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2019/05/29

5月なのに「夏」 心不全と熱中症。

EF30%程度の心不全(緊急入院)が増えています。それが、心筋梗塞がらみかとおもいきや、ほとんどが高血圧や不整脈(心房細動)によるものです。もっとも、不整脈のものは心房細動になったので心不全になったのか、心不全になったから心房細動となったのか、どちらがニワトリでどちらが卵か分からないこともおおいです。 いずれにせよ、根治で治るものは根治したほうがいいので、治療の成功率、心不全や症状(動悸)に対する奏効率が高いと判断される方には積極的にすすめています。
抗血栓薬はいまは、エリキュースとリクシアナ、抗不整脈薬はベプリコールをベースに心不全や高血圧の治療も並行して行うため、β遮断薬(メインテートかアーチスト)をいれています。 それなりに合併症もなく、いい感じです。
HOT(在宅酸素)を導入した方がいい人もたくさんいますが、3割自己負担だと月額18000円します。もちろん、機械を買うと もの凄く高い(数百万)するし、その修理やメンテナンスも含まれていると思えば、暴利ではないのですが、なんとかならんかなあと思うことがしばしばです。HOTは確実にいいものです。
自分は、虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症に対するインターベンショニスト、そして不整脈に対するペースメーカーの植え込みやアブレーションをなりわいとしており、心不全をみるのは特異ではありませんが、最低限行うべき医療として、食事運動療法の指導、ACE阻害薬の導入、β遮断薬の導入、アルダクトンの使用に加えて、Backgroundの治療はできるだけやっています。腎不全や、心臓の拡張不全をともなわないことを前提として、EF45%でも心不全を繰り返す方からEF28%でも仕事をきちんとした上で、一年以上一度も入院がない方まで様々です。
夏の心不全は利尿剤の調整が難しく、塩分制限をその方ができるかどうかで、利尿剤を増やすべき方と減らすべき方の差がでてくるものです。外来のエコー検査枠は僕が外来をしているときは来月も緊急をのぞいてほぼ満席となってしまいました。検査技師さんは極めて優秀なので、3系列同時にもの凄い速さでやってくれるのですがそれでも厳しい現実があります。ただ、外来のすぐ裏にあるので少しでもおかしいとすぐ外来の合間に確認しに行けるという導線はすばらしいものです。

先週は熱中症で意識障害まで伴った状態の人が、連絡なく同時に複数名はこばれてきました。同時に4人の外来から検査・処置そして入院までを、1人の医師と2人の看護師と1人の事務員で、しかも迅速に対応していくことはもの凄く大変です。病院が夜間休日どのような体制で業務にあたっているかということの理解はまだまだされていないのだなあと痛感しましたが、これは我々でなく行政の仕事だと思います。また、熱中症をつくらない、ということはその組織あるいは、イベント主催者にも責任がある事だと思います。

仕事は勿論必要なことですし、運動会もとてもいいことですし、部活も大事なことだとは思います。奉仕作業(道路の掃除など)もしなければならないことです。が、自分自身がきちんと水かお茶をいれた水筒かペットボトルを持っておくことはもちろんですが、管理者がきちんと組織として熱中症を起こさせないための対応を具体的に整備することと、それを実際に運営管理をすることは必要ではないでしょうか。そしてその責任は問われるべきだとおもいます。

今年はまたエルニーニョで猛暑といわれています。小さい頃、気温33度で今日はひどいなあとおもっていたのが、今や33度は普通、37度、38度という体温より高い気温が「あたりまえ」になりつつあります。

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