはまた沢を渡る。丸渕の崖をよじ登ったところは川に向かって右側。しばらく行くと、左に渡らねばならないが、ここが非常に分かりにくい。大きな倒木、赤テープや看板もかなり減っており、迷う人は多いと思うので必ず、行ったことある人と行くべし。足下や手元をしっかりみる、とどまって全景を見渡して赤テープや狭小化てはいるが登山路を探す、という作業が必要。ここだけはかなり慎重に。繰り返しになるが、高瀑は川に向かって「左側」にある。
その後さらに、トラロープやササを握りしめて這いつくばっていくと、「天狗の子育て岩」というおどろおどろしい岩がある。雨や雷のときにはここに避難するべし。夏場はその中にアブやブトが居るので虫除けは必須。天狗の子育て岩を過ぎれば数分で下の滝に到達。ここで「あ、やっと着くか!」と安堵の声が漏れる。すなわち、丸渕ー渡河ー天狗の子育て岩というところが最も大きな「試練」
そこからまた数分で本物に。木の間から下の方(濡れていない白いところ)が見えたら疲れは吹き飛ぶ。

午前8時30分 高瀑(本滝)到着 登山口から片道2時間。
落差132m 水は風で霧となり、舞う。あいにくの曇天だが、それでも美しい。ブナの木と大きさを比べて欲しい。132m。

このようにけぶる。滝の下に行くと撮影機材が濡れる。フードは必須、前面フィルターは防水、防汚のものが必須。防水対応の18-135のズームレンズに交換



このように風が吹くと天使の羽衣のように見える。虹がかぶると、龍神のように見える



下の方で写真をとっている秘書さん どうです?このスケール。 石垣はかつて探索路として整備されていたときの名残でしょう


ある程度撮影したところで、風がでてきた。PROTREKの気圧計も少し下がりつつあるので、急いで全ての機材をザックにしまう。山の天気は変わりやすく、しかも標高1800mで北面。気温は低い。もちろん、ゴアテックスは装備し、動いているときは汗だくになるが、雨など降ろうものなら一気に体力が失われる。午前9時20分下山開始。非常に不安定な足下なので、ザックに全ての道具を収納して降りるべし。途中の花も撮影したいところであったが、天候は待ってくれないので急いで、かつ慎重に降りていく。

午前10時23分 往路では撮影できなかった「赤のべら」

一枚岩は非常に美しい。
一組の登山者ともすれ違わないなあ、と思っていたところ、この先、一回目の河を渡るポイントで一組の登山者と。やはり看板をみて「1時間くらいですか?」と聞かれたので、いえ、もちろん技術にもよりますが、2時間ほどはみておいた方がいいと思いますし、初めてだと迷うかもしれませんよ」とお伝えした。美しい風景の共有はして欲しいが、危険は冒して欲しくない。
そして休憩所に10時40分に到着、着替えを済ませて林道、林道、県道経由で町に。

今年もちゃんと登れたことに感謝する一方で、案内板などはきちんと整備すべきとも考えた。林道も整備し、散策路を再び整備すれば、本当によい観光地となるのだろうが・・なかなかそこまでは無理としても、せめて、安全が確保できる、軽トラ程度であれば、安心して、休憩所まで行ける林道にしていただきたいものである。

繰り替えす  高瀑は西日本一の滝  冬の氷瀑は高橋毅氏の写真集か石鎚山ハイウェイオアシスでみて欲しい。(自分はこわくてとても行けない。行くとすれば5人以上で完全装備でなければ無理でしょう)

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