はじめの1年間、PCIはともかく、EVTのデバイス手配は本当に苦労した。最初から「診断のための侵襲検査は極力しない」というコンセプトをあげていたため、CT、エコー、負荷心電図、負荷シンチからのPCIや、EVTという体制づくり。フォローアップも可能な限り、入院をしない、血管穿刺を行わない方法でできないか、模索し続けてきた。
幸い、極めて優秀な、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学士、看護師という直接の関わりをもつコメディカルに加え、医事、薬剤という間接的ではあるが重要なスタッフと一緒に取り組むことで、全22種類のクリニカルパス+症状や紹介元のニーズに応じた外来フローを作ることができてきた。USAのArkansas Heart Hospital、北海道の札幌心臓血管クリニック、時計台記念病院、北光記念病院、新川橋病院、東可児病院、岸和田徳州会病院、済生会熊本病院と北から南まで、見学させていただいた施設の皆様からは、その病院あるいは先生が作り上げてきたノウハウを すべて包み隠さず くださった。これは、自分自身もどなたかかがいらっしゃったら包み隠さず、お伝えしようとおもっている。回避できる労力や苦悩は回避すべきであり、その分他のところにエネルギーを投入すべきである。
インターベンション(手術)件数を増やすのは非常に簡単である。が、問題は術前術後のフォロー、すなわち外来診療をどのようにマネジメントするかである。
できるだけ負担をかけない、そして待たせない、でも、見逃さない。そして、とにかく「入院させず、外来でがんばる」。入院すると必ずADLが落ちる上、医療費の負担、家族の負担も大きい。DPCというシステムにはもちろん賛否両論はあるものの、その意味では本当に良くできている。その上で、回復期リハビリに注力している。リハビリは2016年から2017年にかけて当科でも最重要課題ととらえている。幸い、理学療法士さんと看護師さんの強力なサポートにより、HCUでのモニタリング下リハビリ、病棟での休日もやすまないリハビリが徐々にデフォルトとなりつつある。これは非常に喜ばしい。
2025年問題ということを政府が躍起になって連呼しているのは、その時点で国民皆保険を終了させるための前触れではないかと勘ぐったりもしている。まだその頃には自分自身も働いていなければならない。
最近、医療のみの世界では、自分のみならず自分の周りのスタッフも幸せにできないのではないかと考え、手探りながら、次のステージを開こうと思っている。還元するために生きる、それも一つの自分の生き方かなと思ったりもしている。
郷里の英霊に敬意を表す。今年の夏休み、672ページ読ませていただいた。
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