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2020/09/08

動脈出血による血腫に対するエコーガイド下トロンビン注入止血

覚え書き。教えていただいたものをModifyしたものです。

ポイント:エコーで血腫と内部血流、流入血流が確認される、圧迫で止血されないことが条件。動脈圧>>血腫内の血流圧でなければトロンビンが動脈に漏出するため絶対に行ってはならない。(トロンビンの血管内注入は禁忌)

 

AplioまたはXarioXG+リニアプローブ+エコー清潔セット

ない場合は、コントラストが高くドップラーの感度がよいエコーを選択

 ・トロンビン液:1万単位10ml(または5千単位5ml)を1V

       (手術室または内視鏡室)

 ・滅菌不織布(穴をあけるためのクーパー1本)

 ・局所麻酔 10mlx1

 ・生理食塩水20ml

 ・1mlのツベルクリン反応用シリンジ2

 ・23Gの針(通常の短いもの+カテラン針)


 

1:体表面エコーで血腫、動脈、静脈を確認しプローブを決める。

2:イソジンで消毒し覆布をかける。エコーに清潔カバーをつけて血腫の内部血流+流入路を描出、ドップラーで動脈→血腫方向に血流が向かっていることを確定する。

3:清潔でツベルクリン反応用の1mlシリンジに生理食塩水0.8mlを吸う。

4:同様にトロンビンを0.3ml吸う。間違えないよう注意する。

5:エコー下に生理食塩水の1mlシリンジを23G針に接続して、仮性瘤内に生食0.5mlを一気に注入。カラードプラで仮性瘤内の針から生食注入を確認(ドップラで仮性瘤のなかに渦流ができればOK)エコーで針先をDocumentするのは難しいため、NSが仮性瘤のなかに入ることで針の先端が仮性瘤内にあることを証明する)

7:針をそのままにしてトロンビン液を0.3mlつめたシリンジに交換、0.05mlずつ、10秒ごとに追加投与しその都度エコーでFlowを確認する。Flowがよわってきたら追加注入をやめ経過観察時間を延長していく。

8:原則0.3ml、最大でも0.5mlまでとする。瘤内の輝度がすこし上がったところでやめる。ジェットが弱くなったら血栓が形成するのを5分待ち、瘤内全て血栓化していなくても終了し、末梢の拍動を確認する。すぐに血栓化しなくても徐々に血栓化は進むことが大半。とにかく我慢と慎重さが大切。

*全体が凝固するまで投与すると、過剰投与となりトロンビンが動脈(A-Vシャントを作っている場合には静脈にも)に漏出し、急性動脈閉塞を起こすため絶対に行ってはならない。

9:注入終了後はすみやかにトロンビンシリンジとその針を捨てる。

10:2時間後と24時間後にエコーで止血確認を行う。


繰り返しますが、トロンビンの血管内注入は絶対禁忌です。

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