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2013/09/03

クライアントが求めること。製薬業界、大丈夫か?

とある出来事がありました。医師免許を持っているなら誰でも知っている会社のMRさん。抗がん剤、血液製剤、血管拡張薬、降圧剤、といろいろ合併したためか手広く業務を展開されています。
降圧剤は最近、いろいろあって、ARBについてはEvidenceそのものを見直すようにしています。もちろん、膨大なデータ、論文があるのでまだ1/10も読み返せてはいません。
さて、そこで出てくるのが、ACEiとの比較、CCBとの比較です。そこで、いくつかの質問をしました。
貴社のAという製品に対して、という前置きです
1:他社のBというX作用の薬と比べて降圧効果はどのようなものでしょうか?
2:常用量、最大量、効果発現までの期間、効果の持続時間はどうですか?
3:腎障害やK上昇の副作用はどうですか?
4:ブラジキニンの発生について、他のACEiと比べてどのような頻度の差がありますか?あるいは実際の空咳の副作用発現率はどのくらいで、中止となるほどのものはどのくらいの頻度ですか?
もちろん、「急ですから大体の印象と広告パンフレットに書いてある程度で大丈夫ですよ」と付け加えましたが、返ってきた答えは
「いえ、わかりませんので、事務所に帰り、本社に問い合わせて参ります」
→では、いつわかりますか?との追加質問に
「なるべく早く、お答えしたいとは思いますが」と。
うーん、と思いましたが、念のため
5:薬価はいくらですか?
→ちょっと調べないと・・・

1-4、いずれも以前、この薬の勉強会にでたときにみせていただいたチラシに載っていた記憶があったので聞いたことです。5については、やはり自分が担当の薬についてはコンマX円まで言えなくても、おおむねXmgでY円くらいです、XXmgではYY円くらいになります、と教えていただきたかったものです・・・。
また、相手の質問に対して、すらすらと答えていただけるのがBestですが、それが無理なときXX日くらいいただければ、大体はわかります。X週間なら文献も揃うと思います、という回答が欲しいものです。しかも、自分が担当している薬剤で、担当している医療機関の担当診療科のDrにきかれたこと、せめて1項目だけでもすぐに教えていただきたかったものです。はあ・・・こんなことで副作用や相互作用が起きたときに、ちゃんと対応してくれるのか、と不安になります。まあ、顔すらださない会社(担当)に比べるとましかもしれませんが、残念な限りです。
あとは、堂々と「この前僕がきいた講演会の話、他の薬の話だったみたいですね」とお詫びしたところ、「ああ、やっぱり先生の勘違いでしたか」と言い捨てて去って行ったMRさんとか・・・確かにそうなのですが、もうちょっと言葉ってあるんじゃないか?そもそも講演会が続けて2件あり、その混同が問題だったのですが、チラシももってこず、日程や場所の案内は全て記録に残るようメールで送っていただくようお願いしているにもかかわらず、メールを送ってくれないのは、、、と言いたかったのですが、ハイハイ、スミマセンデシタと回答しました。ちなみにここは外資系大手で、その分野についてほぼ独占企業となっている会社です。

では、お前はどうなのか?ときかれますが、疾患や臓器が最も解明され、メカニズムもはっきりしていることが多い、循環器科という診療科を専門にしているためか、私は患者さんに対して説明するとき、数字で説明しています。例えば、
「私、狭心症でしょうか?」という質問に対して
「私の経験から、これまで伺ったお話、症状だけでお話をすると30%程度の確率だと思います。でも掛かっている病気(糖尿病など)、家族歴、エコーなどでわかる動脈硬化の程度などから考える、またこれまでに報告されていることも踏まえて検討すると70%の確率で狭心症の可能性があると思います。やはり確率として高いのでCT検査を受けられることをおすすめします。」
と答えるようにしています。

やはり、クライアントからの質問には、根拠をもって答えるのが原則ですが、すぐに答えられないときは「XXするのでYYまでには答えます」という回答が欲しいところです。医師はそれに加えて、一般論だけでなく、自分自身や自分の施設での経験、結果も交えて患者さんに説明しなければならない、ということを改めて思い知らされました。

その一方で、厳しいかもしれませんが、国税が投入され、研究され使用されている物であり、販売する企業としても、被傭者のスキルをきちんと評価し、切磋琢磨していただくか、それでもダメなら異動、解雇という対処もやむを得ない事だと思います。
クライアントは回答を求めているのです。そこに答えられない担当さんとお話しするのは、時間と労力の無駄、すなわち、できない営業マンはクライアントの時間と労力を奪っている、とも言いかえることができます。


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