Amazonサーチ

2016/06/10

宇摩薬剤師会での講演(DVT/PE+Af)

昨日は愛媛の東、香川県との県境にある四国中央市に遠征させていただきました。「宇摩薬剤師会」としてははじめての単独講演会とのことで緊張です。グランフォーレ石松という大きなホテルです。この四国中央市(川之江、伊予三島地区)には大王製紙をはじめとした大きな製紙会社があるため、その、本社から、あるいは海外からの視察者を対象としたグレードの高いホテルや飲食店が多数有ると聞き及んでいました。自分自身はおなじ愛媛に住んでおきながら、高速道路でThroughtしていただけの町で、市内に入ったのははじめてです。6月3日の段階では30名の薬剤師の先生がおみえになられる、とのことでした。

地元薬剤師会の重鎮の方が座長です。代替医療や漢方に熱心な田中先生。調剤薬局の薬剤師さんが半数以上とのことで、60分間、どうやったら眠らずに聴いていただけるかということを考えながらのプレゼン組みでした。
私のセッションが開始となる19時10分にはもともと用意されていた40席が満席。薬剤師さんはどこでも熱心でまじめです。

もちろん5月31日のSTARTについてちょっとアピール。カテーテルインターベンションというものそのものを「実際の様子は初めて見た」という方が多かったとのことです。そのあとは凝固と線溶の話と採血で注意すべき点をお話しし、それぞれの診療ガイドラインを提示。循環器科の診療は「誰でも一定レベル」の治療ができるようなガイドラインが整備されており、まずはそのレベルの治療をできることが最低限、とお伝えしました。ClassI、IIIはともかくとして、ClassIIをどう考えるか、というのがテーマですね。

中盤になると臨時の椅子も後から、会場の中央部まで徐々にのびてきています。NOACはモニタリング不要(不可能)だが、採血不要ではない!というのが私の主張です。

主なテーマは深部静脈血栓症ですので、IVCフィルターやCDTのお話。ワーファリン・NOACそれぞれについて薬剤師さんが留意すべき点についてお話させていただきました。このスライドを作っていて思いましたが、ウロキナーゼは海外(特に欧州)に比べて日本での許容量は極めて少ないのですね。でも、中枢型DVTに対するCDTで当院の初期成功率(1回または2回のインターベンション)92.5%というのは結構イイと思います。やっぱりUK8万単位を500mlにといて、どんなに手が痛くなっても、カチャカチャ、時間をかけてきっちり吹き付ける(1バイアルあたり半減期の15分ずつかけて2クールほどします)やり方がいいのかなと思いました。実際にIVCフィルターのやガイドワイヤーのサンプルをお借りし、会場内でタッチしていただきましたが、こちらも好評でした。カーディナルヘルスさん、ありがとうございました。

さいごにチーム医療のお話と、その中での薬剤師の立場を。
医者は病気、看護師は患者そのもの、臨床工学技士は機械とデータ、診療放射線技師は画像と被曝、臨床検査技師は画像と生理的機能、、、で、薬剤師は??薬なのです。

5分間の質疑応答でした

宇摩地区の薬剤師の皆様、ありがとうございました。薬剤師会では講習による単位取得が義務づけられていること、その講習は質疑応答なしで60分が1単位の最低条件ということで、60分、156枚のスライドをお話しさせていただきました。45分と60分では、コンテンツはともかく、眠くならないための構成、も変わってきます。聴講者が眠くなるのは演者の技量不足だと自分は思っています。少なくとも、壇上から、あるいは後からの記録写真では寝てらっしゃる方がいらっしゃらない、ということは達成できました。最終、メーカーや卸関係者を除き、薬剤師、医師で合計48名の皆様が聴いてくださりました。満足いただけたでしょうか?

循環器科医師(敢えて循環器内科とは書かない)はカテーテルインターベンションがとっても得意です。しかし、特にPure-Interventionistは、周辺の治療に関しては苦手です。関連診療科(心臓外科・血管外科・透析診療科・整形外科・糖尿病内科・消化器内科・脳神経外科など)との専門はお互いを信用する、という診療スタイルで成り立つということもあるものです。宇摩地区も人口があるにもかかわらず、医療インフラがきわめて脆弱になっています。特に県立三島病院が廃止!となってからは厳しいようで、寄付講座の地域医療サテライトでなんとか、というところだそうです。今回の改定で調剤薬局の報酬点数が下がったこと、自分自身は「ちょっと是正されたか?」と一瞬は思いましたが、それはそこが下がっただけ。病院薬剤師による仕事に対する診療報酬が上がったわけではなく「薬剤業務」に関してはTotalでは支払われる金額は切り下げられた、というのが実情です。土日救急、当直、ハイリスク薬(抗がん剤や生物学的製剤など)を扱ってくださる方々に対し、「正当なる労働に正当なる報酬」を認められる日が来ることを祈っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

SPAMが増えています。特に外国語コメントのリンクはぜったに踏まないようにしてください。

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。