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2014/11/17

りんくう医療センターのPCI-Workshop+特別講演

大阪府泉佐野にあるりんくう医療センターの研究会に参加させていただきました。もともと現在「フリーランス」循環器科医の角辻先生がいらっしゃり、現在は武田吉弘先生が中心となって、カテーテルをされていらっしゃる施設です。440ベッド、関西空港開港時に「海外からの疾患はここで受け止める」ということ、もう一つは泉佐野をはじめとした大阪南部の3次救急までをカバーするための施設です。
武田吉弘先生は、私が若い頃、CCTでDCAのライブをされ緻密なIVUSのよみ、Biplaneを活用し「Angio上の狭窄度ゼロから皮一枚まで削る」というDCAの最も難しい、かつ再狭窄率を規定するテクニックを見せていただき、それ以来、技術と知識に惚れ込ませていただき、済生会西条病院における外部講師によるPCIライブデモンストレーションの第1回の講師をお願いさせていただきました。CTO、LADの石灰化をともなったLong-Diffuseなど非常に難しい病変を3例、治療していただきました。

関空快速でりんくうタウン駅を降りたら、奥にネオンサインが。
近づいてきました。大きい。そして明かりが煌々と。やはり24時間365日稼働の3次病院
吹き抜けでスペースも広い待合椅子
かっこええ・・・
基幹病院には絶対に必要な、入退院サポートセンター。ちゃんと個室。
まるでホテルのエントランスのような入り口。いいなあ・・・
しかし、3次救急病院の割には医師の人数が少ない。泉南地区の医療も大変なんだろうな、と思いました。

さて、講演です。まず、済生会福岡の芹川先生が「CT-Guide−CTO」のLecture。流石に新古賀の川崎先生のもと鍛えられ、その後イノベーションされた芹川先生のプレゼンテーションは説得力も違います。イメージングモダリティーの向上によるAntegradeCTOの成績が良くなる、あるいはGAIAやMiracleNEOなどの活用法が変わってくるということもわかりやすく教えていただきました。私は2012年にFacebookで角辻先生に教えていただいたり、Slender-Club、CCTi、J-WINCの特別Lectureで、CTGuideCTOのLectureを受けさせていただいていたこともあり、かなりスムーズにお聴きすることができました。まだまだ当院のGE64列であっても、画像作り、そしてその後の解釈からみたCTO通しのための活用度をUpすることができそうなので、また技師さんにお願いしてみたいこともでてきました。もちろん、私ももっとWireringをスマートにできなければなりませんし、冠動脈の短軸画像の活用をしていかなければなりません。
つづいて、木沢記念病院の高橋先生。LCxからEpicardoを通った側副路を介してのCTOは本当にこわいものです。当院には心臓外科がないこともあり、また、自分よりも上手な術者の先生にお願いするほうが良いと思う症例は自分ではしないことにしているので、非常に勉強になりました。よい側副血行路がない場合のCTO開けは本当にストレスです。どうしてもRCA-ConusやLCX-LBなどの側副路は恐いです。SUOHが新しくなるのは楽しみです。SUOHは確かにコークスクリューでもよく通るのですが、すぐにメケります。そこがどう改善されるかというところ、またActONEが入ってくれることで最後のスタビリティーがどうよくなるか、これも楽しみです。
最後が私のプレゼンテーションでした。SFA-CTOの演題でしたが、Complexな病変に加えて、病態が絡んだ場合、急性期のBail-Outから慢性期のフォローまで、今回唯一のEVTプレゼンテーションであったため、PCIとの技術「Fusion」などについてもお話しさせていただきました。
特別講演は、自治医大の坂倉先生でした。インターベンショニストである坂倉先生がVirmani先生のCV研究所に留学され、CTOの病理について解説してくださいました。Calcium noduleか、Nodular calcificationなのか、CCTのLectureでもわかりにくかったところが、坂倉先生のスライドで一目瞭然の違いがわかりました。また、CTOの病理像は心電図上Qがあるかないかによる違い、Dipがある場合とない場合、CTOの完成形とは?という病理からみた、CTOの通し方というところが論理性と整合できるよう教えてくださいました。すばらしいLectureでした。
なによりも2014年にでたCTOを開ける方が予後がよい!というデータ、これはPCIが予後改善を行うという初めてのデータでないかと思います。

最後に記念撮影。 とってもすてきな会議室でした。

ちゃんと、バリィさんを配置。させていただきました。カテ室、一日も早く、新しくなりますように!増えますように!そして、FMトランスミッターでインカムを飛ばすのはさっそくいただきました。当院のインカムにもFMトランスミッターを付けるよう、機械を発注しました。(僕の自腹ですよ・・)

今回も本当に勉強になりました。RCAのとてつもなく大変なCTOのライブ、その後の極めて濃厚なLectureにDiscussion、すばらしかったです。難しいLectureであればあるほど消化不良になることもありますが、一緒にDiscussionの上、かみ砕いて教えてくださった先生方のおかげで理解することができました。また、参加させていただきたいです。

2014/11/16

「見逃さないで!治療できる弁膜症」 第7会 START

「見逃さないで!治療できる弁膜症(演者:済生会熊本病院循環器科 坂本知浩先生)」を特別講演に、第7会START(西条動脈硬化治療技術研究会)を開かせていただきました。今回、参加者はSTART史上最多の100人オーバーでした。12列x8で配置した机と椅子では全員着席できず、急いで後に1列増やし、さらに両サイドに椅子席を並べ、何とか全員座っていただいたという状況でした。
翌日、参加していただいたスタッフから「TAVIの実映像、アニメーションは初めて見た」「実際にはすごく難しい内容のはずなのに、本当にかみ砕いてわかりやすいお話だった」と、流石、坂本先生のプレゼンテーションは満足度も高かったです。
実は、済生会病院では日本循環器学会にあわせて「全国済生会病院循環器懇話会」という研究会を開いており、私が西条病院着任後、第1回目、2012年3月の会で坂本先生のプレゼンテーションを拝聴させていただいたのがきっかけです。
(2012年夏 みんな若い 不安がにじみでています)
まだ、右も左もわからなかった我々の見学を受け入れてくださり、同じ済生会病院でもここまでできるのか!と大きな衝撃をうけました。クリニカルパスの積極的な導入、ベッドコントロール、救急コントロール、地域連携、急性期医療・診療科を絞った医療に特化する、サテライト病院、院内サテライト作り、と本当に目から鱗が落ちました。
その後、「めざせ!熊本!」を合い言葉に、小さいユニットながら取り組んできたものです。
まずは「本当に440床か!」と驚き バスターミナルも玄関にあり、雨に濡れず患者さんが病院に入れること、そしてサポートスタッフが足の不自由な方も丁寧に案内。

まず、救急外来・処置・経過観察室に驚き
最も驚いた検診センター。まるでホテル。食事もおいしく、展望風呂も。これでなければ、検診は今後生き残れない。
大講堂は階段形式で、学会もできるようになっていた。

このとき、Hybridカテ室が工事中。それでも3カテ稼働。病棟との連絡システムもかなりよくできていたこと、患者の導線もよくできていたこと、全ての外来に医療クラークがいて医者が患者のほうを向いて診察できる環境が整っていました。
さて、今回の講演は、3段構成。
内科の伊藤先生から、抗血小板剤とくに低容量アスピリンを使用している患者には絶対にPPI(パリエット)を併用しなければならない理由を提示。CYPの問題が大きいようでした。
私は、肺塞栓のお話。tPA(クリアクター)で劇的に溶けた肺動脈・下大静脈血栓の症例提示と、当院における肺塞栓・深部静脈血栓症の治療とその成績について提示しました。本来座長の岡田院長が急用のため、私が演者と座長を兼務。
メインの坂本先生の講演。会場からどよめきも多数。TAVIは現在全国で40施設。Hybrid手術室を備え、さらにプロクター8例をクリア後でなければ、独立施設になれません。弁が450万、、治療費をTotalでみるとベンツ級だとか・・・
会場はこのように満席でした。後の方がせまくなり申し訳ありません。この会場で入りきるMAXの人数ですが、西条のホテルではここが最も大きな会場なのです・・・
病理の植田センター長の総括(写真がぶれていて申し訳ありません)
常光名誉院長のコメントで〆
 
機器展示はPhilipsさんと日本光電さん
 今回は在宅機器のみならず、病棟用の人工呼吸器の最新モデルも。
この機器展示はスタッフに好評です。
この数年間で当院のコメディカルスタッフが発表したポスターを掲示
みんな、仕事が終わってすぐに集まって準備してくれました。
機器展示、製薬メーカーとの調整、会場との調整を行ってくださったサクラメディカルさんとシーメックさん いつも本当にありがとうございます。
会場のバックはすべて看護師の発表で埋め尽くされ、側面は臨床検査技師に・・・
通路の片面は臨床工学技士、その反対側は診療放射線技師のポスターで埋まりました

坂本先生、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。今後もSTARTでは、そのとき「最高の技術者・演者」を招聘し、参加してくださった方皆様に満足いただける講演会を続けていこうと思っております。地域医療のベースアップには、やはり最新の知識も必要です。しかもそれを、誰にでもわかるように、中立的な立場での講演を行っていただける講師の先生を招聘しなければなりません。私は、講師の先生にお願いする際、必ず自分自身が前もってその先生の講演を拝聴し、「この講演ならみんなが満足する」という先生にお願いするようにしています。


次回の講演は2月を予定しています。お楽しみに!