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2013/05/08

循環器科クルズス(6) 虚血性心疾患(3)


循環器科クルズス(6)虚血性心疾患(3)PCIを行った場合の術後管理PCIが終わったからといってAMIの治療が終了したわけではない。発症後72時間以内を中心とした致死的不整脈の出現、血行動態の不安定化、内因性カテコラミンに影響されるAfAFLの出現。その他、心不全、心破裂、中郭穿孔、僧坊弁逆流もある。72時間を越えると、心破裂(Brow out Rupture)の可能性もでてくる。また、PCI施行部位の急性閉塞、亜急性閉塞も報告がある。胸痛を訴えた場合、Post MI Anginaと決め付けるのではなく、性状をよく確認したうえで心電図をチェックする必要がある。毎日心音を念入りに聴取し、心エコー、レントゲン、心電図をチェックすることが必要である。ことに、発症から時間がたっているものは再還流を行っても上記合併症(特に機械的合併症)の出現がしばしば見られる。CKおよびCK-MBのピーク、翌日のTropT、ミオシンLCで心筋梗塞の大きさを想定し、リハビリを行っていく。CKMAXが5000を越えると大きい、LADの近位に由来する6000級となるとリハビリも慎重に行った上、フォローアップカテーテル検査前に中央検査部での心エコーを行っておくことが望ましい。なぜなら、フォローアップカテーテルを行う時の輸液のみで心不全になる可能性がある、心尖部が瘤となり、不用意なカテーテル操作で血栓を飛ばす、あるいはワイヤーで穿孔させてしまうという報告も見られるからである(当院ではこの5年間にその経験はない)また、パナルジンは副作用の多い薬であり、肝障害、血球現象には注意する。プラビックスになっても頻度は低いもののパナルジン同様の副作用報告は世界で多数みられる。 PCIを行わなかった場合の管理まずは心不全の管理に努める。(別項目参照)しかし、ヘパリンは十分に流す必要があり、「虚血を疑った心不全」においては確実にバファリン、パナルジン、シグマート、ニトロ製剤を併用し、状態悪化の折には「いつでもPCI」ができる準備をしておき、家族にもその旨を伝えておく。ここでいう状態悪化とは、機械的合併症(先述)の出現による心不全の悪化ならびに遷延、虚血によるVTVfの出現のことである。安定し、病棟歩行ができるようになった段階でCAGを検討する。それまでにレートポテンシャル、ABI、心エコーは必ず行っておく。

合わせて、急性期から心臓リハビリは行うべきである。患者の基礎状態(年齢、合併症、もともとのADLなど)、心筋梗塞の程度などを考慮し、上限のHR、血圧の下限を設定し、まずは座位、ベッドサイドへの腰掛けから早々に開始する。CCUにおいてもモニター下にPT指導のもと、急性期リハビリを行っている。
特に若年者では下肢筋力、体幹筋は数日で著明に減少してしまうので要注意である。

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