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2013/09/24

3Fシステムでうまく造影するためのシステムとTips

9月19日の記事に追記です。3Frシステムに4Frで果たして造影できるのか?という質問をメールでいただきました。結論・・・・できます。
3FrParent(メディキット)の中に4FrCXi(COOK)は入ります。4FCXiの中に何を使うかが問題になってきます。もちろん、CXiを使う必要はありませんが、3Fはどうしても4.5Frに比べてバックアップが弱いため、マイクロカテーテルを奥までがっつり突っ込んで、FloppyワイヤーをSupportワイヤーに交換するためにはあった方がよいと思います。私は必ず使っています。
さて、この中に入れるものは、0.018用のマイクロカテーテル(ProminentRapter、X-Support0.018)はおおむねXです。CXiとマイクロの間に隙間ができず、造影ができません。ProminentNEO、Qualiaは大丈夫です。しかし、0.014でもX-Support0.018は隙間がありませんでした。もしかしたら、製品の誤差かもしれませんが、Doppterを強くするため、厚みがあるのだと思います。触ってみると「ピンピン」跳ね、あきらかに他のマイクロカテーテルと区別されるべき品物です。直進性は本当に強いです。
これが全景。3FrParent+4FCXi+Qualia。ポイントはCXiの手元にYコネクターをつけることです。
このYコネクターはSJM製のWe-Kitというインデフ、インサーションニードル、ローテータがセットになったものですが、バネ式+解放ロックができるのが特徴です。ただ、思いっきりしめても、緩いのは緩く、回転ロック式に固定性では劣ります。

カメラで写したので影が入り申し訳ありません。このよおり、ParentとCXiの隙間はないので、そこからは造影剤は打てませんしかし・・CxiとQualiaの間には隙間が・・・なお、その先のワイヤーはJokerPVです。

濃度300の造影剤を2倍希釈として、10mlのロック付きシリンジでYコネから打つとちゃんと打つことができます。原液では少し抵抗があります。造影効果ですが、このシステムを使うのはほぼBKAで、DSAの使用となることがおおいため、2倍希釈でも全く問題がありません。
BKAでRendezvousまでしなくてよいCase(Anteriorのみで血行再建できそうな場合、再狭窄・閉塞病変の場合)には有効だと思います。3Frにすることで、出血性合併症が低減できること、術後の安静時間が短くなること、圧迫による阻血が軽減されることというメリットがあります。
もちろん、BKA2枝閉塞で側副血行路回しなどが必要になりそうな場合は迷わず4.5Frで行っています。またSFAにステントを置かねばならない場合、SMARTを使う場合は4.5Fr、MISAGOを使う場合は6Frです。(MISAGOはデリバリーシステムの構造、ステントの特性などを加味し、6Frで山越しアプローチの使用に限ることとしました)

2013/09/15

9月になってもまだまだ怖い!熱中症!!

久々にカテーテルインターベンション以外の記事です。
お盆を過ぎると、毎日日本最高気温をたたき出していた四国であっても「風」はすこしだけ涼しくなります。9月に入るともっと涼しくなります。日照時間も6月の夏至からくらべると徐々に短くなってきており、、、もう熱中症なんてならないぞ〜〜、と思いがちですが、実は「秋日は日焼けする」という言葉があるように、まだまだ太陽のエネルギーは強いわけです。
さらに、秋雨前線による湿度の上昇、台風がくると湿度だけでなく、南からの暑〜〜〜い空気も連れてきてしまいます。汗をかいてじとっとしているのか、湿度でじとっとしているのか分からなくなってしまう方も多いようです。

休憩はちゃんととっています、という言葉にもPitfallがあります。休憩はどこまでとるかというと、炎天下、あるいは蒸し風呂のような室内にいた場合には、のぼせた感じがなくなるまで、胸がばくばくしなくなるまで、汗をかいて、それがちょっと冷えて落ち着くまで、しなければ意味がありません。水分をとるのも、ちゃんと尿が茶色から黄色になるのを確認する必要があります。

夕方のスコール、閉め切った雨戸はそのあとちゃんと開けるか、エアコンをつけてください。けっこう多いのが、夕方のスコールのときに雨戸(サッシ)をしめて寝てしまい、夜になって、帰宅した家族が意識がないところを発見して救急車、というパターンです。締め切った室内は35度を超えます。昔のように屋根瓦+土壁であれば、まだいいのかもしれませんが、最近の家は屋根はルーフプレートに断熱材、そしてその断熱材は経年とともに劣化します。高気密住宅は確かに冷暖房の効率はよいものの、すきま風すら入ってこないため、熱がこもってしまいます

熱中症も重症になると、意識障害やけいれんをおこすばかりか、筋肉が崩壊し、その老廃物が腎臓につまることで、腎不全になったりと本当にこわいものです。
まだまだ油断せず、働いたらちゃんと休憩、汗をかいたら十分な水分をとる、室内だから、曇っているからといって油断しないよう、秋口をのりきっていただきたいものです。あ、もちろん、自分も気をつけます。

2013/09/09

臨時速報 FMDのNEXUSについて

札幌ライブのときに何名かの先生方の先生方から質問をいただいた、FMDのNEXUSというワイヤーのラインナップです。
NEXUSのラインナップです。これ以外に、PL-X(ポリマーの10G)があります。
コアシャフトが非常に強く、「冠動脈ではなく、末梢専用」ということをコンセプトにされています。


2013/09/04

9.3の続き。そしてその夕方・・・

9月3日の記事で「何も回答できなかった」MRさんについて書かせていただきました。
しかし、その続きが有りました。同日夕方、検査、回診、外来、会議が終わって医局に戻っていたところ、朝のMRさんに呼び止められました。
「朝、ご質問のあった事項に関して、比較表と文献をお持ちしました」と。

A4のクリアファイルに他剤と比較した容量設定表、それに応じた薬価、副作用発現率の比較票が作成されていました。
さらに、降圧効果に関してXmgで下がる確率が%、副作用発現のメカニズムと他剤との比較について、「原著論文」を数本もってきてくださっていました。
即答できなかった事に関しては、「いい評価」にはならないと思いますが、その日のうちに資料をきちんとそろえ、クライアントの業務が終わるのを待ち、確実な情報提供をしてくれたということは、すばらしいことだと思いました。ポイントは自作のPPTの表を作ってくれたこと、きちんと「原著論文のコピー」を持参してくれたことです。メーカー提供の資料では、「非劣性」「有意差なし」「除外基準」「対象患者」を絞ったサブ解析などの物が多く、どうしても信憑性に欠けるものが多くなっていますので懐疑的にみています。

というわけで、大きな名誉挽回です。こういう対応をしていただけるのであれば、患者さんに何かあったときでも速やかに対応していただけるのではないかと安心します。

2013/09/03

クライアントが求めること。製薬業界、大丈夫か?

とある出来事がありました。医師免許を持っているなら誰でも知っている会社のMRさん。抗がん剤、血液製剤、血管拡張薬、降圧剤、といろいろ合併したためか手広く業務を展開されています。
降圧剤は最近、いろいろあって、ARBについてはEvidenceそのものを見直すようにしています。もちろん、膨大なデータ、論文があるのでまだ1/10も読み返せてはいません。
さて、そこで出てくるのが、ACEiとの比較、CCBとの比較です。そこで、いくつかの質問をしました。
貴社のAという製品に対して、という前置きです
1:他社のBというX作用の薬と比べて降圧効果はどのようなものでしょうか?
2:常用量、最大量、効果発現までの期間、効果の持続時間はどうですか?
3:腎障害やK上昇の副作用はどうですか?
4:ブラジキニンの発生について、他のACEiと比べてどのような頻度の差がありますか?あるいは実際の空咳の副作用発現率はどのくらいで、中止となるほどのものはどのくらいの頻度ですか?
もちろん、「急ですから大体の印象と広告パンフレットに書いてある程度で大丈夫ですよ」と付け加えましたが、返ってきた答えは
「いえ、わかりませんので、事務所に帰り、本社に問い合わせて参ります」
→では、いつわかりますか?との追加質問に
「なるべく早く、お答えしたいとは思いますが」と。
うーん、と思いましたが、念のため
5:薬価はいくらですか?
→ちょっと調べないと・・・

1-4、いずれも以前、この薬の勉強会にでたときにみせていただいたチラシに載っていた記憶があったので聞いたことです。5については、やはり自分が担当の薬についてはコンマX円まで言えなくても、おおむねXmgでY円くらいです、XXmgではYY円くらいになります、と教えていただきたかったものです・・・。
また、相手の質問に対して、すらすらと答えていただけるのがBestですが、それが無理なときXX日くらいいただければ、大体はわかります。X週間なら文献も揃うと思います、という回答が欲しいものです。しかも、自分が担当している薬剤で、担当している医療機関の担当診療科のDrにきかれたこと、せめて1項目だけでもすぐに教えていただきたかったものです。はあ・・・こんなことで副作用や相互作用が起きたときに、ちゃんと対応してくれるのか、と不安になります。まあ、顔すらださない会社(担当)に比べるとましかもしれませんが、残念な限りです。
あとは、堂々と「この前僕がきいた講演会の話、他の薬の話だったみたいですね」とお詫びしたところ、「ああ、やっぱり先生の勘違いでしたか」と言い捨てて去って行ったMRさんとか・・・確かにそうなのですが、もうちょっと言葉ってあるんじゃないか?そもそも講演会が続けて2件あり、その混同が問題だったのですが、チラシももってこず、日程や場所の案内は全て記録に残るようメールで送っていただくようお願いしているにもかかわらず、メールを送ってくれないのは、、、と言いたかったのですが、ハイハイ、スミマセンデシタと回答しました。ちなみにここは外資系大手で、その分野についてほぼ独占企業となっている会社です。

では、お前はどうなのか?ときかれますが、疾患や臓器が最も解明され、メカニズムもはっきりしていることが多い、循環器科という診療科を専門にしているためか、私は患者さんに対して説明するとき、数字で説明しています。例えば、
「私、狭心症でしょうか?」という質問に対して
「私の経験から、これまで伺ったお話、症状だけでお話をすると30%程度の確率だと思います。でも掛かっている病気(糖尿病など)、家族歴、エコーなどでわかる動脈硬化の程度などから考える、またこれまでに報告されていることも踏まえて検討すると70%の確率で狭心症の可能性があると思います。やはり確率として高いのでCT検査を受けられることをおすすめします。」
と答えるようにしています。

やはり、クライアントからの質問には、根拠をもって答えるのが原則ですが、すぐに答えられないときは「XXするのでYYまでには答えます」という回答が欲しいところです。医師はそれに加えて、一般論だけでなく、自分自身や自分の施設での経験、結果も交えて患者さんに説明しなければならない、ということを改めて思い知らされました。

その一方で、厳しいかもしれませんが、国税が投入され、研究され使用されている物であり、販売する企業としても、被傭者のスキルをきちんと評価し、切磋琢磨していただくか、それでもダメなら異動、解雇という対処もやむを得ない事だと思います。
クライアントは回答を求めているのです。そこに答えられない担当さんとお話しするのは、時間と労力の無駄、すなわち、できない営業マンはクライアントの時間と労力を奪っている、とも言いかえることができます。