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2015/03/21

木沢記念病院のWorkshopでEVTライブをさせていただきました

岐阜県美濃加茂市にある木沢記念病院(440ベッド)でEVTをさせていただきました。患者さんの個人情報に関わりますので、詳細は記載できませんが、TargetはBKA、きわめて石灰化の強いSFA/BKAでした。
Awayの治療において最も大切なのは、自分のもっているパフォーマンスがどこまで出せるかというところです。必要なのは、その病院の先生方やスタッフとの意思疎通はもちろん、助手、デバイス(我々の仕事は技術半分道具半分)です。前日の講演会後、西垣先生からごちそうになった飛騨牛A5により気力も充実させた状態で臨ませていただきました。
自施設の方法通り、必ず体表面エコーで穿刺部を確認。後腹膜から腸骨動脈がどのように表面まで向かってくるか。そこの石灰化やプラークは?乱流はないか。必ず短軸、長軸、ドップラーを確認し、マジックで走行、分岐部などをマーク。その後Micropuncture(COOK)で穿刺し、優しくブジーします。SFA/DFAの選択は患側30度から40度で、また、やや内側に向けての穿刺が必要です。まずは3FrParentPlus55cm+4FQuickCrossSelect+X-Support18システムでBKAを治療。ATAは入口すぐから足背までTOTAL。創の領域を還流しているPerAの狭窄を解除。DSAで創のところに血流がいっていればOK(WoundBruch)。アンギオソムやArchの概念もあるものの、一番大切なのはそこに血流があるかです。

つづいて左の治療。骨折からまだ完全復調でないピッチャー高橋先生、無理をお願いして申し訳ありませんでした。なんとあまりの石灰化にMicropunctureが破損。やむを得ず、Medikit製18Gの金属針+035Radifocusで穿刺、Micropunctureの外筒のみをそっといれてCTOのEntryまで造影。安全域まで4F11cmマーカーシースを投入。中膜の石灰ははっきりとAngio装置でみることができたため、左右に振りながら石灰の真ん中をQuickCrossにRadifocusで貫通。一部QuickCrossすら通過困難のところもあり、先ほど使用した3FParentのダイレータでブジー後に300cmのUniversalに交換しPOBA。

助手は西条からいつもセカンドについてくれている西原看護師にお願いしました。ゼロストレスだけでなく、先端がかなり酷く破壊された014ワイヤーもちゃんと再生させてくれます。裸でSMART2連発。POBA後にもかかわらず、切り立った石灰プラークにより、非常にリリースは「シワイ」ものでしたが、無事、BestPositionに留置。やっぱりこの信頼はSMARTならでは。その後思い切り拡張。なお、近位部の位置決めは患側50度で確認。
すこしSmartの先のRun-Offが悪いので、POPからDSAを確認したところBKA1枝がTotalでのこり2枝に高度狭窄が何カ所も。Jade2x40で20気圧拡張しRun-Offも確保。ここでようやく、足の色が黒紫から赤い感じになってくれました。
たくさんの先生方に見学をいただきました。若い先生方がたくさんいらっしゃり、ものすごくうらやましかったです。

寡黙な西原君の仕事は職人芸。すばらしい看護師さんです。看護部長に「どうしてもAway手技なので助手で西原看護師と一緒に来ていただきたい」とお願いしたところ「どんどん成長させてくださいね!」と一発OK。ありがたかったです。

最後の止血も責任をもってさせていただきました。

完了し、患者さんが退出されたあと、2人で記念撮影。左右に山のような道具を準備してくださっていました。

最後は西原看護師から、同院の看護師さん達にLectureの機会をいただきました。「私を変えた循環器科」ということで、八つ当たりは聞き流し、怒鳴り声にはひたすら耐える、というスタンスでひたすら頑張ってくれたというお話です。

日本を元気に!地方から! 木沢記念病院の看護師さんがすこしでも、より元気になってくださったらうれしいな、と思いながら私も後ろで聴講させていただきました。

その後、青山部長、宮田部長、高橋部長、事務局の方とお話しさせていただきました。患者さんに満足いただける治療ができ、本当にうれしく思います。順行穿刺においてはSlenderSystemが上流の血流障害の低減に有効であることもお伝えできたと思います。残念ながらランデブーはお見せできませんでしたが、患者さんの入室・体表面エコーチェックから退出(止血完了)まで150分、造影剤もビジパーク270が80mlと少なく済ませることができました。
チューニングされ、ビッグモニターに的確な画像を素早く出してくださったRTさんに深く感謝申し上げます。看護師さんの声かけタイミング、CEさんのASV管理、いずれも非常に洗練されていました。すばらしいカテーテル室で手技をさせていただき、本当にありがとうございました。またよろしくおねがいいたします。バックアップしてくださったCordisさん、サクラメディカルさん、感謝です。

2015/03/19

岐阜PTA研究会

岐阜大学第2内科の西垣先生にお声かけいただき、岐阜PTA研究会でお話しさせていただきました。テーマは「循環器科医がはじめるEVTのABC」です。テクニック的なところはいろいろなところで話があるので、部屋の作り方、ハードウェアのそろえ方、ソフトウェアの築き方、チーム医療の考え方、日本の医療の未来、というところまでお話しさせていただく、つもりでしたが、「やっぱりテクニックのところも」というお話をいただき、180枚となってしまいました。
Cypherショック、スタチンショックにはじまり、SFA-CTOのテクニック、ワイヤーやバルーンの選択、ステントはどう置くか、まさに「温情が仇」となること、5分をけちって5時間を費やすな、という言葉を羅列させていただきました。

岐阜駅の前にある織田信長公。金子と同じく「平家」です

西垣先生 さすがキレのある導入

別に歌っているわけではありません。謳っています。

時間がぎりぎりで申し訳ありませんでした。でも、中から外までどうやって固めていくか、論理に基づいた情熱というものが、世の中を変える、ということを若い先生方に少しでもお伝えできればうれしいです。

お声かけくださった西垣先生、座長をいただいた湊口先生、質問いただいた小島先生、来場いただいた川口先生、本当にありがとうございました。

2015/03/04

第9回心不全陽圧治療研究会(品川)

前の記事で告知させていただいたとおり、品川で講演させていただきました。
内容については割愛します。プレゼンテーションの縮小画像がほしい、というメッセージを多数いただきましたので、掲載させていただきます。


プレゼンテーションでは「チーム医療」「Total-Solution」という概念も入れました
「馴れ合い」でない「チーム」は必要です
会場は品川駅そばの「コクヨホール」 とにかく暑かった・・・


透析ということがテーマでした。インターベンションやASO、CLIについても一部入れさせていただきました。もちろん、BKAのランデブー動画も入れています。

陽圧呼吸は患者さんの心不全治療の「一つ」である、という認識も大切だと思います。検査、診断を患者さんは待ってくれません。そのような心不全・腎不全で「次がない」方々に対する治療をできるだけ早く、的確に、行うことを目指しています。聴講席の皆様には少しでもわかっていただけたらうれしい内容でした。