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2013/12/21

第4回START conference Tokeidai joint live!のお礼

12月12日、13日の二日間に渡り、第4回START Conferenceをさせていただくことができました。12日に56名、13日に73名の参加をいただくことができました。
12日の模様です
午前に金子+宮川DrによるSFA-CTOに対するPPI。基本的にCTOに対しては「Anteriorで大丈夫だろうなあ、」と思ってもBidirectionalでのぞみます。なぜなら、一発貫通手技だからです。小さなカテーテル室で、成績公表を行っていること、自分のポリシーとして一度穿刺した以上は絶対に一期的にできる治療は一期的に行う、ということがあるからです。
さて、その様子です。
山越し+裏パンスタイル。エコーガイドで穿刺です。
右が凄腕エコー技師の青野君。若いのにうまい!
うしろからみるとこんな感じです。
BidirectionalApproach、これを二人のOperatorが行うと、、、ツインターボになります。なんとSFAのTotal、穿刺でシステムが組まれた後は、20分でワイヤーが貫通、あっというまに終了です。お互いがワイヤーあるいはマイクロカテーテルを操作することで高速で「至適ランデブーポイント」に持ち込むことができます。ワイヤーをいれたのか、はたまたマイクロで逆ナンしたのかはわかりませんが、二人ともが「自分が決めた!」と思うことができるのもいい環境です。宮川先生、ありがとうございました。普及させましょう!
講堂から和やかな雰囲気での応援が・・・西大阪の山平先生、オレンジフェリーはいかがでしたか?そして田山先生はこの下、トレーニングウェアです。さすがです。

午後からは春日部Andyこと春日部中央総合病院の安藤先生によるIliacのCTO。もちろん、普通のCaseではありません。F-Fバイパス、F-Pバイパスがいずれも閉塞しています。SFAは次回として今回はIliacでした。しかし、、このバイパス閉塞後というのは非常に難易度が高い。しかも、FFとFPの間がわずか1cm。そこを穿刺するしかありません。もちろんBidirectionalアプローチで、通しきった後上肢からのワイヤーで止血が必要です。
助手として、和白の伊元先生にきていただきました。彼とは5年間一緒に仕事しています。
さすがの安藤先生も途中でこんな表情・・
昭和大の荒木先生、土谷総合の佐藤先生をはじめ沢山の先生方が来院
今か今か、と出番を待つエコー技師。うしろではバリィさんが見守っています。
もちろん、貫通し、Completely Successでした!さすがランデブー協会副会長。

第一夜のトリは「ランデブークィーン」こと時計台記念病院の森田純子治験コーディネーターによる講演です。この講演会は東予地区薬剤師会との合同開催でした。治験なんて怖くない!どうすれば業者とうまくつきあえるの?どうすれば、みんなHappyな治験ができるの?という本当に基礎の基礎から教えていただきました。

治験、すごいですね。まず、英語三文字の略語が沢山でてきました。SMO、CRC、GCT・・・
「へぇ〜」が5回目標の講演を作ってきましたよ〜という講師の期待を裏切り、10へぇ〜以上の方が大多数だったようです。

さて2日目13日。午前に上尾中央総合病院の久保一郎DRと和白の伊元DRによる「元墨東チーム」によるSFA。なんと、Middleの狭窄だけで4.5Frを使用した「裸でスマート」予定がSFA-OStiumにも狭窄が進行。非常にステント留置の是非、部位、などで判断に迷う難症例でしたが無事に終了。SMARTは順行性でも「絶対に位置を決めることが出来る」ステントです。

つづいて、浦澤先生によるライブが始まりました。1件目は鎖骨下動脈狭窄。鼠径からと肘からで施行。IVUS、CTでその狭窄物による末梢塞栓のリスクがあるか、エコーで、椎骨動脈のFlowがどうなっているか、というところがポイントでした。さらに、鎖骨下はコスメティックに完璧を極める必要はなく、セルフをがばっとおいて、そのあとそっとPOBAでOKと。勉強になりました。榊原記念病院では、山本先生によると、術中はエコーで椎骨動脈のFlowを頻回に確認されているそうです。

浦澤先生ははちまき。久保先生は「やるき帽」です。介助は時計台の小谷CEと当院の三木CEです。アイコンタクトで右側は作業を行っていたようです。「無言でできる助手、無言でててくるアイテム」というのは時間の無駄がなく理想的な介助です。さすが!
こちらは鎖骨下動脈のものですが、講堂ではこのように写っていました。4画面。
なにがあってもすぐ対応できるように看護師とCEが待機。CEはポリグラフ操作、IVUS操作、レポート作成、画面操作(ビデオ撮り)、なんでもしてくれます。そして、看護師が患者の側にいるという安心感。やはり「看護師は患者が第一」というところがひしひしと伝わってきます。
操作室の風景です。超豪華キャストによるコメント、画像読影。二日間ともAngio担当の放射線技師さん、普段は見せてくれない笑顔です。かなり勉強になったとのことです。

ランチョンセミナーは時計台記念病院の小谷CE。「カテ室におけるコメディカルの役割」新卒時からカテーテル室に配属され、浦澤大明神のPCI、PPIを全て介助してきた小谷CE。その言葉は重く、深い。
浦澤先生からの補足説明。あの渋い声で「うちの宝です」! 絆は強い。


ナイトセミナーは連携講演。まずは当院の白形副院長(整形外科部長)から「整形外科とCLI」の講演。毎年15-25件の切断だったところが、この数年は一桁、そして2例に、と大幅に減少しています。院内における診療科を越えたチーム医療はとっても大切!
「わざわざお願いしなくても、いつの間にかやってくれていてその後で自分のところに患者が回ってくる」これは最高の環境だと思います。いつも整形外科部長にお世話になっています。ラグビー部です。
懇親会にて;順に久保先生・金子・藤原先生・佐藤先生
最後は佐藤勝彦先生による講演。「地域連携で末梢動脈疾患の撲滅を!」という熱いお話でした。スタンドプレーでなく、連携医療の大切さをおしえてくださいました。参加された職員から「なんて熱いプレゼンなんだ」という声が聴かれました。
この連携講演には、私の小中高の先輩である、西条中央病院の糖尿病内科、藤原正純先生(神)もきてくださいました。感動です。


さて、診療がんばります! なんでもやりますし、疑う、あるいは可能性が少しでもある、というだけでご紹介ください。スクリーニング目的の紹介は、毎日毎日透析後、治療後、重症で潰瘍ができていて徹底的に観なければならない、というエコーやCTをとっている生理検査技師、放射線技師にとってはなかば「癒やし」になっているとのことです。首・心臓・腎臓・足まで合計でも約15分で可能です。その15分が患者さんの命、QOLを救うことが「しばしば」あるのです!紹介、よろしくお願いいたします。必ず全てのデータをそろえて、安心とともに患者さんを逆紹介させていただきます!躊躇は全く不要です。

2013/10/29

第4回START研究会が決定しました!

告知が遅くなり申し訳ありません。いよいよ第4回START研究会の開催とプログラムが決定いたしました。時計台記念病院より、浦澤先生、佐藤先生、小谷CEをお迎えしてのEVTライブ+地域連携のための講演です。

そ、そして、、12月12日木曜日にもサテライトセッションとして、夕刻、美しすぎるCRC「森田純子様」による薬剤師会連携の講演会も予定しています。こちらはパンフレットができ次第、追加で案内させていただきます!

おたのしみに!

2013/10/27

第3回 START Conference 「落合先生 PCIという宇宙を語る」が開催されました

ボストンさんと第一三共さんの共催で、第3回START Conferenceを開くことができました。今回のテーマはPCIは宇宙へ!ということで、現在世界で活躍され、最も論理的なストラテージを講義してくださる落合先生に上記Lectureをお願いしました。

落合正彦先生の著書「私のPCI」は私がPCIを始めた頃に購入、その後何度も読み返させていただいている名著です。さらに、毎年TOPICのシラバス監修とそこでのライブ、講義はイノベーションを続け、まさに先生のPCI、講義は「宇宙」という言葉がぴったりなものです。
 


四国はもちろん、福岡、中国・関西・東京からでも日帰りができるスケジュールということで、11時30分から17時30分という6時間の集中講義でした。もともとの症例集は何例あるのだろうというすさまじいプレゼンテーションでした。

大切なのは、分析と再現性と論理性ということがよくわかりました。日頃私が感じていたConquest(ASTATO)とGAIAやSionシリーズを使うときのFeelingの違い、Crusadeなのか、それともCorsairシングルなのか、どこまではAnteriorでどこからがRetrogradeとするべきなのか、それらを全て数値、対外実験、統計で示してくださいました。
さらに、「メーカーが言わない製品イノベーションの裏」で常に科学者でなければならない医師のもう一つの側面を教えてくださいました。Hyperionの登場が楽しみでなりません。
「私のPCI」サイン会

午前の理論、総論中心の内容から、午後の症例中心の内容まで、大きくステップアップをしてくださり、まさに地球から、太陽系、そして宇宙へ、矛盾なくスマートに連れて行ってくださいました。
当院のコメディカルも4名が最初から最後まで参加させていただきました。インターベンションを行なわれるDrは放射線被曝や時間のことを気にしない方が多い中、「2回目、3回目のre-Tryを依頼されたら、必ず患者さんの背中を見るように」「60分以内にAnteriorであればWireの通過、Retrogradeであれば、Corsairの通過が得られない場合はRe-doとすること」など、「締めるところは締める」というスタンスもはっきり基準をもって教えてくださり、聴講者にとって、有意義な1日であったと思います。
ランチョンセミナ-「コーチング技術をいかした臨床診療とチーム医療」(金子由梨Dr)
あなたは「コントローラー?プロモーター?アナライザー?サポーター?」
 

講師の落合先生、ランチョンセミナーの金子由梨先生、Discussion commentaterとして参加してくださった越田先生、松野先生、そして、関西・中四国から参加してくださった先生方、本当にありがとうございました。
落合先生、西条祭りのビデオと新居浜太鼓祭りの動画をみてびっくりです。来年は是非太鼓祭りのランデブーに・・・
懇親会は講堂で行ないました。「石鎚」「賀儀屋」「山丹」「千代の亀」と愛媛県の地酒で乾杯。アテは瀬戸内のクルマエビやサザエなどの盛り合わせです。
 
台風が接近し、開催すら危ぶまれる状況でありましたが、皆様の日頃の行いがよいため、台風は逸れてくれました、しかし、終わった後、松山空港が小型機の故障により閉鎖!というわけで、当日帰りの先生方にはご迷惑をおかけしたもようです。
また、西条で!


2013/10/14

2013年西条祭り 速報

新調から20周年を越えてしまった、野々市御輿ですがまだまだきれいです。
今年は房を新調しています。
秋晴れに金糸が映えます。キラキラしています。

旧街道ぎりぎりの幅です。NTTの電話線は乗っている方が(重係)がよけます。


平清盛のオロチ退治

提灯をつけるとこんな感じです。

集会所に帰ってきています。

最後の坂が結構きついのでがんばってテントまであげます。

西条祭りの大多数はこの「だんじり」という屋台です。
私は、大学のときの臨床実習も祭りのため、上京後も祭りの日だけは日帰りででも欠かさず参加していました(喪中以外)。怪我のないように奉納させれていただきます。

2013/10/07

ワイヤーマイクロ3変化!

BKA-InterventionTipsの一つにワイヤーとマイクロの関係があります。下記のコラムはとあるパンフレットに書かせていただいたものの一部抜粋です。

まずほとんどが透析患者であり、狭小血管、退縮血管、さらに高度石灰化の三重苦であることが多い。そこで最も必要なのが、バックアップ力である。4.5Frあるいは3FrParentの中にCxi、マイクロカテーテル、ワイヤーを入れる「4段ロケット」法は既にスタンダードとなっているが、注意点も必要である。
3FrParent4FrCXiを入れた場合はガイディングシース側管からの造影が不可能である。しかし、4FrCXiYコネクターを装着し、マイクロカテーテルをQualiaとすることで、Cxi側管からの造影が可能となる。造影剤は300の濃度のものを1/2に希釈して5mlシリンジで打つのがBestである(10mlのシリンジでも可能である)
ワイヤーの先端形成もBKA-Intervention100例行うまでは悩むことが多かった。特に、ATAの近位部完全閉塞の場合は、まずPOP-ATAへの角度が90度であること、さらに、ATAに入った直後の閉塞が多く、そこが90度の屈曲点となっていることが多い。これはRCA#1CTOと同じ形状であるが、ATA入口をガイディングがダイレクトに選択することが不可能である、という条件の悪さが加わる。そこで、有用なのが、ソフトワイヤー(JokerPVやCruise)Judkins Curveに形成することである。冠動脈に比べて血管径が大きなことがポイントである。POPで4-5mm、ATAやPTAの近位で3mm、足関節でも2mm程度である。そのため、曲げをつけるところが冠動脈に比べて長くなる。
先端2mm60度、その先10mm45度として、全てをマイクロカテーテルから出すと、POP-TrunkからATAを選ぶに最適のカーブとなる。少しマイクロカテーテルから引き、先出しを8mmとするとPeronealTrunkからPTAを選択するのにちょうどよいカーブとなる。
さらに、先端を0.5-1mmしか出さない状態でマイクロカテーテルごと進めるとQualiaまたはProminentNEOの直進性により、BKAあるいはSFAの直線部分を貫通してくれる。足関節近くでPerAから側副血行路―足背動脈への選択を行う場合、Pedal ArchDorsal Archを選択していく場合には2mm60度の第1カーブを使えばよい。その際、マイクロカテーテルで第2カーブを覆ってしまうことにより余計な迷入も低減することができる。
マイクロカテーテルも冠動脈のものと違い、先端が硬い、直進性が強い、というものが主流である。また、ATA、PTA、PerAいずれも直線であるため、マイクロカテーテルにワイヤーをいれたStraight状態にし、さながら0.025のRadifocusのような使用法もテクニックとして使うことがある。

だまされたと思って、一度ためしてみていただければと思います。

2013/09/24

3Fシステムでうまく造影するためのシステムとTips

9月19日の記事に追記です。3Frシステムに4Frで果たして造影できるのか?という質問をメールでいただきました。結論・・・・できます。
3FrParent(メディキット)の中に4FrCXi(COOK)は入ります。4FCXiの中に何を使うかが問題になってきます。もちろん、CXiを使う必要はありませんが、3Fはどうしても4.5Frに比べてバックアップが弱いため、マイクロカテーテルを奥までがっつり突っ込んで、FloppyワイヤーをSupportワイヤーに交換するためにはあった方がよいと思います。私は必ず使っています。
さて、この中に入れるものは、0.018用のマイクロカテーテル(ProminentRapter、X-Support0.018)はおおむねXです。CXiとマイクロの間に隙間ができず、造影ができません。ProminentNEO、Qualiaは大丈夫です。しかし、0.014でもX-Support0.018は隙間がありませんでした。もしかしたら、製品の誤差かもしれませんが、Doppterを強くするため、厚みがあるのだと思います。触ってみると「ピンピン」跳ね、あきらかに他のマイクロカテーテルと区別されるべき品物です。直進性は本当に強いです。
これが全景。3FrParent+4FCXi+Qualia。ポイントはCXiの手元にYコネクターをつけることです。
このYコネクターはSJM製のWe-Kitというインデフ、インサーションニードル、ローテータがセットになったものですが、バネ式+解放ロックができるのが特徴です。ただ、思いっきりしめても、緩いのは緩く、回転ロック式に固定性では劣ります。

カメラで写したので影が入り申し訳ありません。このよおり、ParentとCXiの隙間はないので、そこからは造影剤は打てませんしかし・・CxiとQualiaの間には隙間が・・・なお、その先のワイヤーはJokerPVです。

濃度300の造影剤を2倍希釈として、10mlのロック付きシリンジでYコネから打つとちゃんと打つことができます。原液では少し抵抗があります。造影効果ですが、このシステムを使うのはほぼBKAで、DSAの使用となることがおおいため、2倍希釈でも全く問題がありません。
BKAでRendezvousまでしなくてよいCase(Anteriorのみで血行再建できそうな場合、再狭窄・閉塞病変の場合)には有効だと思います。3Frにすることで、出血性合併症が低減できること、術後の安静時間が短くなること、圧迫による阻血が軽減されることというメリットがあります。
もちろん、BKA2枝閉塞で側副血行路回しなどが必要になりそうな場合は迷わず4.5Frで行っています。またSFAにステントを置かねばならない場合、SMARTを使う場合は4.5Fr、MISAGOを使う場合は6Frです。(MISAGOはデリバリーシステムの構造、ステントの特性などを加味し、6Frで山越しアプローチの使用に限ることとしました)

2013/09/15

9月になってもまだまだ怖い!熱中症!!

久々にカテーテルインターベンション以外の記事です。
お盆を過ぎると、毎日日本最高気温をたたき出していた四国であっても「風」はすこしだけ涼しくなります。9月に入るともっと涼しくなります。日照時間も6月の夏至からくらべると徐々に短くなってきており、、、もう熱中症なんてならないぞ〜〜、と思いがちですが、実は「秋日は日焼けする」という言葉があるように、まだまだ太陽のエネルギーは強いわけです。
さらに、秋雨前線による湿度の上昇、台風がくると湿度だけでなく、南からの暑〜〜〜い空気も連れてきてしまいます。汗をかいてじとっとしているのか、湿度でじとっとしているのか分からなくなってしまう方も多いようです。

休憩はちゃんととっています、という言葉にもPitfallがあります。休憩はどこまでとるかというと、炎天下、あるいは蒸し風呂のような室内にいた場合には、のぼせた感じがなくなるまで、胸がばくばくしなくなるまで、汗をかいて、それがちょっと冷えて落ち着くまで、しなければ意味がありません。水分をとるのも、ちゃんと尿が茶色から黄色になるのを確認する必要があります。

夕方のスコール、閉め切った雨戸はそのあとちゃんと開けるか、エアコンをつけてください。けっこう多いのが、夕方のスコールのときに雨戸(サッシ)をしめて寝てしまい、夜になって、帰宅した家族が意識がないところを発見して救急車、というパターンです。締め切った室内は35度を超えます。昔のように屋根瓦+土壁であれば、まだいいのかもしれませんが、最近の家は屋根はルーフプレートに断熱材、そしてその断熱材は経年とともに劣化します。高気密住宅は確かに冷暖房の効率はよいものの、すきま風すら入ってこないため、熱がこもってしまいます

熱中症も重症になると、意識障害やけいれんをおこすばかりか、筋肉が崩壊し、その老廃物が腎臓につまることで、腎不全になったりと本当にこわいものです。
まだまだ油断せず、働いたらちゃんと休憩、汗をかいたら十分な水分をとる、室内だから、曇っているからといって油断しないよう、秋口をのりきっていただきたいものです。あ、もちろん、自分も気をつけます。

2013/09/09

臨時速報 FMDのNEXUSについて

札幌ライブのときに何名かの先生方の先生方から質問をいただいた、FMDのNEXUSというワイヤーのラインナップです。
NEXUSのラインナップです。これ以外に、PL-X(ポリマーの10G)があります。
コアシャフトが非常に強く、「冠動脈ではなく、末梢専用」ということをコンセプトにされています。


2013/09/04

9.3の続き。そしてその夕方・・・

9月3日の記事で「何も回答できなかった」MRさんについて書かせていただきました。
しかし、その続きが有りました。同日夕方、検査、回診、外来、会議が終わって医局に戻っていたところ、朝のMRさんに呼び止められました。
「朝、ご質問のあった事項に関して、比較表と文献をお持ちしました」と。

A4のクリアファイルに他剤と比較した容量設定表、それに応じた薬価、副作用発現率の比較票が作成されていました。
さらに、降圧効果に関してXmgで下がる確率が%、副作用発現のメカニズムと他剤との比較について、「原著論文」を数本もってきてくださっていました。
即答できなかった事に関しては、「いい評価」にはならないと思いますが、その日のうちに資料をきちんとそろえ、クライアントの業務が終わるのを待ち、確実な情報提供をしてくれたということは、すばらしいことだと思いました。ポイントは自作のPPTの表を作ってくれたこと、きちんと「原著論文のコピー」を持参してくれたことです。メーカー提供の資料では、「非劣性」「有意差なし」「除外基準」「対象患者」を絞ったサブ解析などの物が多く、どうしても信憑性に欠けるものが多くなっていますので懐疑的にみています。

というわけで、大きな名誉挽回です。こういう対応をしていただけるのであれば、患者さんに何かあったときでも速やかに対応していただけるのではないかと安心します。

2013/09/03

クライアントが求めること。製薬業界、大丈夫か?

とある出来事がありました。医師免許を持っているなら誰でも知っている会社のMRさん。抗がん剤、血液製剤、血管拡張薬、降圧剤、といろいろ合併したためか手広く業務を展開されています。
降圧剤は最近、いろいろあって、ARBについてはEvidenceそのものを見直すようにしています。もちろん、膨大なデータ、論文があるのでまだ1/10も読み返せてはいません。
さて、そこで出てくるのが、ACEiとの比較、CCBとの比較です。そこで、いくつかの質問をしました。
貴社のAという製品に対して、という前置きです
1:他社のBというX作用の薬と比べて降圧効果はどのようなものでしょうか?
2:常用量、最大量、効果発現までの期間、効果の持続時間はどうですか?
3:腎障害やK上昇の副作用はどうですか?
4:ブラジキニンの発生について、他のACEiと比べてどのような頻度の差がありますか?あるいは実際の空咳の副作用発現率はどのくらいで、中止となるほどのものはどのくらいの頻度ですか?
もちろん、「急ですから大体の印象と広告パンフレットに書いてある程度で大丈夫ですよ」と付け加えましたが、返ってきた答えは
「いえ、わかりませんので、事務所に帰り、本社に問い合わせて参ります」
→では、いつわかりますか?との追加質問に
「なるべく早く、お答えしたいとは思いますが」と。
うーん、と思いましたが、念のため
5:薬価はいくらですか?
→ちょっと調べないと・・・

1-4、いずれも以前、この薬の勉強会にでたときにみせていただいたチラシに載っていた記憶があったので聞いたことです。5については、やはり自分が担当の薬についてはコンマX円まで言えなくても、おおむねXmgでY円くらいです、XXmgではYY円くらいになります、と教えていただきたかったものです・・・。
また、相手の質問に対して、すらすらと答えていただけるのがBestですが、それが無理なときXX日くらいいただければ、大体はわかります。X週間なら文献も揃うと思います、という回答が欲しいものです。しかも、自分が担当している薬剤で、担当している医療機関の担当診療科のDrにきかれたこと、せめて1項目だけでもすぐに教えていただきたかったものです。はあ・・・こんなことで副作用や相互作用が起きたときに、ちゃんと対応してくれるのか、と不安になります。まあ、顔すらださない会社(担当)に比べるとましかもしれませんが、残念な限りです。
あとは、堂々と「この前僕がきいた講演会の話、他の薬の話だったみたいですね」とお詫びしたところ、「ああ、やっぱり先生の勘違いでしたか」と言い捨てて去って行ったMRさんとか・・・確かにそうなのですが、もうちょっと言葉ってあるんじゃないか?そもそも講演会が続けて2件あり、その混同が問題だったのですが、チラシももってこず、日程や場所の案内は全て記録に残るようメールで送っていただくようお願いしているにもかかわらず、メールを送ってくれないのは、、、と言いたかったのですが、ハイハイ、スミマセンデシタと回答しました。ちなみにここは外資系大手で、その分野についてほぼ独占企業となっている会社です。

では、お前はどうなのか?ときかれますが、疾患や臓器が最も解明され、メカニズムもはっきりしていることが多い、循環器科という診療科を専門にしているためか、私は患者さんに対して説明するとき、数字で説明しています。例えば、
「私、狭心症でしょうか?」という質問に対して
「私の経験から、これまで伺ったお話、症状だけでお話をすると30%程度の確率だと思います。でも掛かっている病気(糖尿病など)、家族歴、エコーなどでわかる動脈硬化の程度などから考える、またこれまでに報告されていることも踏まえて検討すると70%の確率で狭心症の可能性があると思います。やはり確率として高いのでCT検査を受けられることをおすすめします。」
と答えるようにしています。

やはり、クライアントからの質問には、根拠をもって答えるのが原則ですが、すぐに答えられないときは「XXするのでYYまでには答えます」という回答が欲しいところです。医師はそれに加えて、一般論だけでなく、自分自身や自分の施設での経験、結果も交えて患者さんに説明しなければならない、ということを改めて思い知らされました。

その一方で、厳しいかもしれませんが、国税が投入され、研究され使用されている物であり、販売する企業としても、被傭者のスキルをきちんと評価し、切磋琢磨していただくか、それでもダメなら異動、解雇という対処もやむを得ない事だと思います。
クライアントは回答を求めているのです。そこに答えられない担当さんとお話しするのは、時間と労力の無駄、すなわち、できない営業マンはクライアントの時間と労力を奪っている、とも言いかえることができます。


2013/08/29

コメディカルのレベル・キャパシティーがアップしたことでできた地域連携パス

着任後、約2年となりました。その間、エコー技師、放射線技師の技術があがりました。それにより、検査件数の拡大、難しい症例に対する対応幅が安定してきています。
これまででは「評価困難です」「Echo Difficult」というコメントがあった、石灰化病変、膝関節以遠の透析患者さんの病変、太った患者さんでステントが入った後の腸骨動脈の内腔、というところですがほとんどみられなくなりました。
1年間、エコー→PPIを徹底し、全例検査したエコー技師に血管造影画像、PPI手技をみていただく、あるいは体表面エコーを併用し、IVUS画像とも照合しつつの検証を行った結果です。自信を持って、地域の先生方に「連携パスで血管スクリーニングをどうぞ!」と提案できます。また、無症状、検診希望の方には、ほぼ同じ検査項目で「心臓・血管ドック」を開始するプロジェクトも立ち上がりました。

冠動脈CTでは、心拍数をいかに下げるか、最も下がった時間帯で撮影できるか、患者さんが緊張しない環境を作れるか、ということをコンセプトに改定。
体重測定を厳格化し、照射線量、造影剤量の低減と画像クオリティーの向上を図りました。

こちらは患者さん用のものです。






CTについても、「必要な画像はきれいな画像よりも、診断に有用で、治療戦略に直結する画像」ということをコンセプトに同じ事を行いました。この4月からは血管造影室技師と冠動脈造影CT技師が同じシフトとなることで、MDCT、冠動脈造影、IVUS、PCI戦略を1元化することができました。冠動脈CTはこのところ、ほぼ毎日3件、多いときは4件行われています。一人の技師が撮影し、画像合成まで行ってくれています。
当初、GEのLightspeedVCT64 ではきれいな心血管画像は撮れない、とくにステント評価などもできず、曲がった血管はさながらイカゲソ・・・とコメントした私ですが、大きく考えを改めました。
大事なのは医師がその検査結果に対し、きちんとしたフィードバックとその次の提案をすること、患者さんのために最善を尽くす、という技師さんの情熱と信念であったことを強く思いました。
奥津先生の書かれたMDCT本も読ませていただきました。石灰化をどう評価するか、どうPCIにつなげるかというところも解説してくださっていました。最新の知識、ワークステーションを知ることは本当に大切だと思います。おそらくは早速、明日からの診療に取り入れてくれることと思います。

**注意 絶対に当院のコメディカルを引き抜かないでください。万が一その行為がみられましたら私が対応させていただきます。