Amazonサーチ

2013/07/10

CVIT2013にきました!

本日は午後お休みをいただいて、CVITに参加するため神戸までやってきました。
西条から神戸は高速バスで3時間30分。乗り継ぎもなく快適です。今日はとてもいい天気ですが、丸坊主で外を歩くにはつらいものがあります。
さて、今回私の発表は・・・重症下肢虚血に対する治療の成績です。私が赴任するまで、年間10本から20本の足(ふくらはぎから下、ふとももから下)が済生会だけでも切断されていました。さらに、血流が悪いと、切断しても傷がつかず、再手術、再々手術、その間に心筋梗塞や脳梗塞を起こす、などということで非常に予後が悪いものでした。
(閉塞性動脈硬化症+糖尿病性壊疽は大腸癌よりも予後が悪い!)
赴任後、心臓はもちろんですが、下肢の血流障害による切断をされている方がおおいことに驚きました。まず、糖尿病内科医である家内の段階で、フットケア、ABI、下肢動脈エコーによるスクリーニング、「疑わしきは紹介」で血行再建か、薬物療法か、運動療法か、私が診察させてもらいました。続いてその隣で診察されていた糖尿病内科の部長からも紹介が増えました。
次は、整形外科です。整形外科には、ヘパリン・ワーファリンの周術期コントロール、不整脈や左室収縮能障害などのマネージメントで関連がありましたが、その後、術後の深部静脈血栓症からの肺塞栓で関係を強くもつことができるようなりました。間欠性跛行の患者さんの30%に閉塞性動脈硬化症がある、とお伝えしたところ、、、なんと全ての「あしの症状」を訴える患者さんにABIと下肢動脈エコーを行い、症状があって詰まっている患者さんを全員紹介してくれました。きっかけは本当に些細なことでした。
その次に、潰瘍がある、あるいは切断目的で紹介になった患者さんに「血行再建できる?」と話があり、そこからはもう言わずもがな、血流評価+血行再建をしてから切断あるいは切断回避!という流れが完成しました。地道なフィブラスト塗布、プロスタンジン軟膏などに加え、VACや皮弁移植の導入も積極的に行ってくださいました。
最後が透析センターです。もっとも、整形外科から紹介になる患者さんのほとんどが透析がらみであったこと、その患者さんたちが、PPIをすることで下肢切断を回避できていることをみていたCEさんが、透析室のNSによびかけて、フットケアを拡充してくれました。靴下をぬいで足をみる!これがきっかけです。水虫はないか?深爪はしていないか?足の裏に胼胝はないか?この「視診」で知覚障害があってわかりにくい糖尿病患者さんの壊疽であってもRutherfordIII-5までの段階で拾い上げることができました。さすがにIII-6で広汎壊疽や敗血症になっていると、ひろげてすぐに切ってもらわないと命が助かりません。いかに、Gatekeeperを設定するか、自分自身のできること、できないこと、判断の重要性を専門家にお願いするかということの大切さ、浦澤先生に教えていただきました。
外来のフロー、病棟のパス、ものすごく大変でした。混乱を極めました。やはり機動力の烏谷、安定感の藤井、イノベーションがつづく鈴木・西原という看護師チームは偉大です。次回のCCTでは、機会があればこのクリニカルパスの変遷とワークフロー改善についても発表させていただくつもりです。

でも、その集大成が、次の添付です。
これが完成した患者フローです。これ以外に、糖尿病内科は持続で血糖コントロールをして、160以上にならないようにしれくれます。2時間ごとのデキスターもいとわない完璧主義です。女医さんは妥協するということがないので、恐ろしいものです。その代わり、数日間で「低血糖を作らずに」完璧な血糖コントロールをしてくれます。CGMも使っているようです。
このまま大切断「ゼロ」が続くとは思いませんが。一桁前半では押さえたいものです。
しかし、実際に切断を行ったとしても、いかに創がよく治るかということも実際のポスターでお示しできるものを持ってきました。整形外科部長だけでなく、病棟婦長(看護長)が驚いていました。

この結果を出すに当たり、閉塞性動脈硬化症の治療について、院内・院外連携について日本全国の先生方からたくさんのアドバイスをいただきました。北から順に、時計台記念病院の浦澤一史先生、佐藤勝彦先生、越田亮二先生、北光記念病院の野崎洋一先生、札幌心臓血管クリニックの藤田勉CEO、いわき共立病院の山本義人先生、春日部中央総合病院の安藤弘先生、新川橋病院の小山豊先生、岸和田徳州会病院の横井良明先生、藤原昌彦先生、福西会の衛藤先生、和白病院の伊元先生、ほか数え切れない先生方とReal、FB上でディスカッションをいただきました。本当にありがとうございました。

忙しいときでも駆けつけてくれる臨床工学士チーム。いやいや1年でAVNRTが「切れましたね」とは見事です。
冠動脈は来年には、成績を出そうと思っています。なお、Iliac、SFAはLesionでは合計100以上治療しました。再狭窄はSFAの1病変だけです!これもそのうち中長期成績として出させていただきます。丁寧なワイヤー操作、IVUSをみてステントのサイズをきめ、性状をみてバルーンをきめたことなどがポイントだったと思います。

AN69幕による透析とLDLアフェレーシスの効果についても検証!(足病学会)

 
数が倍増したのにがんばって耐えてくれたエコー室!ありがとうございます。しかも、一例一例の難易度が透析やステント後、Iliacと難易度があがっていたので大変だったと思います。新人さんがまさか1年で末梢エコーまできちんと当てられるようになるとは思いませんでした!でももっと大変になりますのでよろしくお願いします。優秀なコメディカルは病院の宝です。

当院RT考案、自慢の足固定具。DSAでどうすれば、患者さんが苦痛がないか、足が動かないかというところを元に捨てるはずだった他のクッション剤をカッターナイフで削って作ってくれました。KCJLで各方面から評価をいただきました。うちの足DSA、めっちゃきれいです!!

私はたくさんの先生方に包み欠かさず、苦労されたこと、成功の秘訣を教えていただきました。ですから、私も今後、インターベンションや循環器科に情熱を燃やす若いDr方、コメディカルさんにとって、少しでも役にたてるようになりたいと思っております

0 件のコメント:

コメントを投稿

SPAMが増えています。特に外国語コメントのリンクはぜったに踏まないようにしてください。

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。