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2016/06/25

Slender Club Japan workshop in Higashikani 2016

毎年参加させていただき、常勤1名体制での診療姿勢について、そしてSTART-Liveの原型をいただいた、東可児病院のSCJ-Workshopで勉強させていただきました。今回は日中友好TRIセミナーとの合同ライブでした。
いつものことながら、東可児病院のコメディカルスタッフさんは、看護部門や血管撮影室部門はもちろん、事務部門の皆様から「ようこそ東可児病院へ」という心が伝わってきます。本当に気持ちよく、うれしいものです。当院、まだまだ頑張らねば成りません。講堂はD-SUB延長システムを用いて、3系列モニターになっていました。すごいです。

秘密兵器をみせていただきました。これをつかうと、モニターが通常のLANケーブルで延長できるのです! 3系列あれば、血管撮影、血管内超音波、CTなどの画像モダリティー、そして部屋のライブも全て完璧です。

私はCase1で斎藤先生の助手をさせていただきました。とにかく、速い、速い。次の次の手順まで把握しておかなければ、道具の準備がおいつきません。

Case1は湘南鎌倉総合病院のLegend 斎藤滋先生による手技でした。なぜ、Miracleがうなぎのように動いて、あっというまに蛇行した長いRCAのCTOを貫通されるのか、不思議でなりませんが、手元をみせていただくと、やはり、方向付けしてコントロールされていらっしゃいました。「ワイヤー様の言うとおり」というのは斎藤先生は指とワイヤーを通して、冠動脈の完全閉塞病変と会話されている、という意味ではないかと思いました。あっというまに終了。今回はGCを抜くこともなく、いい笑顔で術後の記念写真をいただくことができました

もちろん、汗だくになりました。

東海大学の吉町先生と那須赤十字から獨協大学にもどられた矢野先生

尼崎新都心病院の舛谷院長

今回のCourse-Directorの進先生。臨床工学技士の伊藤隊長。本当に頭が下がります。すごいです。地方の中規模総合病院で、救急当直を行いつつ、専門医療も徹底的に、そして、リハビリテーションも充実されていました。

岐阜名物のうなぎもいただきました。おいしかったです。

斎藤先生による魔神PCI、SCJの先生方によるテンポのよいPCI、今回小樽の高川先生によるV3Fの宇宙級SlenderPCI(No-CTO)。勉強させていただきました。来年こそは、当院のコメディカルとともに参加させていただき、一緒に学ばせていただきたいです。

2016/06/11

CTO seminar for Expert in OSAKA 2016

単独執筆のPCIテキストとしては、日本で唯一、である「私のPCI」の著者、TOPICの総帥である昭和大学横浜市北部病院の落合正彦教授の集中講義を受けさせていただきました。
慢性完全閉塞に対するPCIの戦略と、その結果をレクチャーしてくださるものです。
クルセードパラレル、ガイア、LADとRCAにおける戦略(考え方)の違い・・・めくるめく3時間30分でありました。

Part1の概論におけるポイントは、成功するための術前診断、合併症はそもそも予測不可能であるが、起こさないための手段をとっているか、あるいは起きたときに速やかに適切な対応がなされるか、というところでした。
Part2のAntegradeのところでは、ワイヤーのStepUpが前年と変わっていました。XT-RでまずはMicroのあたりをつけておいて、つぎはG3。そのあとはCP。自分自身、XT-Rは視認性のあるAntegradechannnelが有るとき以外は用いないようにしていたので、「あたりをみる」「Caravelの先を入れる」という目的でのXT-Rというものをもう一度見直そうと思いました。
Part3のRetroではまずRetroを選ぶときの条件から検討の論理がありました。LADは基本的に枝をきっちり残していくCTO-PCI、RCAは#1の先は#4AVとPDをとればよい、という概念を踏まえた上でのRetrogradeアプローチとその後のStent留置術(正直RCAではGuidelinerなどを用いたStent r-CART)というところでした。cahnnnelどりは、SionやXTがSuoh03に移行しつつあるところ、あるいは、SionかSUOH-03どちらを使うかというところも形状や角度から具体的に教えていただくことができました。

症例は造影からのDissectionにより、一気に貫通した例、など、多数見せていただき、総論・各論・症例というところからそこから得られた成績までまさに「戦略的講義」となっておりました。 これでまた、次のStageを目指していくことができます。

当院は地方にある、零細施設ではありますが、そこで地元の患者さんに「最高の治療成績」を提供しつづけたいと考えております。

高度な技術を、分析し、論理化し、普遍化することで、私のような術者にも実践できるよう、惜しみなくその全てを伝えてくださる、先達に感謝です。

2016/06/10

宇摩薬剤師会での講演(DVT/PE+Af)

昨日は愛媛の東、香川県との県境にある四国中央市に遠征させていただきました。「宇摩薬剤師会」としてははじめての単独講演会とのことで緊張です。グランフォーレ石松という大きなホテルです。この四国中央市(川之江、伊予三島地区)には大王製紙をはじめとした大きな製紙会社があるため、その、本社から、あるいは海外からの視察者を対象としたグレードの高いホテルや飲食店が多数有ると聞き及んでいました。自分自身はおなじ愛媛に住んでおきながら、高速道路でThroughtしていただけの町で、市内に入ったのははじめてです。6月3日の段階では30名の薬剤師の先生がおみえになられる、とのことでした。

地元薬剤師会の重鎮の方が座長です。代替医療や漢方に熱心な田中先生。調剤薬局の薬剤師さんが半数以上とのことで、60分間、どうやったら眠らずに聴いていただけるかということを考えながらのプレゼン組みでした。
私のセッションが開始となる19時10分にはもともと用意されていた40席が満席。薬剤師さんはどこでも熱心でまじめです。

もちろん5月31日のSTARTについてちょっとアピール。カテーテルインターベンションというものそのものを「実際の様子は初めて見た」という方が多かったとのことです。そのあとは凝固と線溶の話と採血で注意すべき点をお話しし、それぞれの診療ガイドラインを提示。循環器科の診療は「誰でも一定レベル」の治療ができるようなガイドラインが整備されており、まずはそのレベルの治療をできることが最低限、とお伝えしました。ClassI、IIIはともかくとして、ClassIIをどう考えるか、というのがテーマですね。

中盤になると臨時の椅子も後から、会場の中央部まで徐々にのびてきています。NOACはモニタリング不要(不可能)だが、採血不要ではない!というのが私の主張です。

主なテーマは深部静脈血栓症ですので、IVCフィルターやCDTのお話。ワーファリン・NOACそれぞれについて薬剤師さんが留意すべき点についてお話させていただきました。このスライドを作っていて思いましたが、ウロキナーゼは海外(特に欧州)に比べて日本での許容量は極めて少ないのですね。でも、中枢型DVTに対するCDTで当院の初期成功率(1回または2回のインターベンション)92.5%というのは結構イイと思います。やっぱりUK8万単位を500mlにといて、どんなに手が痛くなっても、カチャカチャ、時間をかけてきっちり吹き付ける(1バイアルあたり半減期の15分ずつかけて2クールほどします)やり方がいいのかなと思いました。実際にIVCフィルターのやガイドワイヤーのサンプルをお借りし、会場内でタッチしていただきましたが、こちらも好評でした。カーディナルヘルスさん、ありがとうございました。

さいごにチーム医療のお話と、その中での薬剤師の立場を。
医者は病気、看護師は患者そのもの、臨床工学技士は機械とデータ、診療放射線技師は画像と被曝、臨床検査技師は画像と生理的機能、、、で、薬剤師は??薬なのです。

5分間の質疑応答でした

宇摩地区の薬剤師の皆様、ありがとうございました。薬剤師会では講習による単位取得が義務づけられていること、その講習は質疑応答なしで60分が1単位の最低条件ということで、60分、156枚のスライドをお話しさせていただきました。45分と60分では、コンテンツはともかく、眠くならないための構成、も変わってきます。聴講者が眠くなるのは演者の技量不足だと自分は思っています。少なくとも、壇上から、あるいは後からの記録写真では寝てらっしゃる方がいらっしゃらない、ということは達成できました。最終、メーカーや卸関係者を除き、薬剤師、医師で合計48名の皆様が聴いてくださりました。満足いただけたでしょうか?

循環器科医師(敢えて循環器内科とは書かない)はカテーテルインターベンションがとっても得意です。しかし、特にPure-Interventionistは、周辺の治療に関しては苦手です。関連診療科(心臓外科・血管外科・透析診療科・整形外科・糖尿病内科・消化器内科・脳神経外科など)との専門はお互いを信用する、という診療スタイルで成り立つということもあるものです。宇摩地区も人口があるにもかかわらず、医療インフラがきわめて脆弱になっています。特に県立三島病院が廃止!となってからは厳しいようで、寄付講座の地域医療サテライトでなんとか、というところだそうです。今回の改定で調剤薬局の報酬点数が下がったこと、自分自身は「ちょっと是正されたか?」と一瞬は思いましたが、それはそこが下がっただけ。病院薬剤師による仕事に対する診療報酬が上がったわけではなく「薬剤業務」に関してはTotalでは支払われる金額は切り下げられた、というのが実情です。土日救急、当直、ハイリスク薬(抗がん剤や生物学的製剤など)を扱ってくださる方々に対し、「正当なる労働に正当なる報酬」を認められる日が来ることを祈っています。