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2020/11/06

ウイスキー覚え書き その2 アイラモルト

 ラフロイグ10年 4500円(43%750mlのサントリー扱いのもの)

初めてであったとき、なんと臭いウイスキーだ!と衝撃を受けた。強烈なヨード臭(正露丸)、ドライな口当たり、オイリーな味わい。しかし、その中に非常に強い甘さを感じる。以前はじめて女性が所長になった、というのはなぜ?というほどに癖の強いシングルモルトだが、仕事をして、いい汗をかいた後、ストレートでこれをグッと飲むと体中に潤いがみなぎってくるのがわかる代物。癖が強いので、ハーフロック、あるいはミストでもよいかもしれない。常温のトワイスアップや少量加水、あるいはストレートは慣れてから。ただ、慣れてしまうとシチューエーションによってはこのラフロイグ10年は手放せない者になる。

ラフロイグ15年

かつて存在した15年は今ではもう高価で買えない。ただ、10年に比べて樽や熟成により牙がとれており、かなりマイルドになっている。やっぱりラフロイグは10年だなあと思って飲んだ記憶のみが残っている。


ボウモワ12年 4000円くらい

アイラの女王といわれるくらい、上品なピート香に甘い味わい。ラフロイグの洗礼を受けた自分にとってアイラ=臭さ、辛さ、であったがこれはまったく違う。もちろんスペイサイドやハイランドに比べるとアイラ独特のヨード臭はあるが、ロックやハーフロックあたりにするとかなり落ち着いたものになる。おすすめは焼ガキにちょっと垂らしていただくともともともつ甘く広いモルト香がひきたって最高の逸品となる。

ボウモワ15年 6000円くらい

100%シェリー樽+ピートの美しい香り。焼き牡蠣とあわせなくとも自分的にボウモワの真骨頂はこの15年だと思う。おいしい。ストレートで甘みを感じ、そしてのどごしを感じて幸せの絶頂になるもの。

ボウモワ18年 9000円くらい

なぜかボウモワ15年にくらべて感動がすくなかった。アルコール刺激こそ15年よりもさらになくなっているがシェリーの甘みはなんか弱い。もちろんおいしくないわけがなくおいしいのだが、自分的には贅沢を味わうならボウモワなら15年かなあと思ってしまう。


ブルックラディ

クラシックラディ(スコティッシュバーレイ) 5000円くらい

今自分が一番気に入っているウイスキー。モルトそものはノンピーテッドだが、使用している水がアイラの水なので「うん?ピート香??」と一瞬思ってしまう。癖の強さは感じない。器に注げば、スプリングバンクではないのか?というレベルの香りの高さ。そして甘さ。50%とアルコール度数が高めにもかかわらずアルコールの刺激は感じることもほとんどない。もし感じればチョワイスー加水で一気に解決できる。本当にフルーティーでモルティー。キレもよく、フワッとした余韻はさっと過ぎ去っていく。飲んだ後の瓶は花瓶に。入れ物はこどものおもちゃにもおしゃれでいけている。

ブルックラディベアバーレイ 1万円くらい

高い。が、クラシックラディに比べて圧倒的に大麦の甘さがある。いわゆるバニラ香?というやつか?送られてきた段ボール、あるいは入れ物の缶を開けただけで「おお、これは違う」という甘い香り。もちろん香りの種類は別物だが、蓋を開けてグラスに注いだ瞬間部屋中が甘い香りで満たされるのはスプリングバンク15年のようなもの。ノンピートが好きなら値段は高いがこれは超おすすめ。

ポートシャーロット10年 6500円くらい

ヘビーピートで50ppm!と一瞬ぎょっとするがそれは誤り。確かにピート香はするが、ラフロイグやアードベッグのそれとはまったく違う。公式サイトによるとしっかり炊き込むためアイラの燃えやすいピートでなくスコットランドのものをあえて使用していることで「ヨード臭でなく香ばしい(ちょっと焦げ臭い?)ピート香」を実現しているとのこと。こちらも50度で10年熟成。クラシックラディもいいがこちらはもう一ランク、個人的には上質さとマニア心をくすぐってくれる甘さと旨さがある。切れ味などはクラシックラディ同様。もちろん、ストレートがお勧め。 「煙さ」「ヨード」を求めるヘビリーピーテッドとはちょっと違うので要注意。値段が高いのがつらい。せめてクラシックラディくらいにしてほしい。


ジムマキューワン氏とこのブルックラディのことを書いた本「ウイスキードリーム」を読めば読むほどこのウイスキーが好きになる。


アードベッグ

アードベッグTEN 6000円くらい

臭い3兄弟「アードベッグ、ラフロイグ、ラガブーリン」の中でも筆頭級。個人的にはラフロイグよりもオイリーさがない分さらに強烈なピートを感じた。甘みがあるとコメントされるがこちらもラフロイグの方が女性的。こちらは男性的なきりっとした切れ味でさながら石鎚山=アードベッグTEN、瓶が森=ラフロイグといったところか。個人的にラガブーリンになると「どっしりさ」と表現される者が重く緩く感じてしまうためこのアードベッグは男らしいアイラスコッチとして時に好んで飲むことがある。勿論初心者にはすすめない。お湯割りは 禁忌。カクテルのシェイカーに30ml入れ、氷をいれてシェイク後、ミスト?のような形で飲むとこれはひとつの飲み方。ピート臭を楽しむのならトワイスアップ。慣れるまではハーフロックで。

ラガブーリン

ラガブーリン16年 7000円くらい

超熟品がスタンダード。そしてそこまで高くない、というわけで当然トライしてみた。アイラの巨人はどんなものかと。注がれたときのピート臭はアードベッグ未満、ヨード臭は正露丸未満とたいしたことないかと口につけた瞬間、重さを感じる。口の中に拡がってドーンと残るヨードの「味」。これも好き嫌いがかなりあると思われる。自分はストレート、トワイスアップ、ハーフロックは実は無理で、普通のロック(しかもシングル)がいちばん合った飲み方。いつ飲めなくなるかわからない、と言われている16年スタンダード。あとこのラガブーリンのお勧めの飲み方はチェイサーに薄いジョニ黒を登用すること。ジョニ黒のスモーキーさはラガブーリン由来なのでとっても合う。さらに、ジョニ黒のハイボールにスプーン2杯のラガブーリンを入れると、超絶美味しく頂ける逸品である。


キルホーマン

ロッホゴルム2018

シェリーカスクで熟成させた最もアイラ島で前衛的・革新的なキルホーマン。ピート香はラフロイグよりもむしろ強い。しかしシェリーの甘さがドンとくる。好き嫌いは分かれるが、美味しい。ポートシャーロット10年の香ばしい香りとはちがったヨード香とその裏の強い甘み。もちろんラフロイグのオイリーや青リンゴはなく、ブドウやモモの味。こちらは慣れるまでハーフロック→ロック→トワイスアップ→ダブルのロック→ストレートの順で飲むのがおすすめ。ただ、苦みも強いので好き嫌いがかなりあると思われる。