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2014/12/05

2014年11月25日に市民公開講座をさせていただきました。

全国の済生会病院では「困窮者に対する医療」が義務づけられており、その一環として社会福祉課による「無料・低額診療事業」が行われています。社会福祉課は地域連携室とも統合されており、連携医療の窓口にもなってくださっています。もちろん、地域の医療福祉、公衆衛生、健康に関する知識向上に寄与する、ということが病院の役割であり、今回、市民公開講座をさせていただきました。

満席で、後に臨時の椅子席をつくっていただきました。
全員に、食事療法、禁煙、受動喫煙、職場内禁煙推進手順書、睡眠時無呼吸症候群のパンフレットをいれさせていただきました。

タイトルは「心臓と血管の病気は怖い」というものでした。持ち時間は45分。延長しても60分という条件でしたので、通常、私の学会発表、学術・医療的講演は1分3枚ペースですが、市民講演で「よりわかりやすく」がコンセプトであったため、1分2枚ペースで作成しました。
合計82人の方に聴講いただき(関係者を除く)、生活習慣(食事・運動)から虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症から、あらかじめリクエストをいただいていた不整脈についてのところまで、お話させていただきました。最後は、病院の西条におけるやくわり、というところ、町の発展に「産業」「医療福祉」とともに「教育」が不可欠であるという点もお話しさせていただきました。
私の冠動脈CTも出しています

具体的な治療についてもお話しました 最後は西条市の発展のためのお話

満足度97%はけっこういい数字です。

レジュメがほしい、という声もいただきましたが、レジュメを配ると往々にして、そちらをみることで逆に聴講がおろそかになる、という自分の経験から、メモはできるようにするが、資料は配付しないというコンセプトでさせていただいています。

社会福祉課の方が、アンケートを集計してくださいましたが、82人中73枚という回収率の高さ、12名の意見記載というところは、市民講演ではかなり良好だと思います。1週間前に参加者の年齢や性別、居住地域のリストをいただき、さらに直前に入ってこられる皆様の年齢層や性別をみて、どこに重点を置いた話にするか、調整しました。これは、昭和大学の落合先生に「聴講者リストによってLectureは変えている」ということを教えていただき、実践したものですが、やはり効果は大きかったようです。Expertの講演やLectureを拝聴させていただくと、内容はもちろんですが、プレゼンテーション技術、思考回路、毎回の工夫というところも勉強させていただいています。

しかも、当日は土砂降りの大雨でした。参加いただいた皆様、手配いただいた社会福祉課ならびに西条市福祉センターの皆様、ありがとうございました。ちょっと早かったようですが、「眠くない」講演にはある程度テンポや抑揚も大事だと思っています。同じ話を何度かさせていただき、より多くの方々に、健康寿命を延ばしていただきたいな、と思っています。

さて、今日も外来終了。来週はかなり難易度の高い治療(冠動脈・末梢動脈)が入っているのでしっかりカンファレンスを行います。


2014/11/17

りんくう医療センターのPCI-Workshop+特別講演

大阪府泉佐野にあるりんくう医療センターの研究会に参加させていただきました。もともと現在「フリーランス」循環器科医の角辻先生がいらっしゃり、現在は武田吉弘先生が中心となって、カテーテルをされていらっしゃる施設です。440ベッド、関西空港開港時に「海外からの疾患はここで受け止める」ということ、もう一つは泉佐野をはじめとした大阪南部の3次救急までをカバーするための施設です。
武田吉弘先生は、私が若い頃、CCTでDCAのライブをされ緻密なIVUSのよみ、Biplaneを活用し「Angio上の狭窄度ゼロから皮一枚まで削る」というDCAの最も難しい、かつ再狭窄率を規定するテクニックを見せていただき、それ以来、技術と知識に惚れ込ませていただき、済生会西条病院における外部講師によるPCIライブデモンストレーションの第1回の講師をお願いさせていただきました。CTO、LADの石灰化をともなったLong-Diffuseなど非常に難しい病変を3例、治療していただきました。

関空快速でりんくうタウン駅を降りたら、奥にネオンサインが。
近づいてきました。大きい。そして明かりが煌々と。やはり24時間365日稼働の3次病院
吹き抜けでスペースも広い待合椅子
かっこええ・・・
基幹病院には絶対に必要な、入退院サポートセンター。ちゃんと個室。
まるでホテルのエントランスのような入り口。いいなあ・・・
しかし、3次救急病院の割には医師の人数が少ない。泉南地区の医療も大変なんだろうな、と思いました。

さて、講演です。まず、済生会福岡の芹川先生が「CT-Guide−CTO」のLecture。流石に新古賀の川崎先生のもと鍛えられ、その後イノベーションされた芹川先生のプレゼンテーションは説得力も違います。イメージングモダリティーの向上によるAntegradeCTOの成績が良くなる、あるいはGAIAやMiracleNEOなどの活用法が変わってくるということもわかりやすく教えていただきました。私は2012年にFacebookで角辻先生に教えていただいたり、Slender-Club、CCTi、J-WINCの特別Lectureで、CTGuideCTOのLectureを受けさせていただいていたこともあり、かなりスムーズにお聴きすることができました。まだまだ当院のGE64列であっても、画像作り、そしてその後の解釈からみたCTO通しのための活用度をUpすることができそうなので、また技師さんにお願いしてみたいこともでてきました。もちろん、私ももっとWireringをスマートにできなければなりませんし、冠動脈の短軸画像の活用をしていかなければなりません。
つづいて、木沢記念病院の高橋先生。LCxからEpicardoを通った側副路を介してのCTOは本当にこわいものです。当院には心臓外科がないこともあり、また、自分よりも上手な術者の先生にお願いするほうが良いと思う症例は自分ではしないことにしているので、非常に勉強になりました。よい側副血行路がない場合のCTO開けは本当にストレスです。どうしてもRCA-ConusやLCX-LBなどの側副路は恐いです。SUOHが新しくなるのは楽しみです。SUOHは確かにコークスクリューでもよく通るのですが、すぐにメケります。そこがどう改善されるかというところ、またActONEが入ってくれることで最後のスタビリティーがどうよくなるか、これも楽しみです。
最後が私のプレゼンテーションでした。SFA-CTOの演題でしたが、Complexな病変に加えて、病態が絡んだ場合、急性期のBail-Outから慢性期のフォローまで、今回唯一のEVTプレゼンテーションであったため、PCIとの技術「Fusion」などについてもお話しさせていただきました。
特別講演は、自治医大の坂倉先生でした。インターベンショニストである坂倉先生がVirmani先生のCV研究所に留学され、CTOの病理について解説してくださいました。Calcium noduleか、Nodular calcificationなのか、CCTのLectureでもわかりにくかったところが、坂倉先生のスライドで一目瞭然の違いがわかりました。また、CTOの病理像は心電図上Qがあるかないかによる違い、Dipがある場合とない場合、CTOの完成形とは?という病理からみた、CTOの通し方というところが論理性と整合できるよう教えてくださいました。すばらしいLectureでした。
なによりも2014年にでたCTOを開ける方が予後がよい!というデータ、これはPCIが予後改善を行うという初めてのデータでないかと思います。

最後に記念撮影。 とってもすてきな会議室でした。

ちゃんと、バリィさんを配置。させていただきました。カテ室、一日も早く、新しくなりますように!増えますように!そして、FMトランスミッターでインカムを飛ばすのはさっそくいただきました。当院のインカムにもFMトランスミッターを付けるよう、機械を発注しました。(僕の自腹ですよ・・)

今回も本当に勉強になりました。RCAのとてつもなく大変なCTOのライブ、その後の極めて濃厚なLectureにDiscussion、すばらしかったです。難しいLectureであればあるほど消化不良になることもありますが、一緒にDiscussionの上、かみ砕いて教えてくださった先生方のおかげで理解することができました。また、参加させていただきたいです。

2014/11/16

「見逃さないで!治療できる弁膜症」 第7会 START

「見逃さないで!治療できる弁膜症(演者:済生会熊本病院循環器科 坂本知浩先生)」を特別講演に、第7会START(西条動脈硬化治療技術研究会)を開かせていただきました。今回、参加者はSTART史上最多の100人オーバーでした。12列x8で配置した机と椅子では全員着席できず、急いで後に1列増やし、さらに両サイドに椅子席を並べ、何とか全員座っていただいたという状況でした。
翌日、参加していただいたスタッフから「TAVIの実映像、アニメーションは初めて見た」「実際にはすごく難しい内容のはずなのに、本当にかみ砕いてわかりやすいお話だった」と、流石、坂本先生のプレゼンテーションは満足度も高かったです。
実は、済生会病院では日本循環器学会にあわせて「全国済生会病院循環器懇話会」という研究会を開いており、私が西条病院着任後、第1回目、2012年3月の会で坂本先生のプレゼンテーションを拝聴させていただいたのがきっかけです。
(2012年夏 みんな若い 不安がにじみでています)
まだ、右も左もわからなかった我々の見学を受け入れてくださり、同じ済生会病院でもここまでできるのか!と大きな衝撃をうけました。クリニカルパスの積極的な導入、ベッドコントロール、救急コントロール、地域連携、急性期医療・診療科を絞った医療に特化する、サテライト病院、院内サテライト作り、と本当に目から鱗が落ちました。
その後、「めざせ!熊本!」を合い言葉に、小さいユニットながら取り組んできたものです。
まずは「本当に440床か!」と驚き バスターミナルも玄関にあり、雨に濡れず患者さんが病院に入れること、そしてサポートスタッフが足の不自由な方も丁寧に案内。

まず、救急外来・処置・経過観察室に驚き
最も驚いた検診センター。まるでホテル。食事もおいしく、展望風呂も。これでなければ、検診は今後生き残れない。
大講堂は階段形式で、学会もできるようになっていた。

このとき、Hybridカテ室が工事中。それでも3カテ稼働。病棟との連絡システムもかなりよくできていたこと、患者の導線もよくできていたこと、全ての外来に医療クラークがいて医者が患者のほうを向いて診察できる環境が整っていました。
さて、今回の講演は、3段構成。
内科の伊藤先生から、抗血小板剤とくに低容量アスピリンを使用している患者には絶対にPPI(パリエット)を併用しなければならない理由を提示。CYPの問題が大きいようでした。
私は、肺塞栓のお話。tPA(クリアクター)で劇的に溶けた肺動脈・下大静脈血栓の症例提示と、当院における肺塞栓・深部静脈血栓症の治療とその成績について提示しました。本来座長の岡田院長が急用のため、私が演者と座長を兼務。
メインの坂本先生の講演。会場からどよめきも多数。TAVIは現在全国で40施設。Hybrid手術室を備え、さらにプロクター8例をクリア後でなければ、独立施設になれません。弁が450万、、治療費をTotalでみるとベンツ級だとか・・・
会場はこのように満席でした。後の方がせまくなり申し訳ありません。この会場で入りきるMAXの人数ですが、西条のホテルではここが最も大きな会場なのです・・・
病理の植田センター長の総括(写真がぶれていて申し訳ありません)
常光名誉院長のコメントで〆
 
機器展示はPhilipsさんと日本光電さん
 今回は在宅機器のみならず、病棟用の人工呼吸器の最新モデルも。
この機器展示はスタッフに好評です。
この数年間で当院のコメディカルスタッフが発表したポスターを掲示
みんな、仕事が終わってすぐに集まって準備してくれました。
機器展示、製薬メーカーとの調整、会場との調整を行ってくださったサクラメディカルさんとシーメックさん いつも本当にありがとうございます。
会場のバックはすべて看護師の発表で埋め尽くされ、側面は臨床検査技師に・・・
通路の片面は臨床工学技士、その反対側は診療放射線技師のポスターで埋まりました

坂本先生、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。今後もSTARTでは、そのとき「最高の技術者・演者」を招聘し、参加してくださった方皆様に満足いただける講演会を続けていこうと思っております。地域医療のベースアップには、やはり最新の知識も必要です。しかもそれを、誰にでもわかるように、中立的な立場での講演を行っていただける講師の先生を招聘しなければなりません。私は、講師の先生にお願いする際、必ず自分自身が前もってその先生の講演を拝聴し、「この講演ならみんなが満足する」という先生にお願いするようにしています。


次回の講演は2月を予定しています。お楽しみに!

2014/10/23

「有意差」「非劣性」を作るための統計解析などいらない。

明日、いよいよ当院でのSTART Live and Conferenceが行われます。着々と準備はすすみ、音声環境も完全に改善されました。続々と搬送されてくる治療用デバイスは段ボールで100箱。ディーラーさんの若いスタッフが黙々と大型ワンボックスで事務所と往復してくださっています。「治療にあたりデバイスの問題で時間がかかる、成功率が下がるのはディーラーの恥」というポリシーでやってくださっています。地方都市では「よくこれだけのものがこの時期に揃いましたね」というレベルで、毎回日常のカテーテル手術においてもそろえてくださっています。
末梢治療では、病変の血管径、長さ、対象とする種類(完全閉塞、長い距離の狭窄、一部のみの狭窄、高度石灰化、ステント再狭窄や最閉塞など)も多岐にわたること、特に重症下肢虚血で足切断回避のためには、複数箇所の徹底的な治療が必要になることもあるため、大変なものとなります。医師自身が本気でデバイスに関しての知識を得て、主体性と自律性をもち、デバイス選択を行うことで、患者さんにとって本当によい治療ができると確信しています。なので、デバイスに関しては一生懸命勉強しています。

さて、明日のSTARTのランチョンセミナーの準備です。臨床工学技士さんが、透析患者におけるSASの有病率について、統計解析をしてくれました。認知症や超高齢などあきらかにSASと判明しても治療ができない、あるいはSAS検査すらできない方を除いた「全員」にスクリーニング検査をしてくださいました。
想像通り、一般に報告されている非透析患者さんよりも明らかに高い有病率ではありましたが、これまで報告されている透析患者さんの有病率とはかわりがありませんでした。そこで、背景因子(腎不全の原因、合併する心不全や拡張障害、心室壁肥厚、年齢、透析歴、など)で何かメルクマールとなるものがないか、探していただくことにしました。
この先を書くと、結論になってしまうのですが、有意差、でませんでした。技師さんは「有意差のない、相関曲線の書けない統計で発表などできない」と嘆いていましたが、それは本当に嘆かねばならないのかというところです。
データねつ造は論外として、近年、世の中を騒がせている「有意差」「非劣性」を行うための恣意的な患者選択、サブ解析というのは僕は絶対に信用しません。
当院はSmall-Centerですが、それだけに統一プロトコル、ALL-COMMERのデータというのをモットーにしています。

もちろん、有意差、有用性、優性、劣性、相関曲線、これらの言葉は私も大好きですし、そのような論文はきれいにまとまっています。しかし、有意差がなし、相関性なし、それもそれで立派なデータなのだと思います。逆に、これまでの結果と差がないということを証明したことは、当院の診療方針がHigh-Volume-Centerと大きくかけ離れていないことがわかります。その後、High-Volume-Centerでは絶対にできないALL-COMMERデータを詳細に追跡し、一例一例を丁寧に解析することで、「患者群」ではなく「患者個人」に対応した臨床診療ができると誇りに思っていただきたい、と伝えました。

決して有意差、非劣性、相関、という言葉は必要ではないのです。それらの傾向があることで「合併率が低い」とされるグループでその合併症あるいは併発疾患を見逃しがちになってしまうということは絶対に避けねばなりません。どの患者さんに対しても注意をはらい、フォローをつづけていく、そのために臨床はあり、データ提出もあるというのが私の考えです。

2014/10/20

3年間で初めての県内AWAY講演。

愛媛県病院薬剤師会からお声かけをいただき、県内で自分の主催以外で、はじめての講演をさせていただきました。「カテーテル治療医が考える、内服療法と造影剤」というところをテーマに60分、お話しさせていただきました。

1.動脈硬化の概論2.カテーテル検査と治療3.ステント血栓症と抗血小板剤4.臨床症例を数例(冠動脈・末梢動脈・腎動脈)5.造影剤による検査・治療の信頼性の違い6.Take home message

座長は市立宇和島病院の五十崎薬局長

MacBookAirでプレゼンテーション

やはり薬剤師さんにとっても、NOAC、DPP4、SGLT2に関しては、情報が錯綜し、お困りとのことでした。
薬剤の素性、製薬会社のスタンス、MRのポテンシャルやモチベーションでDr裁量が大きく変わっているようです。

懇親会では戸島のブリと大名椀という鯛が入ったそうめんもいただきました。それは美味でした。宇和島は伊達藩ともよばれ、シーボルト、高野長英などを江戸時代に招聘したという非常に文化的・知的レベルの高い街です。アメリカでいうと、シアトルのような印象でした。東の西条、西の宇和島東、と学問は勿論、野球でも愛媛県を支えていただきたいと感じました。また、来させていただきたい街です。

2014/10/11

直前の公開で申し訳ありません 10月24日金曜日の夜「START CONFERENCE 2014」



この2年間、山本先生にお願いし続けていた、「東日本大震災」の教訓についての公開講演です。非常に御多忙な先生であることは勿論、コンテンツが、薬品や診療機材と関連がないため、諸事情により延期が続いていましたが、ようやく実現することができました。私自身、2011.3.11の午後、ペースメーカーをしているときに被災。東京の震度5でしたが、免震構造の病院は大きく揺れ、壁ははがれ、渡り廊下はうねりました。病棟の患者さんの安全確認後、看護師さんやスタッフが家族に連絡がとれるか確認。その後、歩いて、新宿・東京駅に。通話はできず、ワンセグのテレビ外はものすごく寒い。車は動かず、歩道にはビルのタイルがしばしばおち、その時にあがる、悲鳴と群衆の動き。それは悲惨なものでした。
磐城共立病院は、まさに大震災被災地の中心にありました。被災者でありながら、被災者を助けねばならない、という立場の難しさ、スタッフをどう守るか、家族をどう守るか・・・その後の原発被害をどう考えるか。
南海地震は必ず来ます。高知・徳島西部・愛媛県南予地方の医療が機能しなくなった、あるいはOverflowとなったとき、どこが鍵となられなばならないか。愛媛県の瀬戸内側しかありません。しっかり勉強させていただきたいと思います。


今回もSTARTの講演は皆様のご期待に添えるものと信じております。広い会場を手配しております。一人でも多くのドクター・コメディカル・行政関係者の皆様にお聴きいただけましたらと思っております。

2014/09/27

10月 11月のSTART (Saijo Transcatheter ARterioscrelosis Therapics)

2011年に第1回のSTARTを開催してから、西条に来てくださる先生方の御支援があり、分野が大きく広がってきました。

10月23日夜には、いわき共立病院の山本義人先生をお招きしての講演会
東日本大震災の実際の被災者として、そしてただ一つ機能した総合病院の医師としてのご経験をお話ししてくださいます。西日本にも南海大地震は間違いなくきます。
高知県からのアクセスルートとして国道194号線で直結する西条は間違いなく、災害の際「砦」となることを想定してお願いしています。

続いて11月13日のSTARTは済生会熊本病院の坂本先生。循環器内科医でTAVIに積極的に取り組まれており、「見落とさないで!治療できる弁膜症」というタイトルのもと、若手から市中臨床の先生方まで、広く興味をもっていただける内容で講演をお願いさせていただきました。今回、「西条市医師会」「愛媛県薬剤師会東予支部会」認定研修会となることができました。住友別子病院の松原薬局長、松浦西条市医師会長・村上学術部長のおかげです。これまで同様、好評の機器展示もできれば、と思っています。

熊本病院は済生会病院の中でも循環器科が特に強靱であり、当院スタッフも2年前に見学させていただき、「めざせ熊本!」を合言葉にがんばっています。

院内でのWEBセミナーも定期的に行えるようになり、興味と向学心があるスタッフの集まりも徐々に増えてきました。
2015年の地域連携講演会も、既に予定を組み始めています。とっても楽しみです。

2014/08/25

若者は「夢」をもってその「具現化」を! 日本の医療は危機にある!

8月22日金曜日、日本医師会館において、医師会幹部ー医学生交流会が開かれ、そこで不肖私めにもお話しさせていただく機会をいただきました。
とにかく、臨床最前線の話と、チーム医療の話、学生(1年から6年まで!)と医師会幹部にきいていただきたい内容を15分+総合討論というところは非常に厳しいモノがありました。ストップウォッチをマイク横においての演説でした。
そのスライドの概要をUPさせてただきます。また、配付資料には出せなかった「研修医の心得〜マクドナルド方式で理想の研修医になろう」というものもUpさせていただきます。
日本の医療は危機である。医療費は外貨獲得から得るしかなく、それには医療を輸出産業にするしかない。
地方だけなく都市の医療も逼迫している。「内科」「外科」が本当の危機である。
など、かっこよさげなことも書いてみたりしましたが、実際の現実です。海堂先生からも、医師会の幹部の先生からも「医学生は全体の7割が内科・外科になってほしい」というコメントを続けていただくことができました。地域医療=Genralだけではなく「地域完結型医療」には専門医も必要であるということも示させていただきました。

フランクリンプランナーは目標を実現するためのツールとして役立つと思います。吉田穂波先生(産婦人科医+5児の母)も使用してくださっているようです。

これが研修医心得、です(笑)なつかしい

2014/08/01

もう一度見直そう「鼠径穿刺と止血」

上記のタイトルで、私がこれまで行ってきた(修業)ことのまとめ記事を書かせていただきました。実際のAngio写真やシェーマも入っているので、これから穿刺を始める先生にはわかりやすくていいかな、と思っています。
個人的には、止血デバイスは「大嫌い」です。いざというときに使える、というためにいくつかおいてはいますが、止血不良、感染、帰宅後に大出血、3日後に大出血、コラーゲンによる塞栓、、などそんなことを起こすくらいなら、しっかり手で押さえよう、でもちょっとでも楽な方法はないか、と考えてみました。



こうやってちょこちょこまとめたモノを積み重ねて「START」のシラバスにしていこうと思っています。

2014/07/27

がんばれ!西条高校

カテーテルとは違う話題です。毎日35度を記録する中、西条は盛り上がっています。なんと・・・私はこの病院に勤務する唯一の西条市・西条高校出身のドクターなのです。一家4人が西条高校、という環境であり、夏も冬も厳しい練習を行っている野球部は皆の憧れでもありました。
(西条高校大手門の前で錬るみこし)

最近、虐待、ともいわれる高校野球ですが、西条市民にとって、高校野球は祭りも劣らない、年間イベントの一つです。今年、県大会ではベスト4まできました。甲子園行ったら、年休とって病院にいるOB職員集めて応援ツアー組もうかな、とも思っています。実家ではすでに寄付金の準備もしているようです。今年こそ、甲子園へ!がんばれ西条高校。「日本一の練習を積んだ」西条は愛媛県内では松山商業、今治西に続いて宇和島東と共に最多出場校、全国大会優勝経験校です。

明日が準決勝(相手は小松高校)、明後日が決勝です。
この校歌、応援歌が甲子園で聴かれますように!

http://www.geocities.jp/saijodozen/sai2010.htm

2014/07/03

QuickCrossを用いた4段ロケット2014

主にBKAに対するPPIで用いている多段ロケットですが新たなアイテムが搭乗しました。
3FParent55cmとQualiaはそのままですが、4FCXiをQuickCrossSupport35(アングル)にかえてみました。
さて、QuickCrossとは、アメリカのSpectraneticsが製造し、DVxが日本で輸入代理店をしている、貫通カテーテルで、014、018、035内腔、長さも多種、先端もアングルとストレート、ブレードもSupportとNormalというかなりのバリエーションを有しています。
さて、Feelingですが、今回はCLI(足底潰瘍、中指末梢潰瘍)を有するBKAの2枝CTOに対するPPIで使用。(DM HT HL CKDあり)透析患者さんではないもののエコー技師さん曰く「まあ、透析クラスの石灰化血管ですね」という状態の血管でした。
PTA-pedalArchは貫通に成功しましたが、ATAは最終的にMiddleで終了(受け皿がPoor、時間、造影剤の関係もあり)となりました。
さて結果です。
  1. 3Pとの相性は良好。CXiほど「ズルズル」滑って抜けてこないので、刺入部を押さえることが少なく、順行穿刺刺入部のところで血管損傷を生じるリスクは少ないか?
  2. CXiに比べて少し内腔が広い。Qualiaをいれて造影したときに、5mlのシリンジでビジパーク270の2倍希釈は「楽々」打てる。
  3. アングルはCXiよりも強く、くちばしは長い。ATAに入れるときは回しながら入れていく必要あり。その分、セレクトはかなりしやすかった。また、PerADistalから穿通枝を選んで、PTAのチャネルを探るときもセレクトはしやすかった。これはCXiとの最も大きな違いかもしれない。
  4. 先端はすこしバルキーなので、CXiよりは入りにくい。また、Qualiaとの段差は500系新幹線よりは700系に近い感じとなる。(その分、造影できる内腔がある)十分にQualiaと14ワイヤーを入れておく必要がある。
  5. 手元のシャフトは金属コイルをまきつけているだけあってかなり強い
と、かなりアメリカンな味付けのデバイスでした。(COOKもアメリカンですがそれ以上にアメリカンな感じ!?)
ちょっと段差があるか、スラントノーズかという違いを一番表現しやすいかと思いました。メリットデメリットはあると思います。(写真はJR東海、西日本公式サイトより)

ロケットに新たな選択肢ができたのはとてもいいことです。しばらく、つかってみて、CXiとQuickCross、それぞれのいいところをみていこうとおもいます。長いものがあるので、3P95または45P95などを使って山越でBKAのPPIをするときには使えるのではないかと思います。
QuickCrossはかれこれ4年前にAHHに行かせていただいたとき、初めて使い、ああ、これは面白いなあ、いいなあ、と思ったデバイスでした。そのようなものを輸入してくれたのは本当にありがたいと思っています。DVxに国内在庫はあるようです。

<注意あり。QuickCrossの14、18は35のSelectの中には入りません>(CXiは35の中に14のものが入りますが、ズルズル抜けて使い物になりませんでした)


2014/06/04

自分で冠動脈の造影CTを受けました その3(造影剤アレルギーのエピローグ)

14時に検査を終え、結果を確認し、よかった、なにもなかった、と一安心し、明日のスライド作りにいそしんでいました。ところ・・・
18時ごろからどうも全身がかゆい。まあ自分は、よくじんましんも出るし、そのうち治るだろう・・と思っていたのが、全くよくならない。20時に全身に広がり、その後、まぶたが重く、キーボードが打ちづらい、、もしかして造影剤アレルギー!?と。
さすがに、おなかや背中は見苦しいので、手ですが、こんな感じで熱感と強い掻痒感(かゆみ)をともなった膨疹が全身に広がっていました。

こりゃいかんと、病院を受診し、即効性ステロイドと抗アレルギー薬の点滴。そして内服を受け取ったところ、どうやら、30分程度で進行はおさまりつつあります。患者さんには、ちゃんと夜になっても、翌日になっても、、と説明しておかねばならないなあと痛感しました。