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2016/12/21

久々の更新。 プリズバインド使用の注意点をまとめてみました

プラザキサの拮抗薬であるプリズバインド。院内在庫を置いてくださることとなりました。外傷や頭蓋内出血、止血困難なレベルの消化管出血で来院される方がいらっしゃるとき、速やかに対応するための私案を、その添付文書からまとめてみました。


プリズバインド(プラザキサ拮抗薬)使用について

プリズバインドは極めて高額な薬品であること、複数回の使用で自己抗体が出現するという報告もあるため、使用条件の設定が望ましいとされている。
下記の1-3を全て満たす場合に使用する
1:プラザキサ内服(手帳・病歴・持参薬・処方医療機関への確認のいずれか)
2:プラザキサ最終内服から6時間以内
3:生命を脅かす出血がある、大量出血を伴う緊急手術が必要な場合
A:頭蓋内出血・症候性または拡大する硬膜外出血・コントロール不能の止血
B:閉鎖組織(臓器内)の出血(髄腔、眼球、心膜、肺、後腹膜、筋肉内でかつコンパートメント症候群を起こしている場合)
C:腎機能低下(eGFR70未満)患者の大出血
D:緊急手術のうちいずれか:神経外科手術(頭蓋・硬膜外・脊髄)、腰椎穿刺、心血管手術(大動脈解離・動脈瘤修復)、肝臓あるいは主要臓器手術

使用すべきでない状態:
出血がみられていない場合
6時間以上休薬可能な待機的手術
局所処置で止血が期待される出血
内視鏡手技のみで止血可能な消化管出血
妊婦・授乳婦・小児に対する投与経験はない
プラザキサ以外の全ての抗凝固薬(抗血栓薬・抗血小板薬)には無効

方法

1:可能な限り投与前にAPTTを測定する(結果は待たなくてよい)
2:1バイアル2.5g50ml2バイアル、独立ルートまたは前後のNSフラッシュを行い、おおむね全開で投与する(合計10から20分程度)
3:投与60分後にAPTT測定

4:抗血栓薬投与には必ず理由があるため、止血処置後、速やかにヘパリン(APTT50-70秒を目安)持続投与または、プラザキサ・エリキュース・リクシアナ、ワーファリン等を再開する。


一番大事なのは「Acrtiveな出血で生命あるいは重篤な後遺症をきたしかねない危険性」、「プラザキサが投与され、さらにそれが効いている時間」、「止血ができたら何でもいいから再開」というところでしょうか。 はやくエリキュースにもできて欲しいモノです