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2013/03/25

うちやすいキーボードを使う

外来の仕事は電子化され、ほとんどがパソコンのキーボード入力となりました。かつて習字教室を一瞬にして「クビ」になり、書道は「1」、国語はテストの点がよくても字が汚いというのを理由に「5」をもらえなかった私の字が消滅したのはとてもよいことではあります。特に、医療の世界では読みにくい字=医療事故につながる可能性もあったため、なおさら歓迎されるべき事です。
が、そこで避けられないのがPCとの戦い。外来が「Do」(調子よい、そのまま処方継続)であれば、よいのですが、最近求められている、「医療の住み分け」「病診連携」「病病連携」により、必要な書類が大量発生してきています。それが「紹介状」「返信状」です。
私は外来のモニターを2面として、1面に通常の診療録、もう1面に画像(レントゲン、生理検査など)と心カテ予約台帳のExcelを表示させるか、診療情報提供書の作成スペースにしています。作業効率は大幅にUPしました。が、外来が終わるたびに、右手(前腕)の発熱に悩まされていました。外来の後には湿布を貼っていました。本当はクラークがついて、Drが話したことを入力してくれればよいのですが、そこまで恵まれた環境ではありません。(済生会熊本病院はブース毎にクラークが配置されており、感動したものです)
そこで、写真のキーボードを自腹で購入してつけて貰いました。
Cherry社の黒軸採用モデルです。リニアな反応、適度な重さによるミスタッチの減少、すぐになれるキーピッチ、どこをとっても一流品です。17000円と高いものですが、日々の作業でマウスに続いて「2番目」に使うものであり、この快適性は金銭には換えられないものがあります。ご存じの方は少ないと思いますが、昔NECが出していた「PC-9801」というシリーズのPCがあり、そのキーボードに非常によく似ています。NECのロゴが「丸文字」になった9821モデル(Winキーがあるもの)はダメです。角張ったロゴで9801が本体50万、80万の時代のものでなければなりません。
http://www.diatec.co.jp
「黒軸」モデルがおすすめです。赤・青はすこし軽いタッチです。また「カチカチ」と音がするものがあり、それは周囲のブースにも迷惑となります。昔FILCOというブランドで「隼」「剣」などのシリーズがでており、それがダイアテックに継承されているようです。今ではBluetooth対応モデルもあり、「Majestouch」というシリーズとなっています。パソコンではCPU、メモリ、HDDに目が行きがちですが、もっとも自分が触れる「キーボード」「マウス」にこだわるのも大切だと思います。マウスも8ボタンのものを使うと、2ボタン+ホイールにはなかなか戻れません。(ドライバを入れなければならない関係で、電子カルテ端末への導入は難しいです)
Mac用は残念ながらまだありません。Windows専用です。ほかにも有名どころとして東プレの静電モデル、PFUのHappyHackingなどもあります。前者は少し自分にとって柔らかかったこと、後者はキーボードやFnキーが独立して存在しないことから、変換のときに多用する自分には却下でした。外来のたびに腱鞘炎に悩まされている先生方、サマリーのたびに手が痛くなっている研修医の先生方、是非お試しください。

2013/03/10

ASAHI-KAMUI リリース!

朝日インテックからKamui<神威>というバルーンがいよいよフルリリースされました。Dovanというモデルが進化した、という位置づけではありますが、すごい通過性です。先端がさながら500系「のぞみ」のようなTaper。ポイントはバルーン(Distal Marker)から先が長いこと。目玉はチップのTaper、バルーンのTaperでしょう。RetrogradeからのReversed CARTにつかうときでもうねうねと入っていくことでしょう。シャフトの剛性も強くしっかりしています。
2013年発売の量産バージョンになってさらに改良されていました。Taperのところが以前のバージョンであれば少し弱かったのですが、そこが進化したのです。朝日インテックは今後この分野(バルーン)にも力を入れるため、樹脂会社を買収したとのこと。力の入れ方が半端でありません。

パッケージはこんな感じ。AIのロゴが目立ちます。他はシンプルないいデザインです。

ラインナップはもっとあったのですが、バルーンの在庫が増えても置き場所がないので、このサイズのみ院内に貸し出ししてもらうようお願いしました。2.0はCTOを通したあとの第1バルーン、あるいは透析の石灰化で次のスコアリングバルーンを通すために使っていました。あの性能なら2.5をFirstにしてもよいかもしれません。
実際に使ったあと、写真を撮りますので追加UPします。USBのマイクロスコープを購入したので、透析の岩盤に使ったあと、先端チップがどうなっているか、楽しみです。

2013/03/09

広がるPPIの世界 マイクロカテーテル

マイクロカテーテルも末梢に特化したものがどんどん発売されました。当然その筆頭は東海メディカルの「Prominent」シリーズ(先日の記事参照)。しかし、他からも出てきました。ゼオンのX-Support。はじめて触ったときの一言は「うわっ」でした。
 なにが・・・と言いますと、ものすごい直線番長です。ProminentNEOも先端2mmで触ると硬いのですが、これはさらに硬い。硬い。硬い。14と18の2モデルありますが、14で16まで入ります。ということはTreasureまでOKです。
どのくらい直線番長かというと、XtremePVで、POP-ATAにくねとまがって入ったとき、先端の柔らかい部分だけのところだと、負けてしまいます。不透過の部分まで入れてしまえば追従しました。そのあとは石灰の中をスパッと通りました。そのくらい直線性能は高いです。さらに、コーティングを強化していただいたことで、長く続く狭窄でもずるずる入っていくようになりました。Goodです。
本日使わせていただいたのは14モデルでしたが、PL-Xとの相性、さらに18モデルはSFAやBKAの直線部位を貫通させねばならない場合、最近FMDが力をいれている新しい18ワイヤーと組み合わせると相性がいいかもしれません。あとは、4FrCXiとの相性も気になるところです。
昨年末に一度使わせていただき、ちょっとこうしたほうがいい、といことを開発さんにお伝えしたところ、改良品が本日届けてくださいました。先端Taperとヌルヌルコーティングをお願いしたのです。もちろん「貫通カテーテル」ではなく「マイクロカテーテル」のため、Corsairのようにウナギ的な動きはできませんが、TightLesionにずるっと入っていくところはいい感じでした。CXiの2.6よりも先端のシャフトは硬いです。ただ、普通の石灰化ならOKですが、透析の石灰化(刃のように血管内におむすび山があるもの)に対しては、コイル巻き構造をとっているCorsairやCXiの方が安全かとも思いました。ただ、こればかりは何度も使っていかなければわかりません。とにかく、透析の石灰化は最強の敵です。

なお、先日、4段ロケットを1段はしょり、ワイヤーと4FrCXiでBKAを掘り進めたとき、どうしてもできてしまうワイヤーとCXiの段差、さらにTaperのきついCxiの先端でFlapを生じた例がありました。体外で再現したときの段差は結構ありました。必ず、Cxiの4Frを使うときは14システムの場合、マイクロカテーテルを入れる必要がありそうです。少なくとも私は今後必ずそうします。