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2017/11/14

宇摩医師会でお話しさせていただきました



 昨年、薬剤師会でお声がけいただいた、宇摩地区ですが、今回、医師会の学術講演会にお呼びいただくことができました。
グランフォーレ石松というホテルで90分お話しさせていただきました。薬剤師会の単位が120分基本となったため、どうしたものかという時間でした。60分と90分は大きく違いますね。なので、3部構成にしました。医師会でも開業医さんから勤務医さんまで、比較的若い先生から重鎮まで、内科、外科、整形外科、、と非常に幅広く、今回薬剤師会との合同開催ということもあり、こちらも、病院薬剤師から門前まで、幅広いものでした。

大きな会場でしたが、たくさんの皆様にお集まりいただくことができました。感謝です。



当院から、ものすごく忙しい中、薬剤部より3名聴講してくださいました。やはり、フロアに自身の施設のスタッフの顔が見えるとかなり引き締まります、そして安心します。

抄録です

宇摩医師会学術講演会 20171113
演題名:血栓性疾患に対する最新のカテーテル治療
〜深部静脈血栓症・肺塞栓から急性動脈閉塞まで〜
済生会西条病院 循環器内科 金子伸吾
血栓症は、急性心筋梗塞や閉塞性動脈硬化症など動脈の狭窄、閉塞疾患に比べ、Minorではあるが、生命予後そのものに直結する肺塞栓はもちろん、深部静脈血栓症においても、長期間に及ぶ足の腫脹と疼痛という自覚症状とつきあわねばならない、極めて重要な疾患である。また、今回、3部構成でプレゼンテーションをさせていただくこととした。
1部では血栓、抗凝固療法についての概論と対象疾患に応じた治療法やマネジメントを紹介する。ウィルヒョウの三徴、抗血小板薬と抗血栓薬の違い、NOAC各種それぞれの特徴についても整理してみた。血流の速いところにはアスピリンやクロピドグレル、遅いところにはワーファリンやNOACというのが原則であり、対象疾患に応じた処方が必要であることを説明した。
2部では、近年では、急性肺血栓塞栓症をおこしうる、中枢型深部静脈血栓症に対して、安全性と治療効果を両立させる手技ならびに術前術後療法がようやく確立しつつある。今回、日本循環器学会のガイドラインとエビデンスクラスに基づいた当院における治療戦略ならびに手技について紹介する。急性期のCDT(カテーテルによる血栓溶解術)も一時留置型下大静脈フィルター(Optease)併用のもと積極的に行った上で、後療法としての血栓溶解術、抗血栓療法を紹介した。また、気管支喘息とされていた症例が実は肺塞栓であったということも報告した。肺塞栓は緊急かつ致死的な疾患であり、常に念頭に置く必要がある。
3部では、急性動脈閉塞(血栓塞栓症)に対するインターベンションン治療についても紹介する。しばしば、外科が行う血栓除去術と比較されるがそれぞれに利点、欠点があるため、部位や血栓量に応じた柔軟な発想と治療戦略が必要となる。原則は、腸骨動脈までは血栓除去、大腿動脈はどちらでも、膝下はカテーテルインターベンションと考えている。切断、透析までのGolden timeは限られているため可及的速やかな、高次医療機関への搬送が必要となる。近年の高齢化により併存疾患(閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、糖尿病性神経障害など)にマスクされ、見逃しがちとなってしまうことも追記したい。
NOACは適用を遵守した場合、多因子阻害、食物依存性のワーファリンに比べてその効果の安定性と、患者の利便性は明らかである。一部では緊急の拮抗薬も発売され、ますます今後の使用増加が見込まれる。発作性心房細動は一期一会、そして洞調律復帰時こそが血栓塞栓症の発症タイミングであることをもう一度認識いただき、適用量の遵守、基礎疾患の精査や定期的な採血による検査を行うことを前提に、必要時の躊躇なき使用をお願いしたい。


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