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2013/08/29

コメディカルのレベル・キャパシティーがアップしたことでできた地域連携パス

着任後、約2年となりました。その間、エコー技師、放射線技師の技術があがりました。それにより、検査件数の拡大、難しい症例に対する対応幅が安定してきています。
これまででは「評価困難です」「Echo Difficult」というコメントがあった、石灰化病変、膝関節以遠の透析患者さんの病変、太った患者さんでステントが入った後の腸骨動脈の内腔、というところですがほとんどみられなくなりました。
1年間、エコー→PPIを徹底し、全例検査したエコー技師に血管造影画像、PPI手技をみていただく、あるいは体表面エコーを併用し、IVUS画像とも照合しつつの検証を行った結果です。自信を持って、地域の先生方に「連携パスで血管スクリーニングをどうぞ!」と提案できます。また、無症状、検診希望の方には、ほぼ同じ検査項目で「心臓・血管ドック」を開始するプロジェクトも立ち上がりました。

冠動脈CTでは、心拍数をいかに下げるか、最も下がった時間帯で撮影できるか、患者さんが緊張しない環境を作れるか、ということをコンセプトに改定。
体重測定を厳格化し、照射線量、造影剤量の低減と画像クオリティーの向上を図りました。

こちらは患者さん用のものです。






CTについても、「必要な画像はきれいな画像よりも、診断に有用で、治療戦略に直結する画像」ということをコンセプトに同じ事を行いました。この4月からは血管造影室技師と冠動脈造影CT技師が同じシフトとなることで、MDCT、冠動脈造影、IVUS、PCI戦略を1元化することができました。冠動脈CTはこのところ、ほぼ毎日3件、多いときは4件行われています。一人の技師が撮影し、画像合成まで行ってくれています。
当初、GEのLightspeedVCT64 ではきれいな心血管画像は撮れない、とくにステント評価などもできず、曲がった血管はさながらイカゲソ・・・とコメントした私ですが、大きく考えを改めました。
大事なのは医師がその検査結果に対し、きちんとしたフィードバックとその次の提案をすること、患者さんのために最善を尽くす、という技師さんの情熱と信念であったことを強く思いました。
奥津先生の書かれたMDCT本も読ませていただきました。石灰化をどう評価するか、どうPCIにつなげるかというところも解説してくださっていました。最新の知識、ワークステーションを知ることは本当に大切だと思います。おそらくは早速、明日からの診療に取り入れてくれることと思います。

**注意 絶対に当院のコメディカルを引き抜かないでください。万が一その行為がみられましたら私が対応させていただきます。

2013/08/19

こわれたCorsairチップとSION BLUE

いろいろ世の中で騒がれていることがあるようで、Angio画像はしばらく公開を控えてみます。さて、Corsairチップの先端離断についてはよく話題になりますが、よいサンプル写真がとれたので、Upさせていただきます。LesionはLCX。CaudalでZ型になっているその先の石灰化をともなったTightLesionでのできごとです。くりくり回してうーん、やっぱり通らないや、と取り出しました。TFIで7Fシステムをつかっています。Vodaタイプでうまくいかず、AL2を使用しています。で、最終的には東海メディカルのProminentNEOが通りました。先端の硬さがよかったのでしょう。
屈曲があって、バックアップがとりづらくて、その先に石灰化をともなったTightLesion・・・このシチュエーションは、膝下あるいは足関節以遠のPPIでよく経験することです。時計台記念病院の浦澤先生、越田先生に「通りにくい冠動脈の石灰のとき、Prominent、いいよ」と教えていただいた言葉が頭をよぎったので使いました。

あれ、Corsairの先、傷んだのかなあと・・・思っていました。しかし、PromoinentやBalloonをつかい、抜いたSION BLUEをみると・・・なんと、

チップがトラップされ、ワイヤーのコイル部分がねじれていました。あわや離断埋没の危機でした。

離断したチップはくしゃくしゃに短縮しています。
手前、Distalともにコイルワイヤーがねじれて膨張していたためチップが落ちずに済んだ物と思われます。回しすぎに注意です。

しかし、EVTのテクニックとPCIのテクニック、相互利用することで、双方の治療成績が向上するということを確信したことでもありました。同じ商品をだしてもPCI用なら3万円、EVT用なら15000円とワイヤーなど、保険償還価格は理不尽なところもありますし、難易度の高い、それでいて、絶対に通さなければ足が切断になってしまうBKAのCTOではデバイスを使いすぎることも多々あります。でも、負けないでください。私はMade In JAPANのデバイスを可能な限り応援します。新しいもの、よりよい物をつくってください。